敗残兵狩り
西方戦線での大勝は、速やかに獅子と王冠の王国の王都へ伝えられた。何よりも喜んだのは、若き王。純粋にこの国に降りかかる苦難が減ったと、常には憂いに沈んでいた顔を綻ばせた。
だが続いてもたらされた報告に、また不安の色を浮かべる。
曰く、リオングラウス王国軍は、引き続き敵を追撃し西方領土の拡大を図る。
それはつまり、かつてない程の軍権を引き続きディルアンに与え続けるということ。
それに関しては、宰相を筆頭とする文官派閥も、王侯貴族を中心とした王家派閥も良い顔をしない。だが、今の所表立ってその不満が表面化することはなかった。
勝利の美酒とは、人を酔わせるもの。
今まで与えられた苦痛を忘れるために、勝利によって得られる報酬を期待してしまうものだった。
文官達からすれば、いきなり戦を仕掛けてくるような危険な国はある程度打撃を与えて弱体化を図り、こちらの言うことを聞く様にしてくれた方が内政に専念できる。何より、内乱と侵攻によって荒れた土地と再度開発するためには金が必要なのだ。
領土とまではいかずとも、賠償金という形でロスデリア帝国から金を分捕りたいので勝利の拡大は望むところ。
王家派閥とすれば、今回は攻め込まれただけで新たに獲得した領土もなく報酬として与える領土を獲得してくれるなら、ディルアンが追撃するのは容認できる。
そのような打算の結果、両派閥から警戒はされても引き続きディルアンに軍権を与えることに賛成を投じる。
ある意味、ディルアンの考え通り、勝利による国論の一致は図られていた。
彼等二者には、根底に”英雄の弟子”ディルアンの実力を疑っていないという共通認識がある。誰もが負ける前提で侵攻軍等組織しない以上、侵攻してくるのはその国の第一級の将だ。
だからこそ、ディルアンの実力と合わせて、その勝利の拡大を疑わない。
しかし、若き王はその軍事的な常識を持ち合わせていないがために、不安に顔を曇らせてしまう。それを性格ゆえの弱気と取られてしまうところが、若き王の不幸であった。
だが、勝利をもって国外へ追撃をするとなれば、当然足元がしっかりと固まっていなければおぼつかない。特にディルアンの率いる軍を今回の会戦に向かわせるため補給を引き受けた宰相は、このまま追撃をさせるのは危険と提案。
「先に足元を固める必要がありましょう」
そう言って指し示したのは、西方諸家。
今回反乱を起こした西方諸貴族家だ。
「……降伏を促すの?」
若き王の質問に、宰相は冷徹な顔で首を振る。
「彼らには見せしめになっていただく。反乱を起こしたものの末路とは、どのようなものであるかを」
宰相の提案したのは、女子供を問わない根切。
反乱に加担した領主、その家族、使用人に至るまで全てを殺し尽くす必要がある。
「しかし……それはあまりに民に対して過酷では?」
形ばかりの王家派閥からの反論。
武官派閥からは、声は上がらない。信賞必罰は武門の拠って立つところ。敗北者の末路に対して、彼等の慈悲はない。
「既に、ディルアン将軍の率いる軍が西方諸家の領土を荒らしている現状、下手に慈悲を与え降伏を選ばれれば、また不満の種が残ります。此処は彼らに恐怖をもって王国の威厳を示されるのがよろしいかと」
宰相の提案に、若き王は左右を見渡す。
武官派閥は頷き、王家派閥も頷いていた。
彼らにしてみれば、邪魔な西方諸家を消し去りその後に残った領地を功績として与えられることにこそ、時間を割きたい。
「……わかった」
「では、選定はこちらで」
感情を感じさせない瞳を閉じて、宰相は次の案件に入る。
◆◇◆
グリオルド平原におけるロスデリア帝国軍との決戦に勝利した“英雄の弟子”ディルアンは二日間の追撃の後、軍を再編成した。敗れたロスデリア帝国軍は、最後は散り散りになって敗走し、西方に残党が残っている状態。その主力は、既にリオングラウス王国との国境を越えてロスデリア帝国に向かっている。
これを放置して敵の主力を追撃するのは、如何にも危ういと判断した彼は、追撃の軍を自ら指揮するとともに、治安の維持・安定のために軍の一部をグリオルド平原に残した。
自ら残らないのは彼の性格で、騎士隊と豪族を中心とした部隊を選んだのは政治的な取捨選択である。
いかに彼が卓越した指揮官だとしても、個々の実力の違う集団を複数束ねるのは困難である。
普段から訓練を共にして、手足のように動かせる王国軍。間違いなくこれが軍の中核であった。
豪族軍、貴族の私兵、騎士隊。これらは数も質も玉石混交の扱いにくい軍でしかない。それでも、貴族の私兵を追撃に同行させたのは、追撃戦で得られる利益の分配という意味の政治的な理由からだ。
彼の率いる派閥の目的は、軍事的栄光による挙国一致の態勢。すなわち勝利による利益の分配の実践で最初に順番が回ってきたのが彼等領主貴族というわけだった。
一部の例外はあるものの、それがリオングラウス王国側の追撃の態勢だった。
一方、騎士隊と豪族を中心とした治安維持軍を任されたのは、文官派閥に身を寄せる武官である。
帝国人の父と王国人の母の元に生まれた彼女は、年齢を感じさせない美貌の女将軍ルルフィーネ・オルシャ。堅実な手腕で防御に強く、攻勢には程々と定評があった。
内政を重視する文官派閥寄りの彼女は、敬虔な十字教の信者であり、今回の戦果も神の御加護だと常々周囲にもらしているらしい。
そんな彼女を指揮官に、比較的安全と考えられる治安維持に、ロズヴェータ率いる三頭獣は投入されていた。
臨時の騎士団を編成されたリオリスとエリシュは既にその編組を解除され、追撃戦に加わっている。予備兵力として拘置された彼らは、ディルアンに直接指示を言い渡されていた。
これもまた、軍事的な理由と政治的な理由からだった。
ロズヴェータは、大多数の騎士隊と共に、周辺に残ったロスデリア帝国の残党を狩る任務に就いていた。
その日も、ロズヴェータ率いる三頭獣は、グリオルド平原の南に広がる森林地帯に足を踏み入れ、残党を探す。
大きな街道は既になく、小さな獣道を踏み固めたような細い道を辿り、猟師出身の隊員が先頭に立って、痕跡を探していく。
本人たちは意識していなかったものの、普段から重装備で山を駆け回る訓練や一連の盗賊討伐から騎士隊同士の血生臭い戦い、さらには辺境伯領での戦いを経て彼らの木々の生い茂る森林地帯での戦い方は、他の騎士隊に比して洗練されていた。
斥候を務める猟師出身の兵士は既に熟練の手腕に達していたし、それと連携する前衛分隊も音をたてないように森林の中を移動する程度には、練度が高い。
だらこそ、先に兆候を捉えたのが三頭獣だったのは、ある意味必然だった。
「血の匂いがするな。それに、喧騒がある」
斥候役を務める狩人のグレイスが、隣を進む帝国出身のナヴィータに小さな声で確認する。
「あ、やっぱり?」
長い耳をぴくりと動かしてナヴィータは目を細める。
「なんか、争ってるみたいだね。数はどっちもうちより少ないけれど……」
判断に迷うねと言ってふにゃりと笑う顔は、まるで緊張感を感じない。それでありながら、口から出た判断は、グレイスよりも的確かつ迅速であった。
「とにかく、隊長の判断を仰がないと」
そう言うや、すぐさま身を翻して前衛を務める分隊長ガッチェの所へ向かう。筆頭分隊長ガッチェは、即座にロズヴェータに報告すると、斥候とともに自身の前衛分隊を前進させる。
「見つけた」
「どこだ?」
目を細めたナヴィータが指さす先に、ガッチェは目を細める。
「あちらです。大きな二股の木の……」
グレイスも目印となる風景を言い添えると、ガッチェはようやく目的を見つけたようだった。
「……ああ。わかった。毎度森でのお前達の目の良さには驚かされるな」
元は低いとはいえ貴族と平民の身分差がある二人。
しかし今は、兵士という立場で接するため気軽に口を利く。
そうしてガッチェが見つけたのは、争う二つの集団。5人程度の集団を、その他十数人が囲んでいる。5人程度の方が劣勢なのは明らかだった。しかも、けが人を連れているらしい。
殺気立っているのが遠目にもわかるのにも関わらず、寝かされている者や膝をついている者もいる。
「……ふむ」
捕虜に取るべきか、それともいっそ見捨てて数を減らしてから出ていくべきか、と考えたガッチェは、隊長ロズヴェータの性格を考え、見捨てることはないと判断する。
なんだかんだ言って、怠惰を嫌う自らの主は、ガッチェにとって好ましい上司である。
思わずにやりと口元に浮かんだ笑みを、片手で隠すと、向き直って木々の隙間から同じように見て居た同郷の部下達に指示を出す。
「包囲するように展開する。ブライドン。一班を率いて右翼に回れ。グレイスすまないが……」
「承知しました。隊長への伝令はお任せを」
ガッチェは頷くと、前衛分隊15名を二つに分けた。
「焦る必要はない。ゆっくりと相手に近づいて降伏勧告。従わないのなら、その場で打ち倒す。なるべく捕虜には取るが、無理なら殺して構わない」
後ろに控える分隊員達に指示を出すと、ガッチェはゆっくりと前進を開始した。
相手に気づかれないようにゆっくりと近づいていく。この辺りは、同じ分隊長のバリュードが抜群にうまい。曰く、どうやったら相手の裏をつけるか、というのを考えながら歩けばいい、と。
ガッチェは聞いた当初理解が出来ず、今もって理解できない狂人の言葉を苦笑しながらかみ殺す。
自らは出来ることをやるだけと、握り締めた短槍の穂先を敵に向けて、率いる分隊員たちと共にゆっくりと包囲の輪を作っていった。
◆◇◆
「……で、成果がこれですか」
冷たい視線にも、幾分かは慣れたものだった。
分隊長ガッチェの連れてきた捕虜は、総勢十六名。
抵抗した者を容赦なく間引いて、残った全員を捕虜としたガッチェの働きに、美貌の副官ユーグは硬い声音と赤い視線を向けた。
銀髪灼眼の美少年は、彫刻めいた無表情で武器を取り上げられ後手に縛られた捕虜達を見て──正確にはその先頭に座らされている二人の女騎士を見て不愉快そうに眉を顰めた。
彼は自らの主に女が近づくのが不愉快らしかった。
一人は足を怪我しているらしく応急包帯を巻かれ、血の滲む足を投げ出している女の騎士。そしてもう一人は、怪我をしている騎士とそっくりな顔立ちの元気いっぱいの女の騎士。
「……名前は?」
元気な方に聞いたユーグは、プイっと顔をそむける20代の半ばと思われる女の騎士の態度に、無表情のまま剣を抜いて、怪我をしている方に突き付けた。
感情を顔に出す性質らしい元気な方の騎士は、明らかに怯んだ様子を見せる。それを横目で確認して、美貌のユーグは更に問いかけた。
「もう一度聞きます。名前は?」
怪我をした女騎士の首元に、無表情のまま自身の細身の長剣の剣先を押し付けるユーグの態度に問いかけられた女騎士は折れた。
「……ミーリア・クロイツェル・キフォー。そっちは妹のサーリア・クロイツェル・キフォー」
悔し気に口を開いた双子のミーリアに、僅かにロズヴェータは驚く。なるべく驚きを顔に出さないように、脳内でその家名を検索する。
クロイツェル家は、ロスデリア帝国の貴族の名前だった。
建国当初からの由緒ある貴族家。名づけ方から、クロイツェル一門の、分家のキフォー家ということなのだろう。
「それで?」
続きを冷酷に促すユーグの言葉と剣先に、ミーリアは顔を歪めたまま続きを話す。
結論から言えば、逃走の途中での仲間割れ。彼女達クロイツェル・キフォー家を中心とした者達は、先の会戦で中央での戦いに参加し、大打撃を被った。
なんとか双子の二人を逃がそうと奮闘した結果、ほとんど壊滅と言っていい被害を被って、他の逃走中の仲間と合流。ただし、合流した仲間というのが質の悪い徴集された兵士であり、二人の身柄を巡って争いになった。
「良く聞く話ですね」
そのままユーグは、彼女達の後ろに回りクロイツェル・キフォー家以外の面々を見渡す。
「この中で家名持ちの貴族、または準貴族。実家が豪族か商家の者はいますか?」
誰もが気まずそうに顔を見合わせ声も上がらない中、ユーグは一つ鼻を鳴らすと、ロズヴェータに視線を向ける。
「クロイツェル・キフォー家の者は捕虜に、他の者は奴隷として売り払えば良いかと。そのうち三割はガッチェ殿の取り分で」
三割という言葉に、ガッチェ分隊は沸き立つ。
謹厳実直な表情を崩さず、ガッチェはロズヴェータを見守る。ここで下手に喜びを表情に出すと、ロズヴェータを軽んじていると判断されてしまう。
あくまでユーグは意見具申をしているに過ぎない。
決めるのは、隊長であるロズヴェータ。
厄介な性格のユーグをガッチェは付き合いが長い分だけ、知っていた。恐らくロズヴェータの性格から、ユーグの意見を無視しないとは思うが、それでもそれを表面に出しては、ロズヴェータのメンツが守られない。
立てる所は立てないと組織と言うものは回らないのだ。
「他に意見があるものは?」
見渡すロズヴェータの言葉に、誰も口を開かないのを見て彼はユーグの意見を採用する。
頷くロズヴェータを見て、ユーグは更にそれを具体化して指示を出す。
「では、捕虜からは適宜尋問の時間を取るとして、売り払う者達は別個に、あの商人の──」
「──お呼びで?」
ユーグの言葉に被せるように、ロズヴェータの近くに現れたのは道化化粧の女商人ラスタッツァ。生活必需品から、奴隷まで幅広く扱っている彼女はなぜかロズヴェータを気に入り、今回も同行している。
”お嬢”と呼ばれるほどの大商家の娘である彼女は、素顔も相応に整っているからこそ、ユーグは気に入らない。
舌打ちしつつ、奴隷の買取を依頼。
「へい、まいど~」
そのユーグの不機嫌そうな顔を肴にラスタッツァは笑うのだから、彼女も彼女で良い性格をしていた。ユーグの不機嫌の理由など全てお見通しとばかりに余裕の笑みを浮かべ、彼女は取り扱う”商品”の選定に入る。
捕虜とされた双子の騎士は、隔離されると同時に治癒術師のアウローラが呼ばれる。
捕虜とされるのは騎士や貴族、高位の聖職者として彼等の後ろ盾となる国や家または団体が金を出す価値がある者だけになる。
つまり、彼らは生きた身代金になるのだ。
だからこそ、治療を施され生きてロスデリア帝国に引き渡されることになる。
相応の食事と水が差し入れられ、専従の監視が当てられる。
これが騎士団のような大きな組織になれば、相応の礼儀をもって迎えられるところであったが、ロズヴェータ率いる三頭獣は、未だ中規模の騎士隊に過ぎない。
三頭獣の中では、爵位の最低ランクである従士はいるものの、従士に毛の生えたような騎士が最高位である。男爵や女男爵の貴族の爵位を持っている騎士など存在せず、さらには女騎士に対応して女の爵位を持っている人材などいるはずもなかった。
気を使っています、とアピールする程度に怪我を癒しアウローラを双子の騎士の取次に任命すると分隊長ヴィヴィを彼女の補佐につけて、おしまいというのが精一杯の対応だ。
無論逃げられないように処置は終わっている。
「怪我は問題ないわ」
報告のために訪れたアウローラは、ロズヴェータの正面に座るとこともなげに口を開く。
「随分時間をかけていたようだが、何か、それ以外に問題が?」
「そうね。まぁ、もう少し時間をかけて詳しく聞いてみるけれど、身代金怪しいかもしれないわ」
にやりと意地悪く口の端を吊り上げたアウローラに、怪訝に眉を顰めるロズヴェータ。
そしてぴくりと、無表情の中に片眉を跳ね上げた副官である美貌のユーグ。
「理由を聞きたそうね?」
机の上に身を乗り出し、組んだ両手の上に形の良い顎を乗せたアウローラは、鼠を弄ぶ猫のように楽し気にロズヴェータを見る。
「お互いの共通の利益のためだよ。アウローラ」
ロズヴェータも半身を机の上に乗り出すようにして、彼女に顔を近づける。
小さな声でも届く様に身を乗り出しただけなのだが、ユーグにしてみればアウローラとロズヴェータの顔が近すぎると不機嫌な顔を隠しもしない。ロズヴェータから見えない位置取りで、眉間に皺を寄せて、その様子を見守っていた。
ユーグの様子をチラリと見て、アウローラはふふん、と鼻を鳴らすと、ロズヴェータにしか聞こえない囁くような声で双子の騎士から聞いた話を吹き込んだ。
曰く、彼女達の属するキフォー家は没落寸前らしいという。
今回の遠征に関しても、多額の借金をして参加している状態。実家が彼女らの借金を払えるかどうかは、未知数。
「どうする?」
試すように彼女達の処遇を聞いてくるアウローラに、ロズヴェータは一度座っていた椅子の背もたれに体重を預けてため息を吐いた。
身代金が払えないとなれば、奴隷として売り払うしかないが、この時代女は男よりも安いのが相場だ。
単純な労働力として女よりも男の方が優れているし、女を侍らせて富裕を競うなどという貴族も中にはいるかもしれないが、ごく少数にすぎない。
貴族で更に、騎士となればあるいは娼館の目玉となるかもしれないが、客を傷つけたりしたらそれはそれで面倒であった。
「どうもこうもないな。使い道を考えるしかない。アウローラ、悪いけど引き続き──」
「わかっているわ。お互いの共通の利益のため、でしょ?」
「そうだ」
「一応聞くけど、乱暴して自分の者にしようとは思わないの? 結構な美人だけど」
そのアウローラの質問に、ロズヴェータは、くたびれたような表情をして彼女を見返す。
「……そんなに苦労してないので」
「ほんとにぃ?」
思わず背もたれに預けていた姿勢を、前のめりにしてロズヴェータは聞き返す。
「……なんか疑われるようなことしたっけ?」
「べつにぃ?」
政治の取引を行うような真面目な雰囲気から一転、年頃の男女が恋の話をするような気楽さにまで話が滑り、ロズヴェータは、疲れたようなため息を吐いた。
「本当だよ、そこまで追い込まれていない」
「ふ~ん、そう。まぁ、良いわ」
お気に入りの生徒の良くできた回答を見るような表情でアウローラは頷くと、捕虜となった双子の騎士の元に向かう。
その背を見送ってロズヴェータは、三頭獣の面々に移動を指示した。
敗残兵狩りは、勝者の側にとって報酬のボーナスタイムである。
命を懸けて戦場に臨む兵士達の当然の報酬だった。
逆に負ければ、今ロズヴェータの目の前に広がっている光景は明日の我が身なのだと、そう思えば純粋にそれだけを楽しむ気分にはなれるはずもなかった。
ロズヴェータ:駆け出し騎士(銀の獅子)
称号:同期で二番目にやべー奴、三頭獣ドライアルドベスティエ隊長、銀の獅子、七つ砦の陥陣営
特技:毒耐性(弱)、火耐性(弱)、薬草知識(俄)、異種族友邦、悪名萌芽、山歩き、辺境伯の息子
同期で二番目にやべー奴:同期の友好上昇
三頭獣ドライアルドベスティエ隊長:騎士隊として社会的信用上昇
銀の獅子:国への貢献度から社会的信用度の上昇
毒耐性(弱):毒からの生還確率が上昇。
火耐性(弱):火事の中でも動きが鈍らない。
薬草知識(俄):いくつかの健康に良い薬草がわかる。
異種族友邦:異種族の友好度上昇
悪名萌芽:行動に裏があるのではないかと疑われる。
山歩き:山地において行動が鈍らない。
辺境伯の息子:辺境伯での依頼で影響度上昇
陥陣営:連続で落とし続けている限り、味方の能力に強化効果。(連続7回)
信頼:武官(+15)、文官(+7)、王家(+8)、辺境伯家(+30)
信頼度判定:
王家派閥:リオリスの為に働くのは、良いことだよね。
文官:そういえば、辺境で活躍しているみたいじゃない?
武官:悪い噂も聞こえるが……我慢も効くし。命令にはしっかり従っているし戦力にはなるな。
辺境伯家:このままいけば将来この人が辺境伯家の次代の軍事の中心では?
副題:ロズヴェータちゃん、捕虜ゲットだぜ。




