"夢の"桜田町
桜田町、夢の桜田町。
その町に行くには眠ることが必要である。
町は、桜田駅を中心にした町、町の片側が商店街、もう片方は住宅地がありその外れに大きな工業地帯と安いアパートがあるのだ。
桜田駅は便利だ。交通に便利なおかげで設備がずさんで、エスカレーターには気をつけなければならない。
町の特徴として一つ、扉がないのだ。代わりに大きな窓などを出入り口の代わりとして使っている。
街並みは古く車は滅多に通らない。どこか埃っぽくて懐かしい。それが桜田町。
桜田の出来事はリアルと少しだけ繋がってる友達も同じ人だが少し違う。
メイとケイ、桜田町と現実の両方の友達だ。
ケイは桜田町から少し離れた[軍事通り]という通りで神輿屋をしてる。そこのお祭りでは神輿をぶつけて戦う祭りで、神輿の部品などを売ってるらしい。
メイは工場地帯で働いており、いろんな部品を軽トラックで運んでいるらしい。
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今日は海を見に行こうと思い、工場地帯を歩き出した。
途中でメイにあった。
「やっほー!乗ってく?」
ありがたく軽トラに乗せてもらい大きな通りで降ろしてもらった。
「ありがとさん、助かったよ」
「いいよー、ここの近くに用事あったからさ、ここから先歩きだけど大変だよ?頑張ってね!」
そう言い別れ、歩き始めた。
しばらくすると軍事通りが見えた。軍事通りはその名の通り昔に軍事関係で使われた道だ。今は平和そのもので小学校もある。
(どうせならケイに会いに行ってやろう。)
そう思い、ケイの古びた店に入った。
「いらっしゃい」
といつも通りの挨拶をケイがした。
「久しぶりだな、元気か?」
「まぁまぁ…ってとこかな?お前は元気そうだな」
いつもの無表情で返してきた。
「これから海を見に行くんだ。」
「そうか、遠いぞ、海は…。気をつけるんだな」
「ありがとさん、気をつけるよ」
そう言い店を去った。
しばらく歩くと道幅が狭くなり防波堤が見えてきた。
防波堤によじ登ると、キラキラとした海が見えた。
おそらくここが桜田の端だろう。海の向こうに青々とした山がみえ、海はキラキラと輝いている。
「だいぶ田舎だな…何もない」
そう言いつつ、周りを見渡しながら歩いた…
その時、足を滑らせ防波堤から海に落ちそうになった。
(あ…落ちる…)
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…
目が覚めた。時刻は深夜2時、
海に叩きつけられた衝撃がまだ残ってる気がした。目を瞑ればまだ青く、キラキラと光る海を思い出せる。
あくびを一つ、もう一度桜田町に戻るために私は二度寝をした。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
もしかするとあなたも桜田町に行けるかもしれません。その時はエスカレーターに挟まれないように気をつけて…