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RUN&GUN ― 二人で一人の逃走譚 ―  作者: F94
第6章ー西大陸からの使者ー
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西の大陸の話ー

波止場を離れ、ベルは二人を従えて街灯の並ぶ港の通りを歩き出した。潮の香りが心地よく、波の音が静かに耳に届く。


アダラは前を歩きながら、時折港の明かりに目を輝かせる。

「こっちの街灯、うちの国にはあんまりないな〜」


ビビはベルの隣でふわふわ歩きながら、ちょっと跳ねるように言う。

「ほんと〜夜でも明るくて〜気持ちいいよね〜」


ベルは肩越しに二人を見て、少し笑った。

「そうだな。こうやって歩いてるだけでも、街の雰囲気楽しめるもんな」


アダラは波止場を指さしながら、興味津々で話す。

「海の匂いと灯りの感じ、なんか落ち着くな〜」


ビビは波の反射を見つめ、声を伸ばしてつぶやく。

「うん〜水面がキラキラしてて〜なんか魔法みたいだよ〜」


ベルは少し目を細め、夜風に吹かれる二人を眺めながら問いかけた。

「……お前らの国って?」


アダラもビビも、港町の夜を満喫しながら、少し考え込むように歩き続けた。


やがてアダラが口を開いた。

「私らの国はカダブランカって言うんだ」


ベルは眉を少し上げて、興味深そうに二人を見つめる。


アダラは楽しげに続ける。

「砂漠の広がる国で、港町もあるけど大部分は広い砂原だな〜。気候は暑くて乾燥してる。砂漠の風景ってのは、街から少し離れるともう一面、砂と岩だけになるんだ」


ビビも顔を輝かせ、波止場の灯りを眺めながら加える。

「建物は木や石で作られてて、街の人はみんな軽装が多いんだ〜暑いからね〜」


アダラは少し自慢げに、手を広げて言った。

「でも港町の方は商業も盛んで〜砂漠の交易で栄えてるんだぜ。船でいろんな物を運んで、他国と交易するのも楽しいんだ」


ベルは少し微笑みながら、波の音に耳を傾ける。

「ふーん、砂漠の国か……面白そうだな」


ビビはにこにこしながら、手をひらひらさせる。

「うん〜面白いよ〜でも暑いのは大変〜」


アダラとビビの話に、夜の港の潮風が混ざって、港町の静かな夜がさらにゆったりとした空気に包まれた。


ベルは少し首をかしげ、二人を見比べて言った。

「だからビビは焼けてんのか。でもアダラは白いんだな?」


その言葉にアダラは一瞬ぴくりと身体が硬くなった。

「う、うるせ……」声が少し裏返る。


ビビは慌てて両手をぱたぱたさせ、声を伸ばす。

「や〜めてよ〜からかわないでよ〜!」


ベルは肩をすくめ、にやりと笑った。

「ふーん、白いのって珍しいのか」


アダラは俯き、少し声を震わせながら小さく呟いた。

「…………西大陸じゃ、英雄と同じ褐色の肌が普通なんだ……」


ビビはくすくす笑いながらも、横で手をぱたつかせてフォローする。

「うん〜でも〜アダラ〜そのままでいいよ〜!」


ベルは肩をすくめ、にこりと笑った。

「まーいいじゃねぇか!人それぞれだしな」


アダラは少し俯き気味にうなずく。

「おぅ……」


ビビはぱっと顔を明るくして、手をひらひらさせる。

「よーし!気を取り直して〜」


アダラも少し笑みを戻し、ベルに向かって言った。

「でさ〜、何かお礼にご馳走させてくれない〜?」


ベルは驚きつつも、にやりと笑った。

「え?奢ってくれんの?それならありがたくいただくよ」


ビビは跳ねるように喜び、声を伸ばす。

「やった〜!楽しみ〜ベルさん〜」


三人は港を後にし、街へ向かって歩き出した。


夜風に潮の香りが混ざる通りを、ベルは軽やかな足取りで進む。アダラは少し遅れ気味に歩きながら、街灯に照らされた石畳をじっと見つめる。


ビビは両手をぱたぱたさせながら、ベルの横をふわふわと歩く。

「うん〜街の明かりもキレイだよね〜」


ベルはちらりと二人を見やり、口元に笑みを浮かべた。

「まあ、せっかくだ。夜の街も見て回るか」


アダラはちょっと背伸びをし、建物のシルエットを見上げる。

「こんな街並み、うちの国じゃあんまり見ないな〜」


ビビは小さな声で、でも楽しそうにささやく。

「ね〜ベルさん〜屋台とかもあるのかな〜?」


ベルは波止場での静かな夜から一変した、街の明かりと人の気配を感じながら、二人の後ろ姿を見守った。


こうして三人は、港町の夜を抜け、石畳の道を街の中心へと歩き進めていった。


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