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フリゲ情報交換板  作者: 桜万夜
Superior Librarian
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End of Superior Librarian

End of Superior Librarian


649:Summary Librarian[sage]

ここらでまとめるか


『Superior Librarian』配信

容量から地雷と判断

一陣突入

Watch Dog切れる前に一次報告、魔導書ブンブン

二陣突入

二次報告、魔法大戦始まる

古参勢続々ログアウト


650:Free Librarian[sage]

順当


651:Return Librarian13[sage]

何なら手遅れ感まであるが、ここにいる連中に何言っても無駄だわな


652:Free Librarian[sage]

>651

かく言うお前もログアウト勢やんけw


653:Summary Librarian[sage]

で、この先報告まだだが、書いちまっていいよな?


654:Free Librarian[sage]

おk


655:Return Librarian14[sage]

構わん。やれ


656:Summary Librarian[sage]

んじゃ遠慮なく


魔導書所持数バトル始まる

オート化開始

ログアウト加速

上位魔法続々解禁

禁忌魔法発動

The End of Library


657:Return Librarian15[sage]

総括に入ってたか。まあ一応報告。


・図書館、範囲火炎攻撃で火災

・魔導書とライブラリアンと燃え盛る図書館のみ残る

・一部の魔導書が浮遊して勝手に魔法を撃ち始める

・ライブラリアンはもはや魔導書を拾う人形


658:Return Librarian16[sage]

ここまでくりゃ色々察するわな


659:Return Librarian17[sage]

楽しい祭りでしたね…


660:Free Librarian[sage]

準備期間数十年と6時間、祭り10分ぐらいか?


661:Return Librarian18[sage]

まあまあもった方だな


662:Free Librarian[sage]

ちっくしょー、乗り遅れたぜw


663:Return Librarian19[sage]

>662

まだ最後の花火は残ってるぞ?


664:Free Librarian[sage]

>663

花火は自宅で眺める派なんで(^^)


665:Return Librarian20[sage]

もうそろそろ時間だろうな


666:Free

mov:Superior_Librarian



青白い月明りの下、赤々と燃える図書館を睥睨し、漆黒のマントと白銀の髪を靡かせた少女が浮かんでいた。

星々の光すら覆い尽くさんとする数多の魔導書は、一見出鱈目なように見えて意味ある配置をしているのか、少女を中心として大きな円を描いている。


少女の呟くような、囁くような、耳を傾けていようとも聞き逃してしまいそうな小さな声が、反して世界に染み渡るように広がっていく。

「始まりに恐れあり。故に人は灯を求めた」

ーーー少女が目を閉じると同時、その目の前を漂っていた魔導書が黒い輝きを帯びた。黒い光はやがて魔導書同士を繋ぎ、全ての魔導書が繋がった頃には珠を形成していた。

「灯を手にし、眩みあり。故に人は陰を求めた」

ーーー少女が目を開けると同時、その身の周りを囲うように漂っていた魔導書が白い輝きを帯びた。白い光はやがて魔導書同士を繋ぎ、全ての魔導書が繋がった頃には珠を形成していた。

「陰に隠れ、惑いあり。故に人は友を求めた」

ーーー少女が靴音を鳴らすと同時、その足元を漂っていた魔導書が黄色い輝きを帯びた。黄色い光はやがて魔導書同士を繋ぎ、全ての魔導書が繋がった頃には珠を形成していた。

「友を束ね、憂いあり。故に人は先を求めた」

ーーー少女が見上げると同時、その頭上を漂っていた魔導書が緑色の輝きを帯びた。緑色の光はやがて魔導書同士を繋ぎ、全ての魔導書が繋がった頃には珠を形成していた。

「先を見つめ、不安あり。故に人は策を求めた」

ーーー少女が左手を伸ばすと同時、その左手先を漂っていた魔導書が灰色の輝きを帯びた。灰色の光はやがて魔導書同士を繋ぎ、全ての魔導書が繋がった頃には珠を形成していた。

「策を為し、悲哀あり。故に人は番を求めた」

ーーー少女が右手を伸ばすと同時、その右手先を漂っていた魔導書が青い輝きを帯びた。青い光はやがて魔導書同士を繋ぎ、全ての魔導書が繋がった頃には珠を形成していた。

「番を組み、不自由あり。故に人は空を求めた」

ーーー少女の髪が一際強く靡くと同時、その背後を漂っていた魔導書が赤い輝きを帯びた。赤い光はやがて魔導書同士を繋ぎ、全ての魔導書が繋がった頃には珠を形成していた。

「空となった器を嘆き、人は蘇りを求めた」

ーーー少女が前を見据えると同時、全ての魔導書の輝きが混じり、やがて覆い隠した星々に代わるように不規則な色で瞬き始めた。



少女の囁きに魅了されていたのか、目の前の事象をただただ呆然と流れるままに見ていたプレイヤーたちが我に返る。

この段になってようやく、この儀式を成立させるわけにはいかないという本能的な恐怖に駆られ、持てる限りの魔法を放つ。

しかし、少女が囁き始めた時点で手遅れだった。

いかなる魔法も、いかなる攻撃も、もはや少女に届くことはない。

プレイヤーから放たれた魔法は明滅する魔導書から放たれる魔法により相殺、あるいはそれ以上の力によって術者へと返された。

プレイヤーから解き放たれた魔導書は少女の元へと飛び立ち、巨大な珠の一部となって明滅し始める。



そして、少女の囁きは止まらない。


「過ぎたる求め、不遜な望みに、世界は終に牙を剥く」

清涼なるせせらぎに、毒を一滴垂らしたように、

「抗せぬ恐れに、器は壊れ、人は理を解する」

永遠に聞き惚れられる囁きに、ノイズが混じる。

「敵わぬものを、抗えぬものを、不変であるものを」

毒はやがて、囁きを浸蝕し、

「ただそこにありしものを」

呪詛と成す。



プレイヤーたちは何が何でも詠唱を止めねばならぬと、狂ったように魔法を放つ。

狂乱の態で放たれる魔法はもはや何を狙っているのか定かではなく、もはや恐怖に何も知覚できていないのかもしれない。

それでも、何もせずにはいられぬというように、魔法を放ち続ける。

夜空を奔る魔法の数々は少女を中心とした珠に当たり、弾け、夜空を一瞬彩る。


それでも珠は染まらない。

唯一少女を主と認め、無粋な色を拒み続ける。



そして、少女の呪詛は止まらない。


「蒼褪めた月の下、古書を戒めから解き放ち、陽光届かず、謀書は燃え、輩は斃れ、前途洋々にし、企ては無用となり、相棒は共にあり、空の器は満たされた」

魔導書の明滅が加速する。

「されど恐怖はそこにあり」

止まることを恐れたように、一斉に表紙が開き、バラバラと目にも留まらぬ速さで頁が捲れていく。

「打ち克つべきはそこにあり」

あまりの速さに耐えきれず、頁が散逸し、一冊の魔導書が発火した。



そして、少女の詠唱が始まる。


「吾は恐れる、ただそこにあるものを」

次々と魔導書が散逸していく。

「吾は求める、ただ人であるが故に」

次々と魔導書が燃え尽きていく。

「吾は統べる、世界を記せし八なる書を」

次々と魔導書が灰となり、

「吾は示す、人の理を」

魔導書が残した陣と、八冊の閉じたままの魔導書が残る。


「八なる真書よ」

黒く輝く書の表紙が開いた。

「偽りへの恐れ」

白く輝く書の表紙が開いた。

「独歩への恐れ」

黄色く輝く書の表紙が開いた。

「未来への恐れ」

緑色に輝く書の表紙が開いた。

「企みへの恐れ」

灰色に輝く書の表紙が開いた。

「孤独への恐れ」

青く輝く書の表紙が開いた。

「空白への恐れ」

赤く輝く書の表紙が開いた。

「その本懐を遂げる時と知れ」

最後の書の表紙が開いた。

「今ここに、討ち果たさん」

燃え尽きたはずの魔導書が再燃したかのように、魔法陣が燃え上がるように輝く。

目に見えぬ力が荒れ狂っているかのように、魔導書の頁が捲れ、マントが吹き飛ばされる。

少女が蒼い月を掴もうとするようにーーー

「The」

右手を振り上げーーー

「End」

月明りを集めたかのようなーーー

「by」

蒼白い光が巨大な大鎌を模りーーー

「The」

振り下ろされた手の先でーーー

「Death」

世界は終焉を迎えたーーー



Q:お前これが書きたかっただけだろ

A:うん


思い立って勢いのまま書き出し、今回書きたかったこと書いて満足したのですが、なぜかこれ以降の大まかな構想が立ってしまったので書きます。

書き出し当初は数多のバグを掘り返し「こんなん見つけたったww」から悪ノリして、「お前ら何やってんだ……」的な流れを想定していたところ、なぜか厨二エンドを迎えてしまいました。

今後どうなるかは時の気分次第ですが、もし時間を割いてもいいと思っていただけるならお付き合いいただけると幸いです。


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