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獣達の騎士道  作者: 春野隠者
シンデレラへの挑戦
88/116

灰被りのエラ

「……まずい」

 ロズヴェータと魔女猫のニャーニィが見下ろしている場所から、灰被りのエラとルクレイン公爵家の末弟ノインの位置は良く見えた。

 輝くシャンデリアを始めとした光源は、灼熱の太陽(ヴェスタ)の光と比べれば、劣るものの十分すぎるほどに室内を照らし、視界を確保できる。

 その二人の視線の先で、今一歩と言うところでエラが捕まった。

 しかも、最悪なことに、ディゴース家に取り入る姉の内の一人だ。

 思わず漏れた、ロズヴェータの呟きにニャーニィが反応する。

「……お兄様、わたくしちょっと下の階に──」

 言いかけたニャーニィの視界に、物々しい近衛騎士の姿が映る。

 明らかにロズヴェータとニャーニィを目指してやってくる彼らの姿を見て、再びニャーニィはロズヴェータと視線を交わす。

 引き上げ時だ。

 これ以上の長居は、余計な騒乱を巻き起こす。

 作戦は失敗。エラを引き連れて素早く王城から離脱し、名誉を取り戻す戦いから血みどろの現実を剣をもって切り取る戦いに移行する。

 瞬時にそこまで判断したロズヴェータは、目を見開いたまま固まるニャーニィの腕を取った。

「エレオノール」

 そっと呼びかける中に、戦場で鍛えた力強さがある。

 振り返ったニャーニィの目に涙。

 今にも溢れそうなそれを、ロズヴェータは、優しく拭った。せめて友の涙ぐらいは、拭える男でありたいと、ロズヴェータは力強く頷いた。

「ろ、お兄……」

 兄妹と言う設定を維持するのも、もはや難しい。狼狽えるニャーニィは、兄妹と言う仮面がはがれかけている。

 視線を転じれば、下の階で、ディゴース家に取り入る姉のうちの一人とエラの回りに輪ができている。言い争い、と言うよりは一方的にエラが怒鳴られているといった風だが、誰も助けに入る様子はない。

 当たり前だ。

 当事者でない限り事情も知りえないのだから、下手な仲裁を買って出ることはできない。周りのほとんどは力の同じ中・小の貴族達なのだ。

 唯一、その中で仲裁する力があるとすればルクレイン公爵家の面々だが、いきなり始まった混乱に彼らは呆気に取られているばかりだった。

 長兄ガベルは気づいておらず、長姉シュミナは周りの取り巻きの相手に忙しいのか、関知する気はないようだった。末弟ノインとその婚約者ヒルデガルドは仲裁を申し出てよいのかどうかわからず、左右を見るのみ。

 ここまでだ。

 ここから派閥の中心たるルクレイン公爵家の面々が仲裁したとしても、派閥に入る前にもめ事を起こした面倒な家と言う印象を持たれるし、何より自分の家のもめ事を自分達で解決できない無能な家としての烙印は免れない。

 しかも、家の統制も取れないというおまけ付きで。

 それを未然に防ぐための、末弟ノインとの距離を詰める方策だったのだが、それもご破算だ。

 ロズヴェータは、ニャーニィの腕を握る手に力を籠める。

 後は、剣と暴力によって、継母と二人の姉を闇から闇に葬るしかない。彼女らの実家とももめることになるだろうが、この際だ、まとめて燃やしてしまえと、彼の心に凶暴な火が灯る。

 大事な仲間の気持ちを台無しにするような、そんな他人など、この際火にくべてしまえば良い。

 ともすれば、この場にディゴース家に取り入る継母がいるはずだ。行きがけの駄賃に、脅しをかけるのも……いや、やはり離脱が優先だ。

 一瞬の迷いの後、ロズヴェータが足を踏み出そうとした瞬間──。

「国王陛下、ご入場!」

 係の声とともに、この国を統べる資格のあるただ一人の少年が、舞踏会の会場に入って来た。


◇◆◇


 三日連続の夜会というのは、少年の身体と精神に相応の負担を強いていた。最初は緊張と目新しさに固まっていた少年王であったが、三日目となれば流石に慣れる。

 定型句の挨拶を延々と繰り返すと、それ以降は皆が踊っているのをただ眺めるだけ。

 豪華な食事を口に入れることも、少しの酒を口に入れることも、特定の誰かと踊ることも許されていない彼の窮屈さと鬱屈した思いは、三日目に至って限界に近くなっていた。

 母親であり摂政でもある人の言うことだから、間違ってはいないのだろう。その理由も、説明されたわけではないが想像はつく。

 もし、特定の料理だけを食べれば、その料理だけを好物として理解され、明日からそれのバリエーションが食卓に並ぶ。

 酒を飲んで醜態をさらす愚を犯すわけにはいかないし、特定の誰かを踊りに誘えば、依怙贔屓していると非難の的になる。

 ただひたすら挨拶を受ける置物として、少年王はそこに座していなければならなかった。

「今日は一人で入場なさい。かつての王達のように威厳を持って臨みなさい」

 そう言った母親の言葉に、リサディスは頷く。

 家庭教師たちの語る王の業績は、帝王学の必須科目だった。

「国王陛下、ご入場!」

 皆が一斉に頭を下げている中を、入っていくのも苦手だった。

 少年王の視線からは、彼等の顔が全く見えない。下げた頭の裏で、どんな表情をしているのか見えないことは、少年王にとって恐怖でしかない。

 静まり返る中を既に2回やり遂げているのだ。

 ──ああ、嫌だ。

 と思いながらも、それを口に出せばどうなるか十分に理解している少年王は、鬱屈した気持ちを抱えて、足を進める。

 舞踏会の会場となる大広間ダンスホールに入ると、いつもと違って、喧騒が聞こえた。

「ん?」

 思わず声が出たのは、知らないことへの期待の裏返し。僅かに早足になった少年王の視界に映ったのは、頭を下げる圧倒的大多数の人々と、怒りに顔をゆがませた少女と、それを気丈に見返す可愛らしい少女の二人。

「何か、問題が?」

 珍しい、と言うのが正直な感想だった。

 大概の問題は、全て彼の到着前に取り除かれ、自身が裁可を下す頃にはイエスと言う選択肢以外が取り除かれているか、あるいは正解のない問題を丸投げされるか、どちらかしかない。

「はっ……見てまいります。こちらでお待ちあれ」

 侍従の一人に問いかけることすら異例のことであったが、少年王リサディスは、手を挙げてそれを制した。

「ああ、良い。僕自ら向かうよ」

「あ、はっ! それは!?」

 慌てる侍従を置き去りに、本来向かうべき王座から進路を変えるリサディス。

 ざわりと、無言の内の喧騒の中を興味の向くまま足を進める。

「どうした、何か問題が?」

 思わずと言った風に声をかけてしまったのは、これが中小の貴族達が中心となった舞踏会だからだ。大貴族相手なら、こうはいかなかった。

 また摂政エリザベートが不在というのもある。

 少年ながら、王は自身が主催者だという自覚があった。だからこそ、問題は解決しなければならないという僅かながらの責任感と、遠目にも見える可憐な少女が苛められている様子に、小さな義侠心に火がついた。

「は、っ、え!?」

 掛けられた声は、エラの背後から。

 固まる義理の姉に対して、エラは驚きに目を見開いたのみだったが、覚悟を決めて少年王に向き直る。胸が高鳴るどころではない。まるですぐそばに頭上から剣が落ちて来たかのような衝撃だった。

「……御心を騒がせ、申し訳ありません」

 初めて聞く少女の声に、リサディスはまたしても興味をそそられる。この二日間聞いた大半の声は、甲高く興奮した声が大半であったのに、目の前の少女声は耳朶に心地よい。

 高くもなく、努めて抑揚の効いていた発音、確かな教養を感じさせる言葉に若き少年王の興味は強まる。

 ドレスの裾を持ち上げてカーテシーをする姿も、楚々として華憐。

「ああ、うん」

 そこで黙ってしまった少女たちに対して、リサディスもまた、どうしようと考える。これは自身の言葉を待たれているという認識はあった。

 しかし、一方的に自身の感情の赴くままに処罰を決めるのも良くはない。なにせ、王は公平であれと教えられてきたし、彼自身もそれを正しいと感じている。

「えっと、それで言い争いの原因は?」

 ちらりと、ディゴース家に取り入る姉の一人を横目で伺ってからエラは、問いかけられたことに応える。

「私にこの舞踏会への出席権がない、と主張なされて……」

 そこで少年王は眉を顰める。

 泡を喰って追いついてきた侍従が、陛下と呼びかけてきたのも悪かった。リサディスとしては、少女ともう少し話していたかった。ちらりと、確認したもう一人の罵声を浴びせていた方の少女を見て、確認する。

「出席権がないとは、どういうこと?」

 結果的に侍従の言葉を無視したのも、エラの義理の姉が委縮した原因だったろう。少年王の眉間に皺が寄るのを見た少女は、途端に狼狽えた。

 少年王にはそれは、根拠のない者が嘘をついている様子にしか見えない。

「えっと、あの、この娘は……」

 直接王に話しかけられる機会など想像もしていなかった少女は驚き固まり、言葉が出てこない。普段こそ、エラをいびっている少女だが、継母や姉に追随する形がもっぱらであり、自ら考えてエラを貶めているわけではないのだ。

 埒が明かないと判断したリサディスは、追いついてきた侍従に問いかける。

「この舞踏会に出席を許されているのは、招待状を持っている者だけだよね?」

「はっ、そのように伺っております」

「それは、僕が招待した者達だけだよね?」

「その通りでございます」

「では、その中に招かれざる者が入ることはあるのかな?」

「……確認してみないことには、なんとも」

「そう? では彼女は出席権がないの?」

「……陛下の御意に逆らう者などおりません」

 侍従の答えに、リサディスの内心は普段は考えもしない怒りが満ち溢れて来ていた。

 これまで自己主張というものを、ほとんどしなかった彼からすると、しなくとも忖度して動いてくれるから母親の影に隠れていたという側面がある。

「では、僕がこの場で許せば、彼女は出席を許されるのかな?」

 だが、埒が明かない。望む答えの帰ってこないやりとりが不毛に感じる。

「あ、えっと……」

 自分でも随分と無機質に言うものだと、リサディスは内心冷めた思いで、怒りを演出した。

 侍従と周りを見渡して、リサディスは言い放った。

「では、認めよう」

 カーテシーのままのエラに、リサディスは近づいた。普段は意識もしない香りに、頬が熱くなる。

「……お名前を聞いても?」

「私は、ディゴース家のエラと申します」

「うん、私はリサディスだ」

「……存じております」

 思わずエラは微笑みをこぼす。少なくとも目の前の少年王は、対等な立場であろうとしてくれている。そのことに、エラは好感を抱いた。

 にこりと、零れたエラの微笑みに少年王は、自身の示した好意が相手に伝わったのだと確信して、暖かな気持ちになる。

 暖かな少年王の視線に、エラもまた好意を寄せるに至っていた。

「陛下!」

 間の悪いことに、少年王が年相応の少年でいられる時間は長くはない。

 そう呼びかけられたリサディスは、エラから視線を外し声のした方に視線を向ける。僅かながら非難する色がその視線に宿っているのを、誰が責められよう。

 小さく鋭い侍従の呼び声に、少年王が視線を向ければ、そこには摂政たる母が異変に気付いて入場しようとしているところだった。

 僅かに目を細めると、少年王は普段は気弱なその心を奮い起こさせて、エラを庇うように前に足を進める。

「母上」

「どうかなさいましたか。陛下」

 静かな叱責の声に、リサディスは首を振る。

「いいえ、万事問題ありません。舞踏会は、今宵も盛大に行われます」

 思いのほか強い視線と言葉に、摂政エリザベートは息を呑む。

 今までは、下を向いて俯くままだったはずの我が子の成長に驚き、その原因とも言うべき渦中を見ると二人の少女を取り囲むように人の輪ができているようだった。

「……解決できるのね?」

 摂政としてではなく、母としての問いかけに、息子は毅然と答えた。

「はい」

 決意を秘めたその瞳に、摂政エリザベートは息子に裁定を委ねる。

「では、陛下の御意の通りに」

 そう言って母親は少年を手放した。

 振り返った少年は、王として傲然と胸を張ると、玉座を背にしてホールに居並び事の成り行きを見守っている参加者達を見下ろした。

「諸兄、今日は良き日だ。英雄の後継者たる将軍は敵を排し、我が国には平穏が訪れた。今日は、その平穏を喜ぶ場だ。皆もともに祝ってほしい。皆の先頭に立つ王として、私も率先して楽しもうと思う」

 そう言って参加者たちを見回すと、玉座の前から歩を進め、エラの前に来る。

「麗しき人。どうか、私のダンスの相手として、一時の供を」

 王自ら片膝をついて、手を出し出す様子に、エラは一瞬だけ固まり、そっと差し出された王の手に自身の手を重ねた。

「……喜んで、陛下」

 悪戯を成功させたように、視線を挙げたリサディスは、エラの手を取って演奏の止まった楽団に顔を向けた。

「楽しい曲を頼む」

 弾かれたようにテンポの良い音楽が奏でられ、率先して踊る王を中心に、ペアを決めて踊り出す。

 何事も無かったかのように動き出す舞踏会。

 その様子を、唖然として見て居る者もいれば、王の振る舞いに関心を寄せる者、あるいは思慮が足りないと非難めいた視線を向ける者と、少年王の行動は多くの者の視線と関心を集めた。

 それは、今まで気弱で非力だった少年が、恋を知り、守るべきものを自覚して一人の男として成長した瞬間でもあった。


◇◆◇


「……予想外」

「どうする?」

 急いで二階席から離脱し、エラとともに脱出のために一階のホールに降りて来ていたロズヴェータとニャーニィは、なぜか何事も無かったかのように始まった舞踏会に、戸惑いを隠せない。

「何とかなりそうでよかったな」

「うんうん、エラもまさか王様が出てくるとはね」

「……」

「しかし、随分と露出の多い服だな。お父さんはそんな服装、認めませんよ」

「……」

「やだなぁ、ロズ。今更そん、な……?」

 嬉しそうに微笑むニャーニィに、ロズヴェータは違和感に気づく。自分はしゃべっていないのに、なぜか会話が続く。自分とニャーニィの会話に違和感なく潜り込んでくるこの声の主は……。

「……」

「……」

 そこで初めて違和感を感じたニャーニィが隣に視線を向ける。

 青い顔をして、なぜか冷や汗を流すロズヴェータの顔色に、まるで壊れたおもちゃの様に、ギギギギ……と音を立てて、振り向きそうにったところで、二人の肩に誰かの手がかかる。

「こんなところで会うなんて、奇遇だなァ」

 誰かの声が、優しく響く。舞踏会の音楽、様々な会話の雑音の中で、二人の耳だけに良く響くよう適度に調整された音量。

 いや、優しそうな声音になっているだけであろうとは、わかっているが……。

 怒ってるな、と視線だけでニャーニィにロズヴェータが確認をすれば、うん、まずいね。と視線だけで返事が返ってくる。

 どうする? と視線で問うロズヴェータに、ニャーニィは、策無し、逃げようと訴える。

 数瞬の内に視線だけでそれだけのやり取りをすると、改まってロズヴェータは、ニャーニィに聞く。

 振り返る? と。ニャーニィからは、え、振り返らない選択肢あるの? と問い返され、咎める様にロズヴェータは視線を険しくした。

 ない。ないけど、現実逃避したい。 

 騎士さん誓いはどこへ? 

 いや、騎士だって逃げたいときはあるし、戦略的撤退とかよく聞くし。

 じゃ私が逃げるから、時間を。

 姑息かよ!?

 私は、昔から怒られるの苦手なの!

「……ところでさァ、お二人さん」

 ……。

 ……。

 責任の押し付け合いになってきた視線の会話ですら封じられるその声に、ロズヴェータとニャーニィは固まった。

「なァんでこんなところにィ、いるのかなぁ?」

 聞こえた声の悍ましさに、思わず振り向いた二人が見たのは、鬼の形相をして笑うリオリスの姿だった。

「ひぃ」

「ひぃ」

 二人ともに同じような押し殺したような悲鳴を上げて、別々の方向に逃げようとしたのは、流石に騎士校の出身者。しかし、肩にかかった手をすりぬけようとしたところで、決して逃がさぬという強い意志を感じる肩にかかったリオリスの手が、握り潰すような勢いで二人を固定する。

 それでも反動をつけて逃げようとしたところで、一瞬の隙を突きリオリスの腕が二人の首に回される。まるで仲良く肩を組む3人組のような形になりながら、逃げようとする二人の顔は引き攣る。

「や、やぁリオリス」

「こ、こんなところで会うなんて奇遇だ、な?」

 ぎこちなく口を開く二人に、視線を一瞬だけ向けるが、悪辣に笑う鬼の形相のリオリスは、一顧だにせず、底冷えするような声をその口から吐き出す。

「ちょっと、そこの詰問所まで来ていただこうか」

「今日はちょっと用事が」

「知り合いの送り迎えが」

「近衛騎士様の要請には応えてもらわないと、お客さん」

 周りの喧騒に紛れる程度の声音。囁かれるように聞こえたその声に、有無を言わせぬ強さがある。

「や、やだなぁ……冗談ですよ」 

 乾いた笑いで視線を合わせない二人の肩をリオリスはがっしりと掴み、目の前にはリオリスの副官アメリア。

「そこの奇麗なお姉さん、見逃してくれないかなぁ?」

 逃げ腰のニャーニィの言葉に、アメリアは軽くため息を吐きながら、無表情で判決を読み上げる裁判官様に宣言する。

「……ご同行を」

 取り付く島もないその返答に、冷や汗を流しながら震えるニャーニィ。

「じゃ、こちらへ」

 引きずられる二人は、これから絞め殺される鶏のような死んだ目だった。

 詰問所とは名ばかりの、リオリスの私室に連行されたロズヴェータとニャーニィは日付が変わる頃まで、リオリスから説教を受けた。

 無事に解放された二人は、日付が変わる頃になって、やっとエラを迎えに行くことができた。エラは若き国王リサディスとの再会を約しながら、別れを告げる。

 王城の鐘楼台が舞踏会の終わりを告げる鐘を鳴らし、名残を惜しむ国王自ら見送る場面は多くの中小貴族に目撃された。羨望と嫉妬の視線を浴びながら、エラは馬車に乗り込み、ロズヴェータとニャーニィに護衛されて自宅へ帰った。

 後に彼女の物語は、商才豊かな一人の騎士が脚色を加えて、わかりやすい絵の表紙をつけて、灰被りのエラ(シンデレラ)として広く知られるようになる。

 王国に住む女性なら、誰もが羨むサクセスストーリー。

 階段を駆け上るように名声と愛を獲得するその物語は、特に庶民の間で爆発的な人気を誇り、人の口に広く膾炙するに至った……。

ロズヴェータ:駆け出し騎士(銀の獅子)


称号:同期で二番目にやべー奴、三頭獣ドライアルドベスティエ隊長、銀の獅子、七つ砦の陥陣営


特技:毒耐性(弱)、火耐性(中)、薬草知識(低)、異種族友邦、悪名萌芽、山歩き、辺境伯の息子、兵站(初歩)、駆け出し領主、変装(初級)


同期で二番目にやべー奴:同期の友好上昇

三頭獣ドライアルドベスティエ隊長:騎士隊として社会的信用上昇

銀の獅子:国への貢献度から社会的信用度の上昇

毒耐性(弱):毒からの生還確率が上昇。

火耐性(中):火事の中でも動きが鈍らない。火攻めに知見在り。

薬草知識(低):いくつかの健康に良い薬草がわかる。簡単な毒物を調合することができる。

異種族友邦:異種族の友好度上昇

悪名萌芽:行動に裏があるのではないかと疑われる。

山歩き:山地において行動が鈍らない。

辺境伯の息子:辺境伯での依頼で影響度上昇

陥陣営:連続で落とし続けている限り、味方の能力に強化効果。(連続7回)

兵站(初歩):兵站の用語が理解できる。

駆け出し領主:周囲から様々な助言を得ることが出来る。

変装(初級):周囲からのフォローを受ければ早々ばれることはない。


信頼:武官(+20)、文官(+28)、王家(+12)、辺境伯家(+35)


信頼度判定:

王家派閥:少しは王家の為に働ける人材かな。無断で不法侵入はいかがなものか。

文官:若いのに国のことを考えてよくやっている騎士じゃないか。領主として? 勉強不足だよね。派閥に入れてあげても……良いよ? この貸しは大きいわよ。

武官:以前は悪い噂も聞こえたが……我慢も効くし。命令にはしっかり従っているし戦力にはなるな。

辺境伯家:このままいけば将来この人が辺境伯家の次代の軍事の中心では? 元気があって大変よろしい!


副題:ロズヴェータちゃん、怒られる。

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