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RUN&GUN ― 二人で一人の逃走譚 ―  作者: F94
第6章ー西大陸からの使者ー
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あれからの2人ー

広場の片隅、木漏れ日の差すベンチに二人は並んで座っていた。昼ベルは手元のランチをゆっくり口に運す。久しぶりにこうしてミリィと一緒に座る時間が、なんだか懐かしい。


「最近、修行修行の毎日でお疲れ様でした。もう終わったんですか、ベルさん?」

ミリィは小さな声で、でもきちんと敬語を使いながら尋ねる。金髪が光に透けて、ふわふわ揺れる。


ベルはフォークを置き、少し考えるように空を見上げた。

「終わったわけじゃないけど……なんとなく掴めた気がするの」

小さく笑う。

「あとは、自分でやってみる。少しずつでも、体に覚えさせるの」


ミリィは頷き、ほっとしたように微笑む。

「……さすがですね、ベルさん。確かに、感覚で掴む部分もありますものね」


二人の間に、言葉少なでも通じ合う静かな時間が流れる。昼ベルは口の中の味よりも、こうして穏やかに隣で食事を共にする時間のほうが、今はずっと心地よく感じられた。


「……でも、やっぱり難しいですね」

小さくため息をつきながらも、ベルの目は少しだけ輝いている。


ミリィはそんなベルを見て、優しく微笑んだ。

「大丈夫です、ベルさん。焦らず、ゆっくり、ですね」


昼の柔らかい日差しの中で、二人のランチタイムはゆったりと過ぎていった。


ランチを終えて、ベルはのんびりと口を拭きながらミリィに聞いた。


「ねぇ、ミリィ。最近、あいつとはどうなの?もう仲直りとかしたの?」


ミリィは少し顔をそむけ、くすっと笑いながらも、まだ眉がぴくっと動く。

「……まだ怒ってます。簡単には許せません」


ベルは肩をすくめて苦笑い。

「そっか……まあ、そうだよね。でも、毎晩アダラたち来てるんでしょ?」


ミリィは小さくうなずく。

「はい。毎晩、必ず撃退しています。でも、ベルさんと直接話しては……まだしてません」


ベルはフォークを置き、少し首をかしげながら言った。

「でもさ、たぶんあいつって……変な気持ちでお尻叩いたわけじゃないって、ミリィもわかってるでしょ?」


ミリィは目を伏せ、小さく息をつく。

「それは……もちろんです。でも、だからって許せないんです。自分でもよくわからないんですけど……なんだかもやもやして」


ベルは肩をすくめ、ちょっと笑った。

「なるほどねー。ってことは……ミリィも女の子ってことだよね」


ミリィはびっくりして顔を上げ、目をぱちぱちさせる。

「……? どういう意味ですか、ベルさん!?」


ベルはにやっと笑いながら、スカーフをくるくるいじった。

「いや、だってさー……ちょっとムカつくけど、なんか気になっちゃう……みたいなことでしょ?」


ミリィは頬を赤くしてすぐ目をそらす。

「そ、そういうことですか……ベルさん」


ベルはくすっと笑い、肩を揺らす。

「ふふ、わかってるよ。急に仲直りしろとか言うわけじゃないし。ただ、正直な気持ちっていうのは、そういうことなんだなーって思っただけ」


昼の柔らかい光の下、二人の間にはまだ微妙な距離感があるけど、少しだけ空気が和らいだようだった。


ベルとミリィがランチを終え、少しのんびりしていると、アダラとビビがやってきた。


「なんだ、お前らまたあいつの話してんの? ほんと好きだよな」

アダラはにやっと笑いながら、ベルの横に立つ。


ミリィは顔を赤くして、ぱっと手を胸に当てる。

「べ、別に好きじゃありません!」


ベルは思わず吹き出しそうになり、手で口元を押さえる。

「ふふ、まぁ……確かに話題にはなるけど、別に“好き”ってわけじゃないよね」


ビビは横でくすくす笑いながら、肩をすくめる。

「でも、毎晩アダラが来るの、ちゃんと撃退してるんでしょ〜?」


ミリィはきりっと頷き、少し胸を張る。

「……はい。ですが、それと感情は別です!」


アダラは手を振ってにやりと笑い、少しからかうように言った。

「そっかそっか、まあ楽しそうでいいけどなー」


ベルはそのやり取りを見ながら、思わずくすっと笑った。


アダラがにやりと笑いながら言った。

「私ら、魔王殺しに会いたいんだけど、あいつ昼間はいつもどこにいるんだ?」


ベルとミリィはそろって明後日の方向を見つめ、もごもごと答える。

「さ……さぁ?」


ビビがくすくす笑いながら首をかしげる。

「何それ〜、なんかあやし〜」


アダラは肩をすくめて、手を広げる。

「じゃーいいや、とりあえず今夜は会わせてくれよな?」


ミリィはきっぱりと首を振る。

「絶対ダメです!」


アダラはにやりと笑い、首を振った。

「違うって、夜這いはもういいからさー」


ベルは首をかしげて、少し驚いた声で言った。

「え? 違うの?」


アダラは笑いながら頷く。

「うん、あのさ、魔王殺しに私らの国に来てほしくって」


ベルは少し目を見開いて、驚いた声で言った。

「西の大陸に?」


アダラはにやりと笑い、手を広げる。

「そうだ! もちろんお前らも一緒にな!」


ベルは首をかしげて、ちょっと慎重に尋ねる。

「でも、なんでいきなり? どうして私たちも一緒に来なきゃいけないの?」


アダラは少し真剣な顔になり、肩をすくめた。

「いや、あのさ、魔王殺しに私らの国に来てほしくって……色々頼みたいことがあるんだ」


ミリィは小さく目を見開き、息をつく。

「……なるほど……それなら理由次第ですね」


ベルは少し考え込み、腕を組みながら言った。

「うーん、そういうことなら……でも詳しく聞かないと、ちょっと判断できないな」


ビビは横でくすくす笑い、軽く肩をすくめる。

「ベルさんらしい反応だね〜」


アダラはにやりと笑いながら、さらに説明を始めた。

「だからさ、夜までに準備してもらって、理由も全部説明するからさ!」


ミリィは小さくため息をつき、でも頷く。

「……わかりました。ただし、無理なことはしません」


ベルは少し考えた顔のまま、でも興味は湧き始めている様子だった。

「まずは話を聞いてから決める、ってことね」


ベルは少し考え込みながら言った。

「もちろん、あいつが行くって言ったら、だけど……」

(あいつ、面白がって行きたがるだろうな……)


アダラは笑いながら手を広げる。

「その心配はねぇって! 私とビビがベットん中で頼めば、断れる男はいないだろ」


アダラはビビの方を指さし、からかうように言った。

「見ろよ、これ」


ビビは胸を張って自慢げに胸をそらす。

「えっへん〜」


ベルは思わず目を丸くして、口元に手を当てる。

「……ほんとに、頼れる二人だね」


ミリィはため息混じりに小さく首を振る。

「……本当に、油断も隙もありませんね」


ミリィはきりっと頷いた。

「今夜は、私も同席します!」


ベルは少し考えながら、微笑んで言った。

「そうね……すごい心配だから、ミリィにお願いするわ。私はいられないけど」


アダラは肩をすくめて、軽く笑う。

「別にいいけど、見てる分にはあんま楽しそうじゃないけどな」


ビビはのんびり笑いながら、胸を張る。

「ねぇ〜、私たちも初めてだから楽しみ〜。だけどちょっと怖いね〜」


ベルは目を丸くして首をかしげる。

「え……? させる気はないけど……そういう経験ないの?」


アダラはちょっと心外そうな顔をして言った。

「私もビビもないよ? そんなふしだらじゃねぇし」


ベルは目を細め、にやりと笑う。

「いや、充分ふしだらだよ」


アダラは胸を張って、にやりと笑った。

「でも大丈夫! お姉様たちからいろいろ話は聞いてるから!」


ビビはのんびり声を伸ばして、楽しそうに言った。

「そぉ〜、がんばる〜」


ベルは思わず目を細めて、ため息交じりに言った。

「いや、絶対止めるけどね。ミリィが」


ミリィはきっぱりと頷き、腕を組む。

「……はい。私が必ず止めます」


ベルはミリィの肩を軽く叩きながら、真剣な顔で言った。

「ミリィ、ほんっとにお願いね」


ミリィはきりっと胸を張って答える。

「はい! 任せてください! 身体を張ってでも止めます!」


アダラは軽く笑い、手を振った。

「お前が身体張っても止まらないって」


ビビはのんびり声を伸ばして心配そうに言う。

「無理しないで〜」


ミリィは腕を組み直し、きっぱり返す。

「そういう意味じゃありません!」


ベルは小さくため息をつき、眉を寄せる。

「……不安」


アダラとビビはにやりと笑いながら、軽く手を振って去っていった。

「また今夜〜!」


残されたベルとミリィは、しばらく静かに席に座っていた。


ベルは小さくため息をつき、呟く。

「朝から、濃い話だった……」


ミリィは肩をすくめ、少し疲れた表情で頷いた。

「……はい」



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