迷宮生活 十九日目
迷宮生活 十九日目
昨日に引き続き、今日も野良サハギンへの襲撃を行った。今回はジャイアントバットに攻撃させた。
機能の襲撃を覚えていたのか、それともジャイアントバットは脅威と見なされたのか、野良サハギン達は今回は直ぐに迎撃を行った。
そのため、【簡易監視体制】の視野外で戦闘が行われ、様子を見ることは出来なかった。
戦闘は一分ほど続いたようで、しばらくすると迎撃を行っていた野良サハギン達が視野内に戻ってきた。野良サハギン達にダメージは無い様だったが、槍持ちが狩りで不在にしていたこともあってか、それなりに梃子摺ったと思われる。
少なくとも一瞬でやられたフライングマンタと比べれば健闘したと言えるだろう。
襲撃の成果は上々で、野良サハギンは見張り役を置くようになった。見張りは交代で行われ、今も寝ずの番が警戒を続けている。
おかげで今日は10Pほど信仰値を多く稼げた。やはり、信仰値を稼ぐには侵入者にストレスを与えることが効果的なようだ。
明日はサハギン・シャーマンを追加で召喚し、一日の信仰値が100Pに届くようにしよう。
それと今日は【魔素濃度測定】の権能を解放できた。【魔素濃度測定】では、各「区画」ごとの魔素濃度をダンジョンコアから調べることができ、マスタールームが『3.17』、第一区画が『1.42』だった。
迷宮外の平均的な魔素濃度が分からないので、第一区画は分からないが、マスタールームの『3.17』は恐らくかなり高い数値だろう。
これからも測定を続け、魔素濃度が高くなっていくようであれば、シャーマンを増やしていこう。
道具作りは相変わらず上手く行っていない。【星の砂の小瓶】を割ったガラス片に【貝殻のネックレス】の紐を巻き付け親指サイズのナイフを作れないかと試してみたが、失敗。
石を叩き割った打製石器で鼠の解体を試みたが、それも失敗。
スケルトンの骨を割って裁縫用の針を作るのも失敗した。
鼠の皮と骨の針、スキュラ達の髪の毛で防具を作れないかと考えていたのだが、俺の器用さと知識では不可能そうだ。
防具の作成は流石に諦めるしか無いだろう。“護衛隊”には防具を支給してやりたかったが、できないものは仕方がない。
一応、星の砂とガラス片は【塩のスープ】の空き皿に入れて保管しておく。
貝殻は気が付くとスキュラとセイレーンが持っていっていた。使い道はなさそうなので、そのまま与えてもいいだろう。
「収入」
魔素…663P
信仰値…96P
「出費」
魔素…31P
(食費31)
信仰値…200P
(【魔素濃度測定】)
「合計」
魔素…+632P
信仰値…-104P
「所持ポイント」
魔素…6233P
信仰値…23P
「魔素濃度指数」…【魔素濃度測定】で得られる数値は濃度指数であり、つまり魔素濃度『2.00』は『1.00』の十倍、『3.00』は百倍の濃度である。ちなみに、迷宮外の平均魔素濃度は『1.0〜0.8』程度。現在の魔素濃度は主人公が思っているよりずっと高い。
「区画その1」…迷宮内はいくつかの「区画」に別けられている。各区画は物理的には繋がっているが、別個の“異空間”であり、各区画ごとに魔素濃度が異なる。また、侵入者が居る区画では大規模な迷宮の改装はできない(【小さな泉】等の小規模施設を一つずつ設置することくらいは可能)。現在は「マスタールーム」と「第一区画」しか無い。
「フライングマンタ」…【下級魔物召喚Ⅰ】により召喚可能な怪魚種の魔物。【浮遊】のスキルにより空中を泳ぐエイの魔物。鰓呼吸しかできず、大気中では魔素により生命維持をしているため実は結構大ぐらい(主人公は気付いていない)。




