迷宮生活 三十六日目
迷宮生活 三十六日目
今日は兵士達は現れなかった。連日で探索してくる可能性も考えていたのだが、そうはならなかった。やはりここは相当に僻地のようだ。
お陰で、落ち着いて昨日の被害状況を確認することができた。まぁ、ある程度は昨日のうちに済ませていたが。
昨日倒されたのは、サハギン二十体、ゴブリン十八体、軽甲虫三体、だ。既に再召喚した個体を同数徘徊させている。
防衛用に追加召喚したサハギンをそのまま流用した形だ。DPをケチってギリギリまでウォーリアに進化させなかったのが結果的に功を奏した。
【三叉の長銛】は、何本かは折れたり、持ち帰られたりしたが、打ち捨てられていた物もあったため、十五本の追加で済んだ。
今まで野良サハギンがいたため魔物を巡回させていなかった入口付近にも魔物を配置した。迷宮全体としては魔物の密度が下がったが、今後中級魔物を配置する可能性もあるので、魔物は増やさないでおいた。
ここまでは昨日の作業で、今日は更に倒された魔物の死骸を調査した。
サハギンとゴブリンは剣による裂傷が殆どで、野良サハギン達の様な矢傷や火傷は見られなかった。
野良サハギン達の迎撃を行った者たちと、昨日の兵士達は別の所属なのだろうか?現状では判断することが難しい。
軽甲虫は【監視体制】で倒されるところを見ていたが、兵士達の体重を載せた全力スタンプで甲殻を砕かれていた。たまに踏み損ねて転がって行ったりと、中々に時間と体力を消費させていたので、狙い通りと言えるだろう。
しかし、残念なことに死骸を調査したところ、甲殻の強度が下がっていることがわかった。あの防御力は【堅牢】のスキル有ってのものらしく、死後はその効果は失われるようだ。それでも俺にとっては貴重な資源なので、全て回収することにした。
野良サハギンの死体は海に捨てられており、回収することはできなかった。迷宮外の物質を入手することができなかったのは残念だ。
また、意外なことに、スライムは一体も倒されていなかった。ルート的に、兵士達とスライムは相対していたはずなのだが、相手にされなかったらしい。軽甲虫以上に戦闘力が低く、体内に魔物の排泄物を抱えていたことが原因だろうか?何にせよ、スライムの補充が必要ないのはいいことだ。
「収入」
DP…670P
FP…101P
「出費」
DP…18P
(食費18)
FP…0P
「合計」
DP…+652P
FP…+101P
「所持ポイント」
DP…11758P
FP…699P
「軽甲虫」…【下級魔物召喚Ⅰ】で召喚可能な魔蟲種の魔物。一メートルサイズのダンゴムシの様な魔物で、高い防御力を誇る。召喚コスト5DP。スキルは【堅牢】。
「【堅牢】」…体の強度を上げ、物理的な攻撃に耐性を得るスキル。所謂パッシブスキルであり、【身体強化】や【身体硬化】などの魔力を消費して一時的に能力を上昇させるスキルと違い、常時効果がある。
「レベルキャップ」…魔素濃度×10までレベルを上げることができる。殆どの人域ではレベル8〜10までしかレベルを上げることができず、それ以上は魔素濃度の高い外域か「神殿」、「魔石」を用いてレベリングする必要がある。




