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81話

おまたせしました。

また1週間後投稿できたらなぁ……と思ってます




 ハルジオン街、ギルド北支部。

 依頼を処理する受け付け場所から専用の扉を進み、フレンド登録したシオリさんとすれ違いながら、応接室と書かれた扉を開ける。


 案内してくれたNPCのレセプさんは流れるようにお茶を淹れる。

 対面に座るのは支部長のピーツさんだ。僕がソファーに座るとレセプさんがリーフ茶をテーブルに出してくれた。


 「さて……ここに来てもらったのは他でもない、くだんの報告が済んだことを伝えるためなんだ。あまり広めたくないようだから配慮させて貰ったよ」

 「助かります」


 もしギルドの広場で伝えられていたら少なからず何かあるだろうと思われるかもしれない。

 そこはしっかりと考えてくれていたみたいだ。


 くだんの報告とは紫光狼・アーデルベルトを倒したことを名前を出して上に伝えるといったことである。

 これはサブクエストの【ピーツの紹介】として遂行していた。報酬は報告が終わってからだと聞いているが、僕からすればギルドランクがGからDにランクアップしたことが一番の報酬だろう。おかげで他のプレイヤーが行けないダンジョンに入れたり、依頼の幅が増えたり圧倒的なアドバンテージになるからな。


 「それじゃあ約束の報酬だよ。といっても大したものは用意出来ないけどね。レセプくん」

 「はい。こちらが依頼の報酬になります、お受け取りください」


 受け付けで依頼を達成報告した時と同じように黒い器に乗せて僕の前に報酬が置かれた。

 僕がそれに触れると音もなく消えて、代わりにシステムメッセージが音声とともに表示される。


 【10000Gを獲得しました】

 【市民権を獲得しました】


 「なお冒険ポイントは次回の依頼達成時に振り込まれるのでご了承下さい」

 「分かりました」


 報酬は1万Gと市民権。

 てか市民権ってなんだよ。村人は市民じゃないってか。いや、村人はジョブだわ。


 しかし市民権なんてものがあるんだな。

 プレイヤーは市民として登録されていないってことだろうか、だからといって何があるのか分からないんだけど。


 「それがあると何かと便利だろう。有ると無いとではだいぶ違うと思うからね」

 「ありがとうございます。ちなみにどう違うかは」

 「それは自分で探すといいよ。敢えて一つ言うなら……そうだね、専用の職業が現れるよ。恩恵は無いに等しいけど、それでもいいならね」


 流石にそこまでは教えてくれないか。

 でも専用の職業があるんだな。ここは一つ転職のススメも手に入れたことだし後で見てみよう。

 恩恵に関しては今の村人よりも酷くなることはないだろうし。


 「あと最後にこれを渡して置くよ」

 「……これは?」


 ピーツさんが渡してきたのは一枚の手紙。

 白い封筒に大樹の模様がした印を押されていた。


 「これは公爵家からの手紙だよ」


 【公爵家からの手紙を獲得しました】


 「直々に会ってみたいと仰ってね、その手紙を預かってきたんだ。拘束力はないから行くか行かないかは君次第、もし行くならソレを門番に見せればいいからね」


 笑顔で言うピーツさん。

 これは拘束力がないと言っても行かざるを得ないだろう。それにこの世界でのコネクションが築けるならそれに越したことはない。

 どうなるかは分からないけど。


 「分かりました、せっかくなので行ってくることにします」

 「それは私としても助かるよ。場所は王都の中心街、行ってみたらわかると思うから」


 王都といったら……ここから少し遠いな。いくつか街を超えないといけない。

 といってもそろそろ違う街へ行ってみようと思っていたところだし丁度いいな。


 【サブクエスト『ピーツの紹介』を達成しました。SP10獲得】

 【サブクエスト『王都訪問』が発生しました】


 サブクエストも変わったみたいだ。

 サブクエスト一つ達成でSP10は大きいな、今のところ腐るほどSPはあるんだけど。このさき何でいるか分からないからな。


 「ありがとうございます」

 「いやいやお礼を言うのはこちらの方だよ、わざわざ御足労ありがとう」

 「いえ、報酬も貰いましたからね」

 「はははっ、それもそうだね。話はこれで終わりだよ、レセプくん、案内頼めるかい?」

 「かしこまりました」


 話はこれで終わりみたいだな。

 ピーツさんの後ろで待機していたレセプさんがドアを開けて頭を下げる。どうやら外まで付いてきてくれるらしい。

 ソファーから立つとピーツさんに軽く頭を下げて応接室を出る。


 「王都まで気をつけて」

 「はい。ありがとうございます」


 ギルドから出ると軽く背伸びをする。

 緊張ってわけじゃないけど、普段行けないところに行くと肩が凝るよね。ゲーム内だけど、気持ち的に。


 さあ、王都まで行こうかと思うけど、その前にジョブチェンジしに行こうかな。

 市民権なんていう活用方法も分からないものも貰ったし。職業変更は中央の時計塔で出来るから、ついでに王都までの道のりで何か依頼がないか見てみるか。




 中央時計塔。

 ここは東西南北全ての依頼が集まり、人通りも他とは比べるまでもなく多い。

 そしてその分だけ変わった依頼やイベントが起きやすく退屈はしないだろう。入場料で100G取るのにな。


 中は大きな空洞になっていて、真ん中がギルドの受け付けだ。

 右を見れば食堂があり、左を見れば職業案内所がある。そして依頼を張り出す掲示板は受付を超えた最奥の壁にある。

 上に続く階段は受付のすぐ隣に位置し、そこへの人通りはあまり多くない。


 2階は冒険ポイントとアイテムを交換できる場所があったりするが、ギルドランクはF以上必要だ。

 流石にF以上になっているプレイヤーはもう数多くいるだろうが、上のランクに上がるためのポイントで買い物をするほど余裕があるわけじゃないのだろう。

 ちなみに3階からはEランク以上が入れるダンジョンがある。これも他のプレイヤーがそこまで進んでいるとは考えずらい。聞いた話ではGランクがFランクに上がるよりもハードルが高いらしい。


 まあそんなことよりも職業案内所だな。

 ジョブチェンジしにきたんだし、そろそろ村人も卒業かぁ。


 「職業案内所へようこそ。転職を希望されますか?」


 職業案内所へ行くと受付嬢が窓口を挟んだ向かい側から声を掛けてくれる。

 それに返事をすると受付嬢は一枚の和紙を差し出した。


 「それではここに手をかざしてください。転職可能な職業が表示されます」


 さすがゲームだな。

 何の紙かと思ったけど、これはそういうものなのか。


 「よしっ」


 言われた通りに紙に手をかざす。

 すると紙が脈打つようにはためいて、上から文字が浮かび上がった。


 [剣士]  初期

 [戦士]  初期

 [侍]   初期

 [武闘家] 初期

 [盗賊]  初期

 [弓使い] 初期

 [魔術師] 初期

 [聖職者] 初期

 [踊り子] 初期

 [冒険者] 初期


 [農民] 村人Lv10

 [村長] 村人Lv30


 [市民] 村人Lv25 前職が村人 市民権所持


 予想はしてなかったといえば嘘になるけど、やっぱり市民権で市民になれるのか。

 しかも村人Lv25ってことは莫大なGゴールドを貢がないと市民にはなれない。


 市民のハードル高いな!

 しかし他は農民と村長……正直先行きが不安だ。それを言ったら村人なんて論外なんだろうけど。


 といってもどれも大差変わらないな、村長が一番偉くなってそうだけど次の転職先が思いつかないし。

 農民なんてランク下がってないか? 畑耕してレベル上げるの?


 ……やっぱりここは市民だろうか。

 せっかく条件ありの職業に転職出来るんだし、これでいこう。


 「お決まりになられましたらその職業を強く意識しながら文字に触れてください」


 ……こうかな?

 [市民]にタッチして職業を変えることを意識すると一瞬のうちに和紙が掻き消え、システムメッセージが表示された。


 【市民に転職しました】


 村人卒業だ。

 今日から市民になったぞ!

 

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