表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
∞・ワールド  作者: B・D
8/11

8

前話との字数の差が激しい…

「あ~あ。こんな腐れビッチいらねぇっての」

「誰がビッチよ!」

「いちいち反応してたら身が持たんぞ」


イクサ、リュウ、アイリスの三人は街なかを歩いていた。


なんでこうなったのか――――




「この子をよろしくね?」


シャルアニールは、後ろに隠れていたアイリスを前に出す。


「あ?」

「は…え…うぇ!?」


突然前に出されたアイリスは、最初きょとんとしていたが、状況を理解したのかかなり慌てている。


「こんなもんいらねぇ」

「確かに。使えそうになさそうなもの貰ってもなぁ」

「ちょっと!なんで私を物扱いにすんの!第一使えないってなによ!?」


イクサの言葉にリュウは同意し、アイリスは、うがー!と手を上げて憤慨する。そんな様子をニコニコしながら見ていたシャルアニールは、


「そうですね。この子はどこか抜けた所がありますが、基本的に良い子ですし、同期の中では一番優秀だったのですよ?」

「あぁ…。一番馬鹿やることが優秀だったって事ね」

「女王様!なんであいつの言葉に同意してるのですか!?しかも『基本的に』ってなんですか!というかアンタはどこまで馬鹿にするの!?」


あ、若干涙目になってきた。


「だってよ。どする?」

「…。俺としては別に構わない。正直馬鹿が一人増えようが大して変わらんからな」

「うぅ、グスン…」


人を泣かせるのって楽しいよな。


「それは良かった!実はこの子、ちょっと世間知らずな所がありましてね。外の世界でそういった事を学んでもらいたかったのよね。ほんと。なんか分からない文字とかあったらこの辞書アイリスを使うといいわ」

「そりゃいいな。謎解きとか論外だし。困った時の武器になる」

「あー、そういった分野担当の奴居るから出番無いかもしれん」

「もういやぁ!」





「んで?こっからどっか寄ったりすんの?」

「大丈夫だ。あとはギルドに行くだけだ」

「私は…、私なんて…」


現在、さっきまでいた店を出て歩いている。

余計な荷物がついているがしょうかない。


「そういやギルドはどこにあるんだ?」

「そうだな、ここからは距離が離れているからな。ゲートで向かう」


との事で、ゲートを目指している。

さっきから後ろがうるさい。


「どうした~?不幸な顔してると、不幸が訪れるぞ~?」

「誰のせいよ…誰の…!」


恨むような視線でこちらをみる。


「ごめんなぁ?俺、人を怒らせるのが好きでさぁ」

「屑だ!クズがいる!」

「更に言うと、キレて殴りかかる奴を返り討ちにするのがもっと好き」

「なおのこと酷いわ!」


アイリスをからかって遊ぶイクサ。


「ほら、ゲートについたぞ」

「おうよ」

「む~」


ここにいると兵士どもとケンカしたのを思い出す。

もっと大人数とやりたかった。


ゲート前は色んな人間に溢れていて、とても賑わっている。

そんななかから、イクサにとっては好意的な視線がビンビン飛んでくる。


「良い殺気出しちゃってまぁ。ちょっと遊んで―」

「やめてくれ…。今日中に着かなくなる」

「あ~…」


リュウの圧倒的なパワーで、襟部分を捕まれ引きずられていくイクサ。

その横で、アイリスが笑みをこらえている。


「…ぷっ」

「よーし!アイリス後で野球しようぜ!お前ボールな!」

「まって!謝るからまって!」

「漫才は着いてからにしろ」

「「あ~」」


イクサに続いてアイリスも掴まれ引きずられていく。

どこか気の抜けた光景が、そこにはあった。




「何気、ここまで来るのに時間かかった…」

「なんでだろうな?」

「「おアンタのせいだ」」

「ハハッ」


三人はゲート前に到着。

今は順番待ちをしている。


「しっかし、大きいなぁ、これ」

「詳しくは公式や掲示板の方に載ってるぞ」

「ほうほう…。掲示板?」


ゲートを見上げていたイクサがリュウに振り向く。


「あぁ。ゲーム内部にいても掲示板が開けるし、外の人間とも掲示板を通して話すことが出来る」

「へぇ~」


少し列が進む。


「それ、誰が作ったんだか」

「それはさすがに分からん」


肩をすくめるリュウ。と、アイリスが、


「あんた達知らないの?その掲示板作ったの、女王様よ?」


上から目線で、馬鹿にしたように言うアイリス。

そんな様子にイクサは苛立って、アイリスの頬をつまみ、


「うっせぇチビ!偉ぶるのは百光年早いわ!」

「いひゃい!いひゃい、はにゃして!(痛い!痛い、離して!)」

「イクサくーん。光年は距離だから関係ないぞー」


イクサのボケに、リュウが突っ込む。そしてそれにアイリスが笑い、更にいじられる。


しかし―――


(女王が作った?AIである彼女が?どうやって?)


リュウは、アイリスが言った言葉について考える。

それにAIについても謎か浮かんでいる。

現在の科学力では、人間に近いAI・・は、未だに作れはしないのだ。

更に言うと、運営である会社そのものから変なのだ。

内部の情報が一切流れない。普通ならば何らかは流れて来るのだが、何人働いているのかすら分からない。


(まぁ、今は関係ないか)


目の前で起こっている光景を見て、そこまで深く考えるのをやめた。

だが、後々彼は後悔する。自分の直感を信じればあんなことにはならなかったはずだ、と。

この時は、イクサが起こす事件事故ハプニングをどうやって楽しみつつ、フォローするか考える。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ