迷宮生活 二十一日目
迷宮生活 二十一日目
今日は本格的な迷宮作りのため、サハギンを10体護衛に付けて、迷宮の各所に【食糧施設】設置して回った。
【小さな泉】と【増殖するワカメ】のセットを六ヶ所、【鼠の巣穴】を五ヶ所に設置した。入口近くにも設置したかったが、野良サハギンを刺激しないよう今回は見送った。
野良サハギンはFPを稼ぐ意味では有り難いが、野良サハギンの居る区画ではダンジョンの改修に制限がかかるのは面倒だな。侵入者が居なければ、マスタールームからでも施設の設置が可能なのだが……。
設置が終わったあと、ゴブリンとサハギンをコマンドにより迷宮内を【巡回】させた。
巡回ルート上に【食糧施設】を設置してあるし、マスタールームもルートに組み込んであるので、魔物が餓死することは無いはずだ。
【鼠の巣穴】の鼠も迷宮内を駆け回っており、魔物の食糧兼侵入者への嫌がらせとなる予定だ。侵入者が魔物であれば意味はないが、人間相手ならば効果があるだろう。……多分。
巡回する魔物は、ゴブリンは三体一組、サハギンは単独で行かせた。【巡回】には団体行動を強制させるような効果はないので、サハギンを複数体で送り出しても、休息や食事のタイミングでバラバラになるのは目に見えている。
ゴブリンはゴブリン・ファイターの取り巻き達にスケルトンの助骨を持たせ、下位グループのゴブリン二体を付けて送り出した。
ゴブリンには最低限の社会性があるので、三体くらいならまとまって行動してくれるだろう。逸れる個体が出るようなら、マスタールームに帰ってきたときに編成し直せばいい。
今は侵入者がいないので、完全に無駄な巡回だが、いざ人間の侵入者が来たときに、迷宮の最奥にしか魔物がいなければ、産まれて間もない迷宮だとバレてしまうかもしれない。
人間がどれだけ迷宮に関する知識を持っているかは分からないが、用心するに越したことは無いだろう。
人間には慎重に、段階を踏んでの迷宮攻略をして欲しい。というか、速攻をかけられた場合勝ち目はないだろう。
その場合は「サハギン・ウォーリア増産作戦」で時間を稼ぎ、【中級魔物召喚Ⅰ】にすべてを掛けることになる。
そのためにも、せめて三日は籠城したい。迷宮の複雑化と魔物の強化は急務だろう。
「収入」
DP…633P
FP…101P
「出費」
DP…171P
(食費31、食糧施設140)
FP…0P
「合計」
DP…+462P
FP…+101P
「所持ポイント」
DP…7249P
FP…226P
「【中級魔物召喚Ⅰ】」…【下位魔物召喚Ⅰ】の上位権能。各種族の中級の魔物を召喚できる。主に主人公は中級の竜種モンスターに期待を寄せている。
「【噴水施設】」…【深海への入り口】の初期権能の一つ。【湧水】【噴水】【小さな泉】を設置することができる。周囲の魔素を消費し水を生み出しており、破損した場合も魔素によって自動修復される。
「【小さな泉】」…ビニールプールサイズの泉。汲み上げても暫くすれば一定の水量に戻る。【増殖するワカメ】とセットで置かれたり、マスタールームに生活用水として設置されたりしている。初期に水系の権能が無いダンジョンでは、ダンジョンマスターや魔物の飲水も【質素な食事】で用意する必要がある。