表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

第4話:『影の足音と、転生魔女の覚悟』

学園祭が終わり、校内は静けさを取り戻した。

春菜は自室で記録した魔法陣の解析ノートに目を通す。

「学園の事件は防げた……でも、まだ何かが動いている」


窓の外には、遠くの王都に向かう光の列が見える。まるで誰かが春菜の力を試すかのように――。


その日、教師・ルヴァンが春菜を呼び出した。

「紺野春菜、君の能力は確かに特別だ。しかし、君の力はまだ制御が甘い」

春菜は頭を下げる。

「はい……もっと精度を高めます」


ルヴァンは厳しい表情のまま、ノートに目を落とす。

「君に与える課題は、学園内部の事件ではなく、国家機密に関わる案件だ」


春菜は息を飲む。

「国家……?」

「君の記憶魔法を使い、過去の王家と魔女の関わりを調べてもらう」

課題は過酷だ。記録室の古文書だけではなく、禁書、そして極秘の魔法文書まで。

「わかりました……やります」


その後、春菜はセレストとミリエルと共に学園の地下図書館へ向かう。

地下図書館は暗く、古い石造りの壁に沿って膨大な魔法書が並んでいる。

「ここが……国家の秘密に触れる場所……」春菜は息を呑む。


記憶魔法で断片を追うと、古い書物の間に奇妙な影が残っていることに気づく。

・王家の権力争いの痕跡

・魔女が国家を操るための陰謀の証拠

・学園祭での事件の影響が、より大きな国家計画に連なる可能性


「つまり……私たちの学園祭の事件は、ほんの一部だったの……?」春菜の声は震えた。


その時、背後で小さな音がする。振り返ると、廊下の奥に黒いローブを纏った影。

「やはり……動き出したか」


春菜は迷わず記憶魔法を展開。影の人物の過去の行動を追い、どのような目的で学園を操作しているのかを推測する。

セレストとミリエルも並走し、三人で影の存在を追う。


影は突然、魔力を爆発させて襲いかかる。地下図書館の石壁に衝撃が走り、埃と魔力が舞う。

「逃げない……私たちで止める!」春菜は心臓を高鳴らせながら、力を集中させる。


記憶魔法で断片を繋ぎ、相手の攻撃パターンを予測。セレストの戦術魔法、ミリエルの攻撃補助と連携して、見事に影を封じ込めることに成功する。


影が消える直前、低く笑う声が響いた。

「記憶魔法……面白い。次は国家そのものを揺るがす時に会おう」


春菜は胸の奥で決意を固める。

「弱くても……私には見えないものを見せる力がある」


地下図書館を出た三人は、夜空を見上げた。遠くに王都の光が揺れ、これから自分たちが立ち向かう世界の広さを実感する。


春菜は小さく呟く。

「学園だけじゃない……国家も、そして……私の過去も、全部、暴いてみせる」


こうして、転生魔女・紺野春菜の挑戦は学園の枠を超え、国家規模の陰謀との対決へと進み始めた――。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ