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エピローグ
それから、少年は指輪に宿るカレンを相棒に、各地を暴れ回った。
怪しい影の変異が現れたと聞けば駆けつけ、湖に水の妖魔が出たと聞けば向かい、街道に謎の剣士が現れたと聞けば挑み、谷に不死鳥が現れたと聞けば追いかけた。
時には、抜け出していたことがバレて木に吊るされることもあったが――それでも少年は止まらなかった。
そうして、数えきれぬほどの魔物や精霊、そして名も知れぬ存在と対峙していく。
いつしかその両手には、輝く十個の指輪が収まっていた。
少年はそれらを、姫神と呼んだ。
この世でただ一人、少年だけが生み出した、少年のためだけの力。
魔力を持たぬ少年の、魔力に頼らない力。
だがそれは、いかなる魔力にも劣らぬ――否、それ以上の力を宿していた。
少年自身をも強くする、その存在。
体力と気持ちが尽きぬ限り、姫神達は決して裏切らない。
少年は姫神を守るために。
姫神は少年を守るために。
そのために、神格に迫るほどの力を得た。
力とは、想い。
力とは、願い。
そして――
力とは、愛である。




