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その5

…ひた…ひた…ぴちゃん


……なんでしょうか…これ?かおに…ひっついてきます。…つめたくて……きもちいいです。


あたまがずきずきしてて…うぅ…いたいです


…ぽんぽん


……これ…は…

………お…にい……ちゃ…ん…?







………………はっ!!!?


わたしは目覚めました、そう小鳥のさえずりと共に!うわぁぁ…長年の夢が叶ってしまいました…!

というか、ここどこですか!?

…どうやらわたしが今居るのは誰かのベッドのようです。ふわふわな布団で気持ちいいです。ここはちょっとした小部屋のようで、ベッド以外にはミニテーブルしかない簡素な感じです。


わたしが布団に入ったまま辺りを物色してると、ぎぃっと音を立てて扉が開かれました。


「あ、目が覚めたみたいだね」


こ、この声は…まさか…!!?

わたしがそう思って振り替えると…




違いました



いや、正確には顔は激似なんですけどね…えと、頭と目が……やたらと綺麗な色合いで…


「…お兄ちゃん?」


「え?」


「あ、や、なんでもないです。」


……やばいです、この人お兄ちゃんです!まんまお兄ちゃんです!目見たらわかりましたよ!…で、でも色が違うんです、色が!髪の毛は金髪で、目は薄い水色ですよ!?どういうことなんですかね!?


「ちょっといいかな?」


そう言ってお兄ちゃん…もとい、仮に金髪さんと名付けさせて貰います。その金髪さんはわたしの寝ているベッドの真横に移動してきて、わたしの前髪を持ち上げておでこに手を当ててきました。


「…熱は…引いたみたいだね。うん、よかった。」


…あ、熱を測ってくれてたみたいです。

……いや!!別に勘違いとかしてませんからね!?

だっだって、顔はお兄ちゃんなんですもん、美形ですからドキドキしますって!!

…あ、そんなこと聞いてないって?すみませんね、一人ではしゃいでしまって。


そっと金髪さんが手を離しました…少し寂しい気もしてきます


「それで?君はなんであんな所に居たのかな?」


『君』と言われたということは、金髪さんはわたしのことは知らないのでしょうか?…やはりお兄ちゃんではないのでしょうか?そう思って下を向きうつむいていると


「ねぇ?」


ずいっと金髪さんはわたしの顔に近づけてきました。

わっ、話全然聞いてなかったです、やばいです!


「はぃい!」


「うん、いいこいいこ…最初からこっち向いてくれれば良かったのにね?」


そう言って頭をぽんぽんと撫でてくれます。


「――――――っ!」


やめてほしいです、こんなことするの。

こんなこと言われたら、こんな撫で方されたら

やっと立ち直れたと言うのに

思い出しちゃうじゃないですか


心ではそう思っていても、身体は言うことを聞かない訳で、わたしは金髪さんの手を払うことはできませんでした。


「…ごめんね、言い方きつかったかな?…泣かせるつもりじゃなかったんだけど…」


「…?」


泣いてるつもりはありませんが…あれ?でも顔が濡れてる



「おいで」


そう言って金髪さんはわたしに向かって両手を広げています


なんでそんなことするんでしょうか?初対面ですよ、初対面!しかもわたしは多分金髪さんにとっては身元も知れない不審者です。なのに…

もしかして…お兄ちゃんなんでしょうか?

実はカラコンして染めましたみたいな

…わかってます。

そんなことはあるわけ無いと頭ではわかってますけど、


「…ほら」


でも心はどうしようもありません



…例え彼がお兄ちゃんでなくても

せめて…せめて今だけは


「ぅっ、…ぅぁあうわぁぁああーん」


お兄ちゃん


「うぅ…ぁっ…ぁいたかった…よぉっ………」










こんにちは皆さん、わたしこと近藤かれん

只今絶賛反省中です。


いやー知らない人(多分)に初対面で抱き付くのは駄目ですね、はい。皆さんもくれぐれも注意してくださいね、…え?普通そんなことしないですって?…そうですよね今回は認めます、そんなことするのは普通じゃありませんよね。はい、これからは気を付けます。


そしてわたしは今その自分の普通ではない行動のとばっちりを受けているのです。それはどんな状況かと言われますと、

一通り泣き止んだため金髪さんの腕の中から出ようと思うのですが、そのタイミングがつかめないことです。そして、その腕から出た後の言葉はどうすればいいのでしょう?

…ぅゎぁー駄目ですほんとにわかんないです、どうしましょう?


そんなことをとりとめもなく考えていると


「…もう…大丈夫かな?」


「っ!?」


ふわぉっ……!!み、みみみ耳元でっ囁かれました。ボソッて!考えてたこと全部飛びました!!は、恥ずかしいです!

思い切り反応してしまった自分一度天に召されるがいいです!!


金髪さんはそう聞くとわたしを抱きしめていた腕をほどいて目を合わせてきました。


「ちょっと待っててね、何か暖かいもの持ってくるから」


そう言って金髪さんは扉の向こう側に行ってしまいました。


うわぁぁ、よかったです、一件落着なんです。結果オーライってやつです!めちゃくちゃ緊張しました…!

…よくよく考えてみれば、金髪さん人よすぎでしょう!?悪い人に騙されてませんかね?なんか余計なお世話ですけど心配になってきました…。

しかも泣いてる間ずっと背中をさすったりぽんぽんやってくれました、優しすぎでしょう!?…ぅうわ、は、恥ずかしいので心の奥にしまっときます。はい。



さ、さて、いい機会ですからちょっとこれまでのことを整理したいと思います!


知らないうちに知らない世界に

徘徊しまくって疲れて神殿もどきで寝る

おおかみもどきに襲われる

謎の人(外見まんまお兄ちゃん)に助けられる

金髪さん(顔がお兄ちゃん)に慰められる(?)



大まかにわけたらこんな感じですかね?


あれ?ちょっとまってください、わたしを助けてくれた人と金髪さんの顔って全く同じだったんですけども!?…もしかしてここにいる人皆お兄ちゃんの顔してるの…!?え、なにそれ怖い。ホラーです。怖いことは現実逃避です!違うこと考えましょう…!


…あ、そういえば足、悲惨だったんですけど痛くありません。どうなってるんでしょう?

そう思って布団をめくってみると


「………!?」


めっちゃくちゃ綺麗になってました

…え!?これ自分の足!?ってくらいです。

今まで付けてきたあざや、切り傷、などなんも無いです!

これもさっきの金髪さんがやってくれたのでしょうか?それならお礼を言わねばなりません…!



でも、なんか大事なこと忘れてる気がします。

足の傷よりももっと痛々しかったような…?



暫くしたら金髪さん視点の話も入れたいと思ってます。


それがないと、あら不思議

今回の金髪さんの行動が少しチャラ男な感じに!

(個人的な感想です)






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