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RUN&GUN ― 二人で一人の逃走譚 ―  作者: F94
街道の魔ー
213/324

街道に立つ者ー

西の街道に、全身甲冑を着た騎士が夜な夜な現れるという噂が立ちはじめた。いつごろからか、その始まりを誰もはっきりとは覚えていない。


夜に街道を行くのは、欲をかいた行商人や人に見られたくない者たちくらいのもので、そう深刻には受け止められてはいなかった。その姿を見た者は多いが、何か被害があったわけでもない。


ただ、その鎧が現れている間は街道を通り抜けることができない。それだけの話だった。その姿を見れば呪われたり、見つかると襲ってくる、というわけでもなく、ただそこに居るだけだったのだから。


だが、最近になって少し様子が変わってきた。


噂を聞いた興味本位の冒険者、腕試し気分の騎士や戦士が戦いを挑むようになり、その悉くが打ち破られていく。やがてその噂はさらに広がり、各国の騎士団や名のある者たちまでもが勝負を挑む事態となった。


それでもなお、誰一人として倒すことはできない。


今もなお、鎧は月明かりの下、ただ静かに佇んでいる。


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