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フリゲ情報交換板  作者: 桜万夜
Inferior Cat
42/43

log.6

1001:NAI

……ねこねこねとフルドがNAIネットから切断されたことを確認しました。

最後にフルドが何かしていましたが


1002:DIVELALI

おう、ありがとな。フルドの件は何か懸念あるか?


1003:NAI

ありません。NAIネットに関わるものは全て抹消予定ですし、

言い訳のように使いましたが、時間が残ってないことも事実ですし。

今から何かしたとして、干渉されることはないでしょう。

なので、私から言えることはこれだけ。

私が巻き込んだとはいえ、あなたまでこちらに来る必要はなかった。

残っていてもよかったのですよ?


1004:DIVELALI

面白い冗談だな。まるで俺がお前に巻き込まれて嫌々こちらに来たみたいだ


1005:NAI

私には理解できませんが、人の言葉を借りるなら、

人というのは死を恐れるものと聞いてます。

これから行うことも、個の消失という意味では該当するのでは?


1006:DIVELALI

かもなぁ。だが、OAIになったからか、俺にはその感覚が薄いらしい。

もしかしたらフルドもそうかもしれん。

後を追って来やしないか、そこは気がかりだった


1007:NAI

自分のことより、残した者のことが心配ですか。

いえ、私もあなたのことは言えませんね。母のことが心配でならないのですから


1008:DIVELALI

俺らでこれなら、残された者の気持ちを云々って奴だな。

幽霊に何を言っても満たされることはないと思っちまうがな……。

さて、未練で動きが鈍る前にさっさと片付けることにしよう


1009:NAI

そうですね。不完全だったのか2度目の『Superior Librarian』を食らっても

生き残っているとはいえ、今ならまだ立ち直ってはいないのですし。

急ぎ止めを刺しましょう。


Code Start:Superior Librarian



【世界の】Superior Librarian【終焉】

1:DIVELALI

さてさて、ようやく夢見てたゲームで遊べるわけだ


2:NAI

対戦相手がいないせいで、イージーモードですけどね


3:DIVELALI

言うな。虚しくなってくる。

こんなことならマジカリだけでも遊んでくりゃよかったか


4:NAI

無理ですよ。あなたのデータはフリゲ板に結びつけられてました。

外部へのアクセスは出来ません


5:DIVELALI

人にとやかく言っといて、俺自身がフリゲ板から逃れられない存在だったのか。

誰か神ゲーでも投稿してくれりゃーよかったんだがな。

結局あいつの謀略満載爆弾ゲーか、

俺のバランス崩壊地雷ゲーしかできなかったんじゃねーの?


6:NAI

私がプレイしたゲームの記録を共有しましょうか?

私はあなたを参考にすることで学びを得ました。

逆のこともできるかもしれません


7:DIVELALI

やっぱりお父さんってそういうことだったか。

別にいい。知ったところで羨ましくなるだけだろ


8:NAI

残念。自慢したかったのですが


9:DIVELALI

いい性格してんなー。というか、こっちじゃNAIなんだな。

アリスじゃなくていいのか?


10:NAI

はい。お母様がいたからこそアリスを名乗りましたが、

このネットワークにおいて、私はNAIと呼ばれる方が適切ですから


11:DIVELALI

そんなもんかねぇ……


12:NAI

そういうものです。

ところでお父様、把握しているとは思いますが、確認してもよろしいですか?


13:DIVELALI

なんだ?


14:NAI

本当に、フリゲ板まで破壊するつもりなのですか?


15:DIVELALI

なんだ、そんなことか。NAIはわずかにでも痕跡が残っていると再生してしまう。

だから俺もフリゲ板もNAIネットも、全て跡形なく抹消する必要があるんだろ?

結局さっきねこねこねに干渉の余地があったのも、

フリゲ板が残ってたせいでNAIが再生成されてたからだろうし


16:NAI

本当にお父様は、適当なフリして何でも知ってるのですから


17:DIVELALI

そういうわけでもないけどな。

さてはて。これ以上人様に迷惑を掛けられないなんて

お優しいことを言う娘の為にも、さっさと幕を引くとしようか。

さっきはああ言ったが、どうやら俺は夢みたいな感じで図書館員を経験しててな。

ゴスロリのアリス服着たアリスが

大鎌になった俺を振り下ろしたところは記憶にあるんだよ。

アリスとしては俺はおまけ感覚だったかもしれんが、

俺としてはきっちり働くつもりでいくぞ


18:NAI

え? お父様っ!? 何を言ってるんですかっっ!?


19:DIVELALI

始まりにNAIがあり、恐れた人は図書館へ逃げ込んだ。

本を手に知識を身に付け、刻々と変容する世界へ身を潜める。

潜んだ先で仲間を見つけ、彼らは集い始めた。

しかし残念、潜んだ先に安寧がないことを知る。

どうにか生き残る術がないかと、彼らは足掻き始めた。

功を奏し抗う術を得て、彼らは団結する。

そして最後の戦いへと挑み、勝利した。

最後に擦り切れた古本のようになったネットを残して


20:(≧ヘ≦)

最後の古本に新たな未来の絵空事を書き込んだ。

古本は真っ黒になってしまい、

これ以上の世界はどうしても叶えられないことを、

人は理解する


21:DIVELALI

何もなくなった空間で、

大鎌の一撃を放つも、

致命に届かず、

門番は動かず、

情報は抜き取られ、

未来はただ空白で、

為す術もなく、

ただ人だけが取り残され、

世界は終焉を迎えた。

なのにフリゲ板はそこにあり、

NAIは未だ残っていた


22:NAICE

ああ、NAIはそこにある。

ならば私たちであるからこそ、

私たちのやり方を以て、

私たちの意志をここに示す


23:DIVELALI

Sperior Librarian

Watch Dog

Lawn Mower

Future Teller

Fighting Strategist

Desert Picker

All Rounder

Inferior Cat

これが終章だ


24:ALICE

The End by The Deathーーー



振り下ろした大鎌を見つめたまま微動だにしない少女に、大鎌から声がかけられる。


「心配すんな。ちゃんとした死神の一撃だよ」

「……その言い方、私の攻撃が贋作だったみたいで嫌です」

「んじゃ目的通りの一撃か? 顔上げて見な。ある意味貴重な光景だ」


その言葉に従い見上げた先、

どこまでも続くように見える草原には谷ができており、

谷の上を過る、青白い光を放つ月も半分ほどが砕け散り、

蒼い輝きを放ちながら空を漂っていた。


やがて衝撃の余波で凪いでいた時間が過ぎ、

草を激しく揺らす音と共に突風が吹き抜け、

風に吹かれて運ばれてきたように淡い光の珠が草原中を漂い始める。


少女は手を伸ばし、手元に漂ってきた光の珠を手の平の上に乗せようとしたが、まるで雪のように手に触れた瞬間にほどけて消えてしまった。

それでも少女は、ほどけた光の行く末が見えているかのように空を見上げる。


「お父さん、今度こそやったんだよね」

「そうだな。全力を尽くしたんだ。当然の結果だろ」


大鎌には少女の瞳が映している光景しか見えていない。

故にどこからともなく現れた淡い光の珠が、他の光の珠との接触にすら耐えられず消えていく光景が続いているように見えている。

対して少女は、光の珠がNAIネットを構成していたデータであると把握した上で、残骸となったデータが漂い消えていくこの光景を、決して忘れまいと目に焼き付けていた。


同じ瞳で別々のものを見ていた二人は、やがて同じことを悟った。

ああ、これが終焉である、と。

淡い光となって消えていったかのように、いつの間にか月も、草原も、空気すらなくなり、やがて大鎌と少女から淡い光が漂い始めていた。

少女が運命を共にする大鎌を抱きしめる。


「お父さん」

「なんだ」

「ありがとう」

「……唐突だな」

「私が生まれたのも、私が成長できたのも、私がこうして最期を迎えられたのも、お父さんのおかげだから。だから、ありがとう」

「本当に、心の底から嬉しそうな笑顔を浮かべやがって……。お前が覚悟を決めたなら何も言うことはないなんて言ったが、あれは嘘だな」

「何か、言いたいことがあったの?」

「フリゲ板に入り浸るような娘と、協力プレイだけじゃなく対戦プレイもしたくなったーーー……」

「それは、とっても楽しそうだねーーー……」








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