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RUN&GUN ― 二人で一人の逃走譚 ―  作者: F94
第6章ー西大陸からの使者ー
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魔王殺しと西の姫ー

夜の港は、昼間の喧騒が嘘のように静まり返っていた。波の音が岸壁に柔らかく当たり、冷たい潮風が銀髪を揺らす。ベルはそのまま波止場の端に腰を下ろし、夜の海を眺めていた。昨日は結局、遭難騒ぎで街を見て回るどころではなかった。


そのとき、後ろから声がかかった。

「おー探したぞ!お前がベル・ジットだな?」


ベルは振り返る。そこに立っていたのは、見慣れぬ白髪の少女――ダブラ。その隣には長い黒髪の少女が会釈している。


ベルは目を細めて問い返した。

「なんだお前?」


アダラは手を腰に当て、声を張る。

「なんだとはなんだ!お前、失礼だぞ!」


隣のビビが軽く手を上げ、落ち着いた声で嗜める。

「まぁまぁ、アダラ。失礼なのはこちらも同じですし、まずは自己紹介を」


ビビはにこりと笑い、続けた。

「私はビビです。アダラと一緒に行動しています〜」


アダラも少し照れたように肩をすくめ、恥ずかしそうに言った。

「私はアダラ。あんたに礼を言いたくてな!」


「あー!昨日の船の連中か!」

やっと思い出す。


ベルは腕を組み、少し笑いながら言った。

「礼なんていいぞ。昨日は大変だったけど、無事でよかったな」


ベルは腕を組み、少し眉を寄せながら問いかけた。

「そんで?なんでお前ら遭難してたんだ?」


アダラは少し考え込むように顔をしかめ、口を開いた。

「うーん……まあ、ちょっとした事情でな。言ってしまえば、船がうまくいかなくて……気付いたらこんな目に遭ってたんだ」


ビビは肩をすくめ、ふんわりと付け加える。

「海の流れに任せるしかなくて〜途中で力尽きちゃったの」


ベルは海を見つめながら、ため息交じりに言った。

「なるほどな……でも無事でよかったよ。あんたら、運が強かったな」


アダラは少し照れくさそうに笑い、ビビもにっこり微笑んでベルを見つめた。


アダラは目を輝かせ、ビビもにっこり笑いながら、改めて感謝の気持ちを伝えた。


アダラは胸を張り、目を輝かせながら言った。

「これもタブラスカのお導きだな!」


ベルは首をかしげ、眉を寄せる。

「タブ……?なんて?」


ビビは少し照れくさそうに笑いながら説明する。

「英雄タブラスカ様〜、私たちの国で崇められる神様なの〜」


アダラは得意げに頷き、ベルに向かって胸を張る。

「だからこそ、私たちが助けられたんだ!」


ベルは腕を組み、少し苦笑しながら返した。

「へぇ……そういうのに守られてたってわけか。ま、無事でよかったな」


ビビもにっこり笑い、アダラの横でうなずいた。

「ほんとに〜助かって嬉しいです〜」


ベルは肩をすくめながら、波止場の夜風に吹かれて言った。

「じゃー気をつけて帰れよ」


アダラは手を振りながら声を張る。

「待て待て待てぃ!」


ベルは腕を組み、少し呆れたように言った。

「なんだよ?用事は済んだんだろ?」


アダラは目をギラリと輝かせる。

「命を助けられて言葉だけで済ませられるか!何か礼をさせろ!」


ベルは肩をすくめて、軽く笑った。

「いいよ。面倒くせぇから」


アダラは口をとがらせ、少し不満そうに呟く。

「めんど…」


ビビはすぐにアダラを制しながら、やわらかく説明する。

「私たちの故郷では〜恩を受けたら必ず報いなければ恥と言われてて〜」


アダラはビビを睨みつける。

「ビビ!こいつむかつく!」


ビビは慌てて手を広げて制する。


「まぁ〜まぁ〜まぁ〜」


アダラがビビの胸に巻いた布をぐいぐい引っ張り続ける。


「あぁ〜ちょっと、やめて〜」


ベルは腕を組んだまま、少し呆れた顔で二人を眺める。


「……なんだこいつら、やっぱり面倒くせぇな」「あぁ〜ちょっと、やめて〜」


アダラはにやりと笑いながら、ビビの胸に巻いた布を軽く引っ張る。

「そう言えば昼間に、お前と同じ名前の女とチビっ子に会ったぞ」


ビビはまだ布を押さえながら、顔を赤らめて声を伸ばす。

「もー、やめてよ〜こぼれちゃうよ〜」


アダラは肩をすくめ、少しあきらめたように手を下ろす。

「ま、いいや。礼も言えたしな」


ビビは息を整え、にっこり笑いながら言った。

「うん〜助かったよ〜」


ベルは波止場の端に座ったまま、夜風に吹かれながら二人を眺める。

「……よし、これでひとまず落ち着いたか」


港に漂う潮の香りと、波のきしむ音の中、三人の間に短い静けさが流れた。


ベルは腕を組み、少し眉を寄せて問いかけた。

「んで、お前達どこに行こうとしてたんだ?」


ビビは口をとがらせ、声をふんわり伸ばす。

「それは〜精霊様のお導きに従って〜」


アダラはくすくす笑いながら頷く。

「だから道に迷って……ああなっちまったんだよな」


ベルは少し目を細め、海の波面を見つめる。

「ふーん……そりゃ大変だったな」


ビビはにこにこしながら、手をぱたぱた振る。

「うん〜もうちょっとでヤバかったよ〜」


アダラも笑みを浮かべ、少しほっとした表情を見せた。


ベルは腕を組み、二人を見つめて問いかけた。

「お前らはこれからどうすんの?」


アダラは少し考え込み、口を開く。

「それはー…」


するとビビが慌ててアダラの腕を引き、声を伸ばして止める。

「や〜めてよ〜言っちゃダメだよ〜!」


アダラはちょっと驚きつつも、にやりと笑った。

「おいおい、なんで止めるんだ?」


ビビは目をぱちぱちさせながら必死に言い訳する。

「だって〜まだ言えないんだもん〜!」


「ふぅん、まぁ事情もあるだろうしな」


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