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魔術創世記  作者: 雨照
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第二話 鋭い石

今日も1人で森に狩りに出向いた。

村には狩人が5人いるが、同時に森に入ることは滅多にない。

魔物が村に来てしまうこともあるから、森に入るのは2人。

それも基本的には別々の方向に向かうのが暗黙のルールだ。

そうすることで村に向かってくる魔物を早期に見つける事が出来るからだ。

あとの3人は村の周りを索敵したり、武器の手入れをしたりという感じだ。

森に入って狙う獲物はワイルドボア、鹿、ウェアウルフ、野鳥などだ。

と言っても俺は弓の腕はダメダメなんで野鳥は狙えない。

ウェアウルフも群れでいるのが普通なので、狙う時は罠を設置したり、囲い込みをするためにみんなで準備して行く事が普通だ。

だから必然的にワイルドボアと鹿がメインの獲物になるってわけだ。

ワイルドボアは身体の大きさもあって、食料としても毛皮としてもとても重宝される。

あとは薬草やキノコなんかも取る。

森にはキラービーやゴブリンなんかもいるので注意しながら獲物を探していく。

鹿も悪くないが出来ればワイルドボアを仕留めたいところだ。

注意深く足跡を探しながら森の中を進んでいく。

いた!ワイルドボアをみつけた。

いつもより少し奥まで進んでしまったが無事ワイルドボアを見つける事が出来た。

俺は慎重にワイルドボアの風下に回り込み、攻撃タイミングを見計らっていた。

息を潜めてゆっくりと距離を詰め、あと少しのところまできた。

今だ!俺は一足飛びにワイルドボアの首を狙って剣を振り下ろした。

予定通りにワイルドボアを仕留めることが出来た。

その直後にゴブリン三体が襲ってきた。

コイツら俺がワイルドボアを仕留めまで隠れてたのか?!

ワイルドボアを見つけて周りに対する注意が散漫になっていたようだ。

相変わらずの運のなさと自分のダメさ加減には呆れるばかりだ。

俺は慌てて剣を構えるが、三方向には流石に対応できない。

右手で剣を横凪に振り、近くにいたゴブリンをもう一体に向けて押し飛ばす。

3匹目のゴブリンの攻撃を左手で受けるためにしっかりと伸ばして突き出す。

俺の身体の中を不思議な力が駆け巡り、左手からその力が発射された。

左手の掌から出た力は鋭い石となって飛び出してゴブリンの頭を貫いた。

この前の見えない壁と同じだ。

俺はやはり魔物の力を使えるようになってしまっているんだ。

何とかゴブリンを退ける事はできたが、魔物の力…

これはかなり気を付けておかないと村の誰かに知られたら大問題だ。

そんな事を考えながらゴブリンの死骸を穴に落として、その上からワイルドボアの血を抜き火をつける。

こうすることで血の匂いを隠して魔物が集まるのを防ぐんだ。

また別の魔物に襲われないように注意しつつ、ワイルドボアを担いで村まで戻った。

前回の失敗もあって、あまり期待されてなかったようだが…

「モージ!ワイルドボアを仕留めるとはやるじゃないか!」

成果を見せれば見事な手のひら返しで、みんな喜んでくれる。

こらからもこの生活を守るためにも魔物の力のことは誰にも見つからないように気を引き締めていこう。

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