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迷宮運営日誌  作者: 飛翔
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迷宮生活 二十八日目

迷宮生活 二十八日目


 野良サハギンの群れが傷を負って帰ってきた。


 群れの全員で狩に出るようになってから、少しずつ狩りの時間が延びていたのだが、今日は一段と遠くまで遠征してきたらしく、半日近く迷宮に帰ってこなかった。


 夕方になって戻ってきた野良サハギン達は一様に傷付いており、そして新しい槍……いや、銛を持ってきていたのだ。


 どうやら野良サハギン達は、人間かそれに類する知的生命体の漁師を襲い、銛を奪ってきたらしい。


 前々から、「槍のような武器」を持っていたが、それも二股の銛の先端の片方が折れたものであったようだ。


 サハギンが武器を作れるとは思えなかったので、拾うか奪うかしたものであろうとは予想していたが、手入れの行き届いた銛を持ってきた所を見ると、少なくとも今回は略奪してきたようだ。


 つまり、サハギンが半日で往復できる範囲に人間(推定)の生活圏があるらしい。


 これはかなり不味い事態かも知れない。サハギン達は人間の死体は持って帰ってこなかったが、戦利品の銛を三本も得ているし、深手を負っている個体もいない。人間を殺して奪ってきた可能性が高い。


 もし野良サハギンが味を占めて人間を襲うことを続けたり、すでに人間がサハギンを無視できない脅威と判断したなら、討伐隊が組まれるだろう。


 その場合かなりの確率で迷宮の存在が露見するだろう。討伐隊がそのまま迷宮攻略に乗り出す可能性もある。本格的な人間との接触は、せめて【現地言語翻訳】を解放してからが望ましいのだが。


 この世界では魔物の被害が出たとき、どのような対応を取るのだろうか?罠を仕掛け待ち伏せするのか、武力で脅して追い払うのか、それとも最後の一体に至るまで駆逐するのか……。


 もし人間が積極的にサハギン達を狩ろうと動いた場合、巣を特定してこの迷宮に到達するまでどのくらい時間がかかるだろうか?最初にやってくるのは村人か軍隊か、それとも冒険者や民間の駆除業者か。


 そして、迷宮の存在が露見したとき、人間は迷宮攻略にどれだけの戦力を投入してくるだろうか?


 この世界の知識が無さすぎて、どの様に事態が動くか全く予想できない。とりあえず、最悪の事態を想定して行動する必要があるだろう。


 明日は防衛戦略を改めて確認するとしよう。



「収入」

DP…666P

FP…128P


「出費」

DP…27P

(食費27)

FP…0P


「合計」

DP…+639P

FP…+128P


「所持ポイント」

DP…9077P

FP…788P



「【迷宮基礎知識】」…『自己強化ツリー』の初期権能の一つ。迷宮に関する最低限の知識を得ることができる。『自己強化ツリー』の知識は脳に直接焼き付けられるので、ダンジョンコアを介さずいつでも参照できるが、習得時めちゃくちゃ頭痛がする。


「セイレーン」…女性の上半身と魚の下半身を持つ所謂人魚。陸上では這うようにしか移動できず、マスタールームの【小さな泉】で窮屈な思いをしている。召喚コスト40DP。スキルは【魅惑の美貌】【誘いの呪歌】【心躍る呪歌】。


「『空と海を統べる青』その2」…左腕に螺旋の吸盤を持つ触手、背中に魚の鰭にも虫の翅にも見える飛翼、ペンギンに鱗を生やしたような頭部を持つ男神。融合した際に神格としての性質が大きく変わってしまったため、かつての信者との「繋がり」が弱まっており、ほとんど信仰を得られないでいる。



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