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獣達の騎士道  作者: 春野隠者
辺境の小さな英雄
68/116

砦の攻略

 南の砦(ナンドゥクア)と呼ばれる砦の主は、現在赤手(イゴーロール)出身のルキーチという男だった。強欲を絵に描いたような男で、味方の勢力すら彼の目には奪い取れる獲物にしか見えない。

 そんな彼の出身部族は、さらに北にあるルッシラと言う村で、幼い頃から略奪が当たり前に発生していた。だから、彼らにしてみれば奪うことは悪ではない。奪われる方が悪いのだ。

 幸い彼には、腕力と僅かばかりの幸運があったため赤手イゴーロールの中でも出世して、砦の主という地位に就くことができた。

 草原の国(ツァツァール)は、商人の地位が比較的高い国であるが、その商人達でさえ、最前線にある赤手イゴーロール達の勢力圏内を通過する際は、非常に気を遣う。

 上位者の通行許可証が無い場合などは、持ち物を全て奪われることもしばしばあるのだ。

 だが、その上位者の通行許可証を発行してもらうことすら多額の金がかかるとなっては、零細の商人には難しい。だから彼らは、危険を承知で無許可の行商に出るか、その地域を離れて一生大商人に顎で使われる道を選ぶしかない。

 その日、南の砦(ナンドゥクア)の主ルキーチは、行商人を捕縛したという報せに、上機嫌に鼻を鳴らした。

「規模は?」

「商人が3人、従者が15人、荷馬車が2に荷馬が3」

 部下からの報告に、ルキーチは厭らしく口元を歪めた。

「大物じゃないか。最近商人どもは知恵をつけて、隊商なんてのを組んでやがるからなァ」

 それだけの規模なら、十分に懐を潤すことが出来ると計算しながら、ルキーチは舌なめずりする。

「全くですね」

 同じルッシラ部族出身の部下も、下卑た笑みを浮かべて頷く。

「実は、大将。その中に女がいやして」

「あン? 美人か? 売れそうか?」

 草原の国(ツァツァール)の基準では、美人とは体つきがしっかりしており、子供をたくさん産めそうな女を差す。獅子紋と王冠(リオングラウス)の王国が、可憐な少女を美人と称えるのとは、全く趣が違う価値観であった。

「それが、結構な美人でさ。問題は、顔に傷がありまして……献上品には適さないかもしれないかと」

「ううむ。確かに、傷物はどうかな……しかし、美人なのだろう?」

「そりゃもう」

「よし、一度見てみんことには何とも言えねえ。丁寧に扱えよ」

「承知しやした」

 部下の背中を見送って、ルキーチはゆっくりと部屋を出て部下の後を追っていく。万が一にも、部下が彼に黙って、彼の獲物を横取りしようなどと考えないようにするためだった。

 この砦の中にいる誰もが、自分に忠誠を誓っているわけではないことぐらいルキーチだとて分かっている。信頼できるのは同じ部族出身の者達だけだ。

 その数は砦の五分の一にも満たない。

 だが、それ以外の奴らが団結するということはないと確信できる。

 なぜなら、この砦に集められる前までは、互いに敵対関係にあった部族ばかりだからだ。それに腕力という点だけ見れば、ルキーチに比肩するものは少ない。

 全くないとは言わないが、それでもルッシラ部族出身者には優先的にいい武具を与えているため、反抗を抑え込める。それに必要なら、少し痛めつけてやれば、すぐに反抗の気概はそがれる。

 必要であれば暴力を振るうことを厭わない。

 そういう面では、ルキーチは狡猾ではあった。

 反抗しそうな部下を動物的な勘で見つけ、予め排除できる嗅覚は動物並みだったと言っていい。生き残るために身に着けたそれが、ルキーチを一つの砦を預かる地位にまで押し上げたのだ。

 最も堅牢な砦の最奥から、石造りの廊下を渡って、兵舎の前を通り過ぎる。それを目ざとく見つけた部下が、ルキーチに声をかけた。

「大将、捕り物ですかい?」

 己の側近とも言っていいルッシラ部族出身の兵士達が詰めている部屋から顔を出す。

「おうよ。仲間を集めろ、分け前をくれてやるぞ!」

「はっはー、そいつは良いや。おい、皆を呼び集めろ!」

 己の部族には気前よく振る舞うからこそ、ルキーチは彼らのボスでいられる。それを十分に分かっているからこそ、ルキーチは部下には寛大な上司であった。

「大将、獲物はどっちから来たんで?」

「おお、東から西へ向かう途中だったらしいな」

「ってことは、ユグセフからですかね?」

 ルキーチは脳裏に周辺の地図を思い描く。精緻とは言えないまでも、大雑把に狩りをする場所と縄張りは覚えなければ、砦の主まではなりえない。

「大きな街なら、そこだろうな。あの街は香辛料の取引が盛んだったろう?」

「へえ、そうでしたかね。さすが大将! 博識だァ」

 へらへらと笑う部下に、ルキーチはまだ見ぬ戦利品に心を躍らせる。ユグセフは、香辛料が特産だが鉱石の産地でもある。良質な武具が積んであれば、それは有無を言わさず奪う必要があるなと、考えていた。

 ぞろぞろと、ルッシラ部族出身の部下を引き連れてルキーチが砦の門をくぐると、城壁の内側に兵士を待機させておく広場があり、そこに人だかりができていた。

 馬小屋や、巡察のための見張り小屋等が城壁に張り付くように作ってある中、ガヤガヤと見張りの兵士までが招き入れられた隊商に目を奪われている。

「大将!」

 ルッシラ部族出身の兵士からそう呼ばれると、その場に集まった全員から視線がルキーチに向けられる。自然とルキーチの進む前に隊商までの道が開けていく。

「おう、これが隊商か」

 そう言って、ルキーチはじろじろと、品定めを始めた。

 見たところ、誰も荷物には手を付けていないようだった。

 その様子に満足そうに頷いて、大声を張り上げる。

「この中の代表はどいつだ!?」

 身包み剥いで奴隷に売り払うもよし、金になりそうなら通行料を取ってそのまま行かせるも良し。どちらにしても、美味しい話であった。

 ルキーチの声に応じて、一人の男が前に出てくる。

 未だ少年と言っても良い自身の胸の高さぐらいしかないフードを頭から被った男に、ルキーチは眉を顰めた。今までの経験からして、大体の商人は怯えるか、それともこちらに取り入ろうと下手に出るかする。

 だからこそ、目の前に来た商人の無言で佇む様子に、ルキーチは己の恐怖で作り上げた権威が貶められたと本能的に感じて、一瞬で顔を赤くする。しかもふざけたことに、雨も降っていないはずなのにぬれねずみであった。

 全身を覆うローブの裾から、ぽたりぽたりと水が滴っている。大方奴隷か丁稚が商人に苛め抜かれて生贄に捧げられたのだろう。過去にそういう輩も、なくはなかった。

「てめえが、この隊商の代表だと? 舐めてんのか!?」

 ルキーチの嫌う陰気この上ない奴隷に、反吐が出そうだった。

 凄むルキーチに、下品に笑う部下が横から口を挟む。

「大将、あれ。あれ」

「あん?」

 指さす先にいるのは大柄な女。先ほど部下からの報告にあった女だろうと、舌打ちして、いったん怒りを治めて、そちらに足を向ける。奴隷の相手などしている暇はなかった。

 なおのこと許せないのは、その奴隷の口元に浮かぶ緩い笑みの形だ。心が壊れた奴特有のアレかと、ルキーチは唾を吐き、後でその奴隷を叩き切ることを決めて、背を向ける。

 この女もフードを頭から被っているが、体格はがっしりとしていて、背丈はルキーチに負けず劣らず、といったところだ。確かに顔に傷はあるが、それを差し引いても、草原の国(ツァツァール)の基準で言えば美人という部類に入る。

「ほぉ~、えらく別嬪な女を連れているじゃねえか」

 フードを無理矢理剥ぎ取るように、除けると、その顔が露わになる。

 睨み据える視線の鋭ささえ、草原の国(ツァツァール)では、欠点とはされない。

 ルキーチの行動に、周囲で様子を伺っていた砦の兵士から、歓声が上がる。嫁取りと言って、惚れた女は力づくで奪い取る、という文化が残る彼らの間では、ルキーチの行動は男らしさの象徴として賞賛されこそすれ、批難される行動ではなかった。

「……」

 横目で商人の少年に視線を飛ばす女の様子に、ルキーチは、合点がいく。

「ははぁ~ん? なんだこの女、この餓鬼の女房か何かか? てめえにゃもったいねえぐらいの別嬪だものなァ」

 にやにやと笑みを浮かべながら、奴隷の回りをぐるりと回ると、再び女の前にやってきた。

「どうだ、おい。あんな貧相な男よりも、俺のものにしてやろうか? おめえほどの別嬪だ。あんな痩せっぽちの奴隷の餓鬼にゃもったいねえ」

 ルキーチは少ない語彙の中で精一杯の口説き文句を女に投げかける。

 女と言えば、ルキーチの言葉を聞いているのかいないのか、周囲の反応に戸惑うように頬を掻いていた。

「え、どうだ? 俺ァこの砦の主だ。あんな奴隷の餓鬼にゃできねえ贅沢をさせてやれるぜ」

 ふっ、と女が笑う。

 その様子にルキーチは、女が自分のものになると確信して、上機嫌に口角を上げた。

 商人どもの荷物は手に入るし、良い女も手に入る。今日は人生で最高の日ではないか。

 黄ばんだ歯を見せながら笑うルキーチが、女を自分のものにしようと手を伸ばすのと、鋭い衝撃が降ってきて視界が暗転するのは、同時であった。


◆◇◆


「御曹司!」

 叫ぶと同時に猛牝牛(ヒルデンスレギ)のナーサは、鋭い肘撃ちを目の前の山賊モドキにたたきつけていた。

「合図だ! バリュード!」

 フードを脱ぎ捨て、隠し持っていたバケツヘルムを被りなおすと、分隊長バリュードは、近くにいた兵士を殴り倒す。それと同時に、その腰にあった敵の長剣を奪い取る。

 間髪入れずにそれを振るって別の敵を切り殺すと、歓声を上げて手にした革袋の中身を荷車の一つに振り撒く。

「応さ! ヒャッハー!」

 ナーサの騎士隊の一人が暗唱に入る。

 それを守る様に、荷車から隠していた自分の得物を取り出して、周囲にいる敵に手当たり次第に斬り付けていく。

「な、なんだ!? くそ、なんで商人風情が!?」

 未だ混乱から立ち直らない砦の兵士に向かって容赦なく刃を突き立てながら制圧を試みるが、流石に砦を守る兵士は、戦い慣れている。

 一時の混乱からすぐに立ち直ると、数に任せて彼らを包囲するように動き出す。だがその時には既に、ロズヴェータ達の初動は終わっていた。

深淵の灯(ファイヤー)

 指一つ分程の炎が、魔法使いの一人から、荷車の一つに移されると強烈な匂いと共に紫色の煙が頭上へ立ち上っていく。それが上がるとほぼ同時、砦の城壁の上で悲鳴がいくつも上がった。

「狼煙か!?」

 砦の戦慣れした兵士が叫ぶ。

「敵襲だ、敵襲!」

 と同時にルキーチから疎まれ、獲物の分配にも加われずに巡回をさせられていた城壁の上の兵士達が、敵襲を報せる鐘を鳴らしながら、大声で叫んだ。

 そんな彼らに向かって放火を狙って矢の先端に炎を括りつけた矢が、いくつも降り注ぐ。

「バリュード!」

 自身も剣を抜いて敵を斬り伏せたロズヴェータの声に、分隊長バリュードは口の端に笑みを浮かべて頷いた。

「三人ついてこい。他は隊長の護衛だ!」

 敵から奪った長剣を掲げると、包囲に移行しようとする敵の兵士の只中へ突っ込んでいく。

「バリュードの開けた穴を広げるぞ、続け!」

 東の城門を目指すバリュードに続いてロズヴェータが指し示すと、今まで各個に応戦していた兵士達が指向性を持って動く。

 混成とはいえ、歴戦の兵士と傭兵の連携は、淀みない。ロズヴェータ自身もその流れに乗って、敵を排除していく。

とどめに拘るな! 動けなくすればいいぞ!」

 長柄の斧を振るって敵の頭をかち割るナーサが、また一人敵の兵士を叩き伏せる。

深淵の指先(ファイヤーボール)!」

 魔法使いの声に先ほどまで燃えていた荷車の中から炎の弾丸が飛び跳ねていく。手近な兵士に当たるか、燃えやすい馬小屋に燃え移り、その勢いを強めながら、炎が砦の中に広がっていく。

 その中を、ロズヴェータ達が走る。

「うぉ!?」

「っ!? こっちだ! 固まれ!」

 炎に呑まれて倒れてくる材木が、ナーサの頭上に迫った時、ロズヴェータがナーサの腕を引き寄せる。そのまま足を止めずに走り、立ち塞がる砦の兵士を斬り倒す。

「助かったぜ、御曹司!」

 目の前の敵を倒しながら、感謝を伝えるナーサ。それに対してロズヴェータは無言で頷いた。口を開けば、煙に喉をやられる。何度かの経験がロズヴェータに炎の中での戦い方を教えていた。

 炎の声が、強く強く聞こえる。

 風とともに燃え広がる炎が、ロズヴェータに道を示していた。

 間もなく正門にたどり着くと、見上げる程の高さと馬車が二台すれ違えるだけの横幅を持った木製の門を開けようと何人かが閂に手をかけた。

「味方を導き入れたら、そのまま反転するぞ!」

「応!」

 開くべき正門を背にして、事前に確認した手順をロズヴェータが大声で叫ぶ。一兵士にまで徹底されているからこそ、一個の生き物のように部隊が動いていた。

 ロズヴェータの前に、何人かが躍り出て壁を作る。

 同時ロズヴェータは、負傷者の数を左右を振り返って数えていた。

 やはり、少数で囲みを破った時に負傷者が出ている。強引に突破したのだから当然だが、もっといい方法があったのではないかと、僅かに後悔し、被りを振って死者がいないことを慰めにする。

「開くぞ!」

 ロズヴェータの背中から勝利への声が聞こえる。

 開け放たれる門の音と、続いて聞こえる喚声に、ロズヴェータは、勝利を確信した。

「ロズ!」

 合流したことを喜ぶ間もなく、副官のユーグと視線だけで無事を確認すると、ロズヴェータは、頷きだけを返す。

「後は掃討戦だ! 降伏する者は捕らえよ! 抵抗する者は容赦するな! 進め!!」

 一つの大きな塊になって三頭獣ドライアルドベスティエを筆頭とする騎士隊は、砦の中に雪崩れ込んだ。

「御曹司に負けるんじゃねえぞ! 行け!」

 猛牝牛(ヒルデンスレギ)のナーサが、自身の騎士隊に発破をかける。

「勝ち戦だ! 稼ぎ時だぞ!!」

 大柄なミスキンドもまた自身の傭兵隊を鼓舞する。

 砦の兵士は戦い慣れているからこそ、勢いと言うものに敏感であった。士気高く突っ込んでくる敵の勢いは、彼らの目に勝敗をはっきりと悟らせた。

 そして燃え落ちる砦の様子は、彼等から士気を根こそぎ奪った。

 大多数の者が降伏し、逃亡を試みたもののうち成功したのは僅かだった。抵抗したものはその場で殺されて、砦は完全に制圧された。

 最終的に捕虜にしたものは100を数え、逃亡したものは10にも満たない。抵抗して殺された者も、30に満たない数であった。

陥陣営カァンラークド!」

陥陣営カァンラークド! ロズヴェータ!」

 燃える物が燃え落ち、砦の主であるルキーチが使っていた塔の屋上にある草原の国の旗が圧し折られ、辺境伯家の旗が翻った時、誰の目にも勝敗の行方が分かった。

 同時に、勝鬨が上がる。

 その声を聞きながら、ロズヴェータは、以前ほどその賞賛に抵抗がなくなっている自分を発見して、憮然とした表情を隠せないでいた。

 その様子を見咎められ、理由を分隊長ヴィヴィに話せば、彼女は笑ってロズヴェータの肩を再び叩いた。

「虚名に実が伴ってきたと喜ぶべきじゃないの」

「大仰すぎる」

「謙虚だね、我らが陥陣営(カァンラークド)様は!」

 そう言って笑い声をあげる彼女の陽気さに、ロズヴェータもまた心が軽くなるのを感じて苦笑した。

「まぁ、良いさ。とりあえずは勝った」

 そう呟いたロズヴェータは、握り締めた拳にまだ力が残っていることを感じて、胸の内にじわりと勝利の喜びが湧いてくる。

 自然と浮かぶ笑みを噛み締めて、少しぐらいこの能天気な気分に浸るのも悪くはないと、歓声に沸き、武器を天に突きあげる兵士達を見て思っていた。


◆◇◆


 勝利の後は、兵士が良く動く。

 勝利の気分に酔いしれた気分のまま、ロズヴェータ率いる三頭獣ドライアルドベスティエを筆頭とした辺境伯勢力の兵士達は、手早く砦を制圧した。

 炎に舐められ、燃えやすいものはあらかた燃え尽きてしまってはいたが、元々が石造りの頑丈な砦であったため、その再利用は少しの手間を加えれば難しくない。

 だが、問題はその維持であった。

 偵察行のついでに砦を落としてしまったロズヴェータは、砦の維持の計算をしていなかった。

 そこで、共同で攻撃に当たった騎士隊や傭兵隊に意見を求めてみても、彼等も首を振るのみ。

「なんとかなるんじゃないか?」

 何の根拠もない慰めの言葉を聞いたロズヴェータは、深いため息をついて辺境伯側に駐屯のための兵士を派遣してくれるよう手紙を出す。

 それまでは自身が砦を維持する必要性に迫られ、捕虜にした敵の兵士を使って砦の補修作業に取り掛かっていた。

 幸いにも砦に物資は豊富であった。

 少しの間捕虜が生きて行くだけの食料と、再建のための物資はある。

 住民が住んでいるわけではない準軍事的な施設であるため、その点への配慮も必要がない。一週間もたたないうちに、砦の補修を終えたロズヴェータは、再び周辺地域の偵察のため三頭獣ドライアルドベスティエに地図の作成を命ずる。

 同時に、功績を報告するための報告書の作成を進めていた。

 今回の依頼は、辺境地域の警備である。

 その依頼の達成に当たり、思わず砦を落としてしまったため、その功績を付け加えてもらわねばならない。二人の兄が相手なら、そう悪いことにはならないだろうと考えつつも、何も作らないでは流石に気持ちが悪い。

 ロズヴェータの几帳面な性格がここでも発揮された。

 三頭獣ドライアルドベスティエだけでなく、猛牝牛ヒルデンスレギのナーサや、大柄なミスキンドの傭兵隊からも意見を集めつつ、功績を記していく。

 戦後の処理をしつつ、過ごしていたロズヴェータの所に急使が駆け込んできたのは、砦を落としてから10日目のことだった。


ロズヴェータ:駆け出し騎士(銀の獅子)


称号:同期で二番目にやべー奴、三頭獣ドライアルドベスティエ隊長、銀の獅子、陥陣営

特技:毒耐性(弱)、火耐性(弱)、薬草知識(俄)、異種族友邦、悪名萌芽、山歩き、辺境伯の息子

信頼:武官(+4)、文官(+2)、王家(+3)、辺境伯家(+15)


同期で二番目にやべー奴:同期の友好上昇


三頭獣ドライアルドベスティエ隊長:騎士隊として社会的信用上昇

銀の獅子:国への貢献度から社会的信用度の上昇

毒耐性(弱):毒からの生還確率が上昇。

火耐性(弱):火事の中でも動きが鈍らない。

薬草知識(俄):いくつかの健康に良い薬草がわかる。

異種族友邦:異種族の友好度上昇

悪名萌芽:行動に裏があるのではないかと疑われる。

山歩き:山地において行動が鈍らない。

辺境伯の息子:辺境伯での依頼で影響度上昇

陥陣営:連続で落とし続けている限り、味方の能力に強化効果。(連続3回)


信頼度判定:


王家派閥:そういえば、そんなのいたかな?

文官:最近割と活躍しているみたいじゃないか。

武官:こいつ、悪い噂も聞こえるが……。活きはいいみたいだな!

辺境伯家:頼りになるのは、やっぱり身内、期待している。陥陣営!!


副題:ロズヴェータちゃん、砦を落とす。そして……


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― 新着の感想 ―
陥陣営!?から陥陣営!! 乗りがいいだな実家w
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