20話 南の使者 北の不穏
一人の部屋の中。
声はありえない場所から聞こえてきた。
「よう。元気だったか?」
突然の声。
あやは息を止めてぎこちない動作で振り向く。
予感はあったけどあまりにも唐突過ぎて、懐かしい声が微笑もうとするあやの表情を崩す。
まさかと思いながら、同じだけ期待した。
だって、そんな場所から入ってくる人なんかこの魏にはいないから。
「何だ、相変わらず不細工だな。」
歪んだ顔が、ぴきりと固まった。
眉根に寄っていく深い皺を面白そうに眺めながら、男は悪びれず笑う。
「我慢は似合わねーぞ」
男の言う通り我慢して作っていた怒り顔。
それをあっという間に解いて、くしゃりと顔を崩した。
「元気だったわよ、ずっと。」
「そりゃ、よかった」
なら何の問題もない。
簡単に片付けてしまった男の言葉は、あまりにもらしくて、涙は流れ出すのに口元が自然と弧を描く。
「会いたかった、右近」
「オレもだ」
今度こそあやは笑顔で、右近に向き直る。
勝手に出て行って、半年近くも連絡もせず。
なのに突然迎えに来させた。
一人では帰れないから、なんて理由、どこの子どもの泣き言だろう。
自分でも随分と身勝手だと思うのに、右近は元気だったならそれでいいと言う。
祁央や左近が許しても、右近だけは怒ると思っていたあやには予想外の反応。
でも同じくらい右近らしいとも思った。
「お邪魔してもいいかな?お嬢さん」
南の地では見たことのないきれいな部屋は、右近でさえ汚れた靴で踏むのを躊躇するくらいの上室。
どれだけこの場所で彼女が大切にされていたのかをよく知らしめた。
右近はその戸惑いを、あやに気付かれないように慇懃を装った口調で隠す。
「どうぞお入りになって、お兄さん」
あやは右近ならではの、嫌味に聞こえない嫌味を同じ慇懃無礼さで返して、窓から顔を覗かせていた右近の侵入を助ける。
一階ならともかく、こんなところを登ってくる無茶な人間は侵入者か右近左近くらいだろうと常々思っていた。
「そうしてるとどこかの姫君みたいだな」
「似合う?」
部屋に入ってきた右近は手助けしてくれたあやの格好を見て顎をさする。
あやは長い裾を持ち上げて、優雅にお辞儀をした。
「似合う、似合う。でもいつもの格好の方がオレは好きだな」
あやはきょとんとしてから、穏やかに笑った。
右近はその表情に少しどきりとする。
知らない顔だ。
半年前までは見た事のなかった表情。
右近は手を伸ばしてあやの整えられた髪を掻き回した。
色んなことがあったのだろう。
それがわかる。
あやは強い。
彼女に救われた自分だから言えること。
道を失えば、立ち止まって、じっと考えて、それからまた立ち上がり歩き出す。
助けて、と人に縋ることを良しとしない、強くて強情な人間だ。
馬鹿だなと思うときも多いけど。
利用できるものは利用して、もっと狡賢く、自分に甘く生きればいいのに、と。
それでもあやは一歩一歩進んできたから、右近は一生、傍にいる限り、彼女の生き方を肯定しようと心に決めていた。
「よく、頑張った。」
何も言ってないのに、右近がそんなことを言うから、収まっていたあやの視界が再び滲む。
―また不細工って言われる。
それを言い訳にあやは右近の胸に顔を伏せた。
これなら顔を見られない。
右近はあやの背をとんとんと規則正しく叩いてやる。
祁央がいたらこの役は全て取られてしまうから、久しぶりの役得だ。
「…皆は、元気?」
「ああ、白父は相変わらずだし、祁央は立場さえなければ自分で飛び出してくる勢いだったな。胡頌も無事に着いたぞ。」
「そっか、よかった。胡頌はうまくやってる?」
「ああ、白父にしごかれてたな。ある程度慣れたらうちに引き取ろうかと思ってる」
「赤布隊に?」
「おうよ、あいつ中々見込みがある」
玄鳥の中でも血の気が多い連中が集まった、赤い布を巻いた好戦的で勇猛果敢な、右近が直接率いる玄鳥最強部隊。
あやとしてはおススメできない場所だが、胡頌が了承するのなら、止めないでおこう。
右近の腰に抱きついたまま、あやは目を細める。
「もう日が沈むわね。今日はどうするの?あたしもすぐに準備が出来るわけじゃないから。」
街に泊まる?路銀がないならここに泊まるってのも手だけど。
そう言いながら、あやは右近を見上げる。
今すぐにここを出て行くのは無理だ。
迎えの到着は思っていたよりずっと早くて、準備など殆んどしていない。
しかし見上げた右近の顔にはハテナマークが貼り付いていた。
準備?
「いや、オレはすぐに帰るよ」
今度はあやが理解できない。
「すぐに、帰る?」
二人して噛み合っていない会話にやっと疑問を抱く。
「…右近はあたしを迎えに来たのではないの?」
「迎え?いや、オレは届け物をしに来ただけだ」
「あれえ?」
困惑顔をつき合わせて、あやが先に疑問を口にした。
てっきり、あの手紙を読んで、来てくれたものだと思っていた。
「あたしの手紙は届いた?」
「手紙?いや、オレは知らない。行き違いか?それとも祁央が隠したか」
「ぶっ、何でそんなことを祁央がする必要があるのよ」
軽口を言う右近からやっと離れて、右近の腕を叩く。
「いや、あいつはお前のことだと何をするかわかんないからな、マジで。」
「でも意味のないことはしないってば」
ある意味肯定してあやは久しぶりに、何の含みもなく笑う。
「じゃあ、届けものって何?」
「おお、そうだった」
右近は背に負っていた荷物を下ろし、ごそごそとその中を探る。
その中に細長い、棒状のものが荷に収まりきらず、飛び出しているのが見えた。
あやは首を傾げながら、大人しく右近を待つ。
右近はどうやらその棒状のものを引っ張り出そうとしているようで、何かに引っかかっているのか、取り出すのに苦労している。
「おりゃ!やっと取れた。これだ、あや。これを持ってきたんだ。」
「何これ?」
「見りゃわかる。開けてみろ」
何重にも布で巻かれたそれの形状には見覚えがある。
手元に戻ってきた花王もこんな風に布が巻かれていたなと、何とはなしに思う。
花王と違うのは巻かれている布の色くらいだろうか。
あやは素直に黒い布に守られているそれの姿を見るために、受け取った届け物の封印を解いていく。
露わになっていく正体にあやは思わず口を開いた。
「…これって」
「どうだ!驚いたか?」
「…すごく」
「いいデキだろう」
姿を現したそれを見て、あやは慌てて残りの布を払う。
右近はあやの反応を見て得意そうに言った。
「景元…!」
「ああ、二代目だ」
あやは美しく光を弾く刀身を窓から見える空にかざす。
花王と、景元と忠相。
南の地では知らぬ者のない、玄鳥天女の三種の神器。
誰かの命を選ぶために、誰かを殺す武器。
今まで手元にあったのは花王と忠相のみ。
景元を半年前に玄鳥の村に置いてきたのは、それにガタがきていたからだった。
鍛えなおしてもらうつもりで、玄鳥で一番腕のいい、景元だけでなく花王と忠相の生みの親でもある鍛冶師に預けた。
右近は二代目と言った。
では鍛え直しても蘇らないほど痛んでいたのか。
手にある景元は一代目とは大分様相を異にしていたが、しかしその手に馴染む感触は間違いなく景元だった。
「これをわざわざ届けに?」
「お前に武器がないとオレたちが不安なんだ」
思わず笑ってしまった。
「花王があるじゃない」
忠相は殺傷能力が高いとは言えないから、ついこの間まで手元を離れていた日本刀の名を挙げる。
「…いやあ、左近の奴が突然あやには景元が必要だと言い出したんだ。この間まで何にも言わなかったくせに。」
あやは景元に布を巻き直しながら、しまったと顔を顰める。
その可能性を考えなかったわけではないけど、やっぱり左近はこちらの状況を把握していたのだ。
今、景元が届けられたということは、花王を失くしたことは筒抜けだったと考えていいだろう。
それで急いで景元を届けさせたのか。
それよりは胡頌の働きによって花王が返ってくる方が速かったけど、それは結果論。
心配してくれたのだろう。
だが。
「…届けに来てくれたのが右近でよかったわ」
ちょっと不義理なことを言ってみる。
それはわかるけど、彼らに会うには少々気まずかった。
花王を手放したことを右近が知らないようだから、きっと祁央も知らない。
知っていたら何があろうと万難を排して祁央が駆けつけてくるのは間違いないと、当の本人であるあやも思う。
だから左近が知り得た事実を祁央に言わないでくれたのはありがたかった。
けれど、祁央の怒りと説教、左近の無言の圧力、どちらがマシかと言われたらあやはかなり選びかねる。
どうせなら右近の怒鳴り声のほうがいいな。
あやはそう考えて、右近に擦り寄る。
右近はわかりやすくていい。
「なんだ、あや」
「見てわからない?甘えてるの。」
右近にはそういって小さく笑うあやの思考は読めないが、猫可愛がりしている彼女に甘えられて悪い気などしない。
くしゃくしゃと胸の位置にある髪をかき乱すと、あやは右近を睨んで髪形を直す。
半年前までよくしていたやり取り。
あっという間に離れていた時間が埋まっていくのを感じる。
あやの胸に久しぶりに温かいものがかえって来た。
右近はSOSを知って訪ねてきた訳ではなかったが、何ともタイミングがいい。
彼の存在に感謝して、あやは遠くに感じていた南の地が身の内に帰ってくるのを感じる。
―でも、だめだよ。
けれど、ふと小さな声が南へ帰ろうとする心と体を押しとどめた。
―まだ、だめだよ。
風に似た、囁きだ。
あやは思い返す。
何か、忘れてはいないかと。
「…そうだった」
やり残したことが一つあったことを思い出した。
約束がある。
約束をした人がいる。
勝手にしたことだから、本人はもうとうに忘れているかもしれない。
でも、あやには大切な、叶えなければならない約束。
だって、これがあればまだここにいられるじゃない。
そのことをきっちりと自覚していたわけではない。
でも確かにあやは、右近が自分を迎えに来たのではないと知って小さく安堵した。
未練はまだあやの身の内に巣食って、この地から離れ難くさせる。
もはや望まれてなどいないとわかっているのに、城を離れることを考えると身を裂かれるように辛い。
なんだろうこれは。
久しぶりの感覚だ。
かつて、泣いて喚いて、身の内を焼いた思い通りにはならない恋の感情に似ている。
だが、似ているけれど、何かが違う。
そう、それは畏れに近い。
何故。
こんな想いを抱く?
それとも、これは貴方のせい?
曹操、あなた、なにを考えているの?
「だが気を付けろよ。最近の北はキナ臭い」
「…どういうこと?」
「わからないのか?この城も随分騒がしい」
城はいつものように静かな佇まいを見せていて、時々人の気配が行き来するのみ。
右近の言葉は少々場違いに響いた。
わかるだろう?と問われてあやは眉根を寄せる。
右近が言うのは外面ではなく、雰囲気や空気のこと。
それは例えば家を守る女にはわからないものかもしれない。
だが、あやは戦いを知っている。
だからわからないはずが無いと、右近はそう聞いた。
「戦が、ある?」
「多分な」
浮き足立つような慌しさ。
スタートを切る前の、力が収縮していく感じ。
「大きい戦ね?」
「そうだろうな」
やっぱりわかってるじゃないかと右近は裏のない顔で笑う。
さすがあやだ、と。
確かに最近、人の出入りが一段と激しい。
いつの間にか夏侯惇や夏侯淵を含む知り合いはあやの元を訪れなくなった。
曹操の寵愛を、ひいては魏での居場所を失ったあやの元に好き好んで来る者などいない。
だからそう言うことなんだろうとあまり気にしていなかったが、それよりはこの慌しい雰囲気の方に原因があったのかもしれない。
「場所は?」
「下邳だ。大捕り物だからな、仰々しくもなるさ」
もうすぐ魏側の布陣が下邳城の前に敷き終わる頃だろうと言いながら、騒がしい城の空気を右近はそう評した。
「大物?」
「何だ、知らないのか。白父に怒られるぞ」
むっとしてあやは口を尖がらせる。
知ろうと思えばこの先の未来だって知れるのに。
心の中で負け惜しみを言って、あやはこの世界に一緒に跳ばされてきた教科書を思い浮かべる。
ここではあやにしか読めない字で書かれているけど、何故かその存在が恐ろしく思えて、祁央にも右近左近にも、白父にすら存在を明らかにせず、厳重な封印をして隠してしまった。
あれさえあれば天下が取れるかもしれない。
ここがどこかを知ったときにそんなことを思ってしまったのが悪かったのか、あやはそれを一度たりとも開いていない。
その存在を久しぶりに思い出して、あやは自分の選択が間違っていなかったことを確信する。
だってもし未来なんか知ってたら、言いたくなるに決まってる。
曹操の行く道が少しでも楽になるように。
言ってしまってるに決まってる。
あたしは大切な人を助ける方法を知っていて、それでも尚知らない振りを出来るほど大人でも強くもない。
「ってか、城の前に布陣ってことは相手は篭城してるんだ?」
「ああ」
「普通篭城ってあまりうまくいかないわよね」
「だが、相手が相手だ。魏は責めあぐねて結局大軍を送ることになったのさ」
「ふ~ん」
そんなに強い敵がいるのか。
強さ。
そんな言葉に触発されて、軍の強さではなく、一人で武を誇る、約束の相手を思い浮かべた。
彼も強かった。
あれよりも強い人を知らない。
「ねえ、右近。呂布奉先って人がどこにいるか知らない?」
「は?」
約束が自分を魏に留めるための口実だったとしても、それを違えるつもりはあやにはまったくない。
約束をした心は本物だった。
彼に会わなければならないのだ。
もう一度問うために。
「知らない?強い人だからわかるかと思ったのだけど」
この時代、強いものは否応なく表舞台に立つ。
名を馳せ、理想を掲げ、夢を追い、天を望む。
だから、あれだけ強ければそれなりに名を知られていてもおかしくはないと思ったのだ。
「お前、奴を知っているのか?」
ぎょっと右近があやを覗き込む。
「…ヤツ?やっぱり知ってるのね。どこにいるの?教えて」
「あや、答えろ。奴を知っているのか?」
「右近?」
いつもと様子が違う。
ゆっくりと静かに問う右近はあやが怪訝そうに名を呼ぶのにも答えない。
あやは右近が何故真剣な目でそれを問うのかを理解は出来なかったが、多分答えなければいけないことなんだろうと、口を開いた。
「…知っているわ。会ったの」
「いつ」
「…多分三月くらい前、魏の街で。」
「あの野朗、もう篭城中じゃねえか」
「…篭城?」
先程会話に出た単語にあやは眉間に皺を寄せた。
「魏と相対しているのはあの人?」
「ああ、そうだ」
あやの顔から血の気がざっと引いた。
「あたし、行かなくちゃ」
曹操は彼を殺す気だ。
総力を挙げて起ったなら、必ずそうする。
あやにとって一瞬前まで他人事だった戦が、突然現実の血と肉を持つ。
曹操は武の面が知れ渡っているが、その実、長いことじっと物事を見極め、静観することも多い。
だが、決めたならその行動は迅速至極。
今、曹操が鎌を振り上げている。
ならば寸分違わず狙った相手に振り下ろす。
それは確信ではなく列記とした真実。
呂布奉先が一人、どれだけ強かろうと、曹操ならば勝つ。
正面から一騎打ちなどやらずに、戦略戦術を駆使して勝利を手に入れる。
それは最早確定された未来だ。
それでもあやは約束を違えるわけにはいかない。
だから早く行かなければ。
「あや」
「右近、あたし呂布に会わなくてはいけないのよ」
それが死体では意味がない。
思わず駆け出そうとするあやの手をがっちりと右近が掴み、行動を阻む。
「あや、落ち着け」
「行かせて、お願い」
「あや!」
大きく右近の声が一喝して、あやははっと動きを止めた。
「落ち着けって。俺は止めてない。」
「だって…」
あやは掴れた腕にちらりと目線をやる。
「聞きたいことがあるだけだ」
「聞きたいこと?」
「ああ。お前、呂布と会ったんだろう?」
「うん。」
「強かったか」
「とても」
それは即答。
「俺よりも?」
「…うん」
躊躇ったのは、右近の戦に対する態度を知っているから。
自分が強いという自負が彼にはある。
それは少し呂布奉先に似てるかもしれない。
だが、右近はその答えを半ば予想していたようで、あっさりと受け入れた。
「俺と奴が遣り合ったらどれくらい持つ?」
「…多分五合」
右近が何を仕出かすかわからないから、そのプライドを傷つけないようにとっさに少し割り増しして答えた。
右近は強い。
南の地では左近と共に双璧と言われ、炎将の双つ名まで持っているくらいには。
多分、魏の武将たちと遣り合っても遜色はない。
目の前で魏の武将、その本人たちの武を見てきたあやが思うのだから間違いはないだろう。
だが、呂布奉先は別だと思った。
あれは特別だ。
「五合か。面白い。」
にやりと笑う顔は妙に男臭く、なのにどこか悪童のような印象を抱かせる。
「あや、俺も行くぜ。」
「…あたし、呂布と戦いに行くわけじゃないんだけど?」
一応確認しておく。
嬉々として同行の意を伝えてきた右近はどう考えても、ヤル気だ。
「気にするな!俺は俺でやるさ」
なのに、右近の答えは何だが的を射ていない。
「見てろよ、あや。十合は打ってやるぜ!」
あやの目が呆れと諦観を含んで宙をさ迷う。
先が思いやられた。
一人で窓から外を眺めていた時とは比べ物にならないくらい軽い心で、あやは深々とため息を漏らす。
呂布に興味津々な右近と約束を守りたい自分。
行かないという選択肢はない。
右近のおかげで心には晴れ間が覗いていたが、実際の所、状況は難しい。
魏の布陣がもう出来上がっているという。
最近見ないということは、夏侯惇ら著名な武将も出陣しているのだろう。
呂布に会うのは難しいし、会ってどうするのかもあやにはわからない。
でもあやは行くのだ。
勝手に押し付けた約束を守りに。
果たしてしまったら去らねばならない離れ難い場所があるけれども。
自分もまた曹操や夏侯惇と同じように進まなければならないとわかっているから。
でも。
戻って来られるかしら。
約束を終えても、皆の顔をもう一度見たい。
礼を言いたい。
帰るならそれからがいい。
未練がそう望ませる。
あやは張り切っている右近の背を見ながら目を細めた。
後ろを向いてくれて助かった。
もし見えていたなら、また眉間を揉まれるところだ。
そういう顔をしている自覚がある。