潜入そして脱獄
『聖人?聖人?ねえ聞こえるの聖人?』
う、うう
『きがついたか聖人』
『お、お父さん?』
目の前がかすれて見えてよく見えない
『お前があっちの味方になるなんて、な!』
グハッ
お父さん、いやあいつの蹴りがもろに腹にはいった
『おい、お前ら絶対にこいつから目をはなすなよ』
『はい!!』
すごい気迫だった
『これが本当のお父さんの姿なの?』
声が裏返った
『そうだ、聖人、悔しかったら倒してみろ、な』
ビシャっっっ
目の前が真っ暗になった
まぶたが重い、ここは?
なにか薄汚い部屋に閉じ込められたようだ
くっそ、まだ顔が痛い
(あのくそ親父)
だが僕には何も残されていなかった
看守が来たようだ
『おう起きたか、ちょっとこれを見てろ』
そう言った看守が俺の荷物をすべて燃やし始めた
もう終わりだ
『へっへっへっ、こりゃ面白い顔をするな〜』
この看守にすら怒りが湧かなかった
いや、まだ諦めるな
何か方法があるはずだ、何かが、、、
いや、なにもない
僕には何もできないんだ
『おーーーらーーー』
この声は、聞いた事のある声だった
そうだ!あっちの世界で見たお母さんの部下だ
『聖人君速く!!』
僕はこっくりとうなずいた
プーーンプーーン
サイレンが鳴り響いていた
『どうやって、はあはあ、来たんだ?』
息が切れそうだ
『実はお前のお母さんから俺は作り替えられたんだ』
『どういう事なの?』
『話はあとだ行くぞ!!』
僕は足が速いのだ、僕はこの人をゆうにこして先を走った
はあはあはあ、たどり着いたのは一つのトイレだ
僕が問う『それで?さっきの話の続きは?』
『俺はあっちの世界で親に捨てられてな、そこでお前のお母さんに見つけられて
この能力を貰ったんだ、つまり俺達は兄弟みたいなものだ』
彼が続ける
『そんな事より俺は行くぜ、これを持っておけ』
渡されたのは一丁の銃だった
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