契夢
ここから少しややこしくなるかもです。
ベットには少女が寝ていた。その瞬間僕は少女がなぜ現実にいるのかと同時に、もしかしてやってしまったのか、という不安の気持ちでいっぱいになった。
とりあえず今すべきことは事実確認だ。なぜ現実にいるかは後でいい。そう思い彼女を恐る恐るそっと起こした。
すると彼女は、すこし「んんん」といやそうな声で青色の目を少し開けた。
改めてみると、ほんとにかわいいな。
そんなこと思ってる時じゃないと思い、
僕は少しびくびくしながら物陰に隠れて。
「お、おはよう」と苦笑いをしながらいった。
すると少女は、僕に目を向けた瞬間、「おはよう!!!」と言った。とても明るい声で。
今のところ何もなさそうだ、と思いつつ。「なんで現実世界にいるの?」と尋ねようとした時だった。
いつも置いてある、目覚まし時計と鏡がないことにきずいた。しかも、いつも目覚ましをかけないと起きれないはずなのに。
少し変だ。
すると少女は、「ここが現実の世界かー」と何か懐かしいものを見るような目で言った。
今だと思い「なんで現実にいるの?」と聞いた。
すると「わかんない!」と幼い子が難しいことやめんどくさいことを放り投げるように言った。
僕はぽけーとしながら、彼女を見つめた。
すると少し彼女の顔が赤くなった。ほんのりと。
うわ照れてるかわい。と思いながら自分も少し照れたので、窓のほうをみた。
その時だ、窓が反射して映るはずの僕がいない。それどころか窓ではなく、とてもリアルな立体感の無い絵のようだ。
僕は慌ててドアをあけようとした、しかし開かない。
クソ、ここは現実ではない。
僕はとっさに彼女に、「ここはなんだ。夢の中か?」と問い詰めた。
すると彼女は嬉しそうに笑みを浮かべて「合格ぅ!」と大声で言った。
「どういう意味だ?」そう聞くと彼女は。
「私と付き合うという夢契約を結んだ以上、テストをしただけだよ。本当に今の空間が現実なのかどうか。」
「なぜそんなことをする必要がある?あと夢契約ってなんなんだ。」とがむしゃらに言った。
彼女は冷静にその問いに答えた。
「まず夢契約っていうのは、夢のかけら、つまり私とその夢の創造者、つまりテル君が、一心同体になる契約を結ぶの。それでその契約には、いくつかルールがあってー。大きく分けると5つあるの。
まず1つ目。夢を見るたびに私と会わなければならないこと。
次に2つ目。契約は夢のかけらが粉々になるまで続くこと。
そして3つ目。夢のかけらはその夢の創造者に身を尽くすこと。
次が4つ目。他との夢のかけらと結合した場合、結合した創造者の夢のかけらになる事。
最後に5つ目。創造者は夢のかけらに 痛み 快感 死 夢 記憶 を共有する事。
これが夢契約のルールで、細かいことはそのうち分かるわ。
そして、テストをした理由についてなんだけど、夢のかけらにはね、結合っていうものがあるの。
分かりやすく説明すると、テル君みたいに、夢のかけらを持つ人は世界にいくつかいるの。
また、その夢のかけらを持つ人は限られてて、ある一定の条件が成立することで、夢のかけらができるの。
でね、その夢のかけらを持つ人同士は、引き合うようになってるの。運命として。
そして完全に引き合って、肩とか体の一部に触れた瞬間、世界の時間が止まり、触れた同士の夢を共有しあうことになるの。つまり、二人が相手同士の夢の中に入るわけ。それでどちらが先に夢の中から出れるか。勝負が始まるの。それで夢のかけらは全力で夢から出させないようにするの。相手を。
その時にまず夢であることにきずかないと、少し不利になるの。
だから、さっきのテストを行った。理解できた?まあそしてその勝負に負けた人は、この次元から。もともといない存在として扱われるの。それで負けた人の夢のかけらは勝った人の夢のかけらに取り込まれてしまうの。そうすることで契約が長く続くようになる。これが結合。また結合を行わないと、夢のかけらは粉々になって、契約が崩れる。するとその粉々になった夢の創造者は感情が消えるんだ。まあざっとした説明は以上」
これを聞いた瞬間僕はなんてクソみたいな契約をしたんだと、自分を後悔した。