表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
RUN&GUN ― 二人で一人の逃走譚 ―  作者: F94
第7章ー姫神奪還作戦ー
204/322

おかえり姫神達ー

朝の光がカーテン越しに差し込み、病室をやわらかく照らす。


ベルはゆっくりまぶたを開き、包帯に覆われた自分の身体を確認する。肩や腕、胸に軽い痛みはあるものの、動けないほどではない。


恐る恐る手を伸ばし、指先を見下ろす。そこには、見覚えのある10本の指輪がしっかりと輝いて並んでいた。


ベルの胸に温かい感情が広がり、思わず小さく笑みがこぼれる。


「…よかった…全部、ある…」


目の端から涙が伝い、頬を伝って零れる。痛みも疲れも、胸のもやもやも、一瞬だけ薄れたような気がした。


ベルは指輪を握りしめ、胸に抱き寄せる。その手の温もりと輝きに心を支えられ、涙は自然と笑顔に混ざった。



ミーファは得意の回復魔法でみんなの応急処置を済ませると、朝を待たずに「ジット村に帰ります」と言って、さっさと出て行ったらしい。

他の皆は、マリーナとマークスは大陸警察の、アンジュたちは教会の、それぞれの治療院で入院中だという。ラインとビビ、そしてパティは、この病院の別の階で療養しているらしい。

落ち着いたら、それぞれの街や国に戻るのだろう。私も、明日には歩けるようになりそうだ。そうしたら、皆にお礼を言いに行こう。


そして、完全に身体が良くなったら、また旅に出よう。

ミリィと一緒に、あいつも一緒に。

姫神たちも、一緒に。

次は、北を目指そうかな。



やがてその存在は、一つの国では収まらぬ影響を及ぼすようになる。


ハリス帝国に対し、ルグレシア王国を筆頭とした連合国家は正式に動いた。


幾度もの協議と緊張の果てに締結されたのは――『魔王殺し不可侵』条約。


それは一人の少年の名を、国家間の取り決めとして刻むという、前代未聞の内容であった。


ハリス帝国はこれを受け入れ、東大陸の勢力がその存在へ干渉することは、少なくとも当面の間、封じられることとなる。


すなわち――


魔王殺しに近づくことは、許されない。


東大陸がその影に触れることは、しばらくの間、訪れない。


その静寂の裏で、ただ一人。


少年は変わらず、姫神と共に歩み続けていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ