それはついに願いを叶えたー
ニコニコと笑顔を絶やさない少女が、そっと手を伸ばした。
その手は少年の頬に触れ、優しく撫でる。
「うれしい。主様に触れられて、お話してるのが」
「俺も嬉しいよ。お前がなんか光で反応してるのに気付いた時は心臓ぶっ飛ぶかと思ったけどな」
「だって私、気付いてもらいたくて必死だったんだもの」
「おう!おかげで俺もお前に心があるって気付いた」
アカリは、熱い願いを込めて言う。
「主様、どうか私を連れ出して。どうか私に世界を見せて。そして――」
水晶の少女はそのまま少年に抱きつき、その胸に顔を埋めた。
「もう私を、1人にしないで」
少年はそっとアカリの背中を抱きしめた。
「安心しろ。これからはいつでもずっと一緒だ。俺がお前を守ってやる。世界に連れて行ってやる」
アカリはにっこり笑って、応える。
「うん」
「主様、私も前に聞いた、姫神の指輪になりたい。ううん、なります」
少年は頷く。
「おう。そうしたら、俺たちは一生一緒だ」
「俺が死ぬまではー」
やがて、少女の身体は柔らかな光に包まれ、輝きが増していく。
その光の中で、アカリの姿は徐々に変化し、ついには小さく、精巧な指輪へと形を変えていった。
光の中に宿る意思は消えず、温かく、力強く、確かに少年に寄り添う存在として残っている。
光が落ち着くと、アカリの姿は小さく精巧な指輪となり、少年の左手の小指にそっと収まった。
半透明の水晶のように輝くその指輪には、意思と心がしっかり宿っている。光は消えず、温かく、柔らかく、しかし力強く、少年に寄り添い続ける。
小指に宿ったアカリは、これまで通り笑顔のまま、少年と共に、いつでも、どこでも一緒にいることができる存在となった。
少年は左手の小指に輝く指輪を見つめ、微笑む。
「あいつにも教えてやんねぇとな、お前が見つけた、あのタマが、無事に姫神になったぞって」
光を宿した指輪は、微かに輝きを返し、少年の笑顔をそっと受け止めていた。




