毒!? 2
「あの方でしか治せんのか?」
「ええ、この毒を解毒できるのは、あの方しか私は知りません」
(あの方……? 誰だろう。なんで誰も名前を言わないんだろう?)
「あの方って、誰なの? お母様」
そうお母様に聞けば、お母様はあからさまに動揺した。そして、お父様と目を見合わせると、やっと答えてくれた。
「あの方はね……、風芽様よ」
(はぅえ? わ、わたし?)
でも、私は前世を思い出したことを言っていないので、あえて知らないふりをする。
「風芽様って?」
すると、お母様とお父様は明らかにホッとした。
(…? さっきといい、今といい、風芽を出すと、お母様とお父様の様子がおかしい……?)
何か、私が前世を思い出せなかった理由に関係しているのだろうか。
その考えは医者の声によって中断された。
「あの方の弟方も凄い人でした。あの方のように、魔法で毒を解毒することはできませんでしたが、自分で回復することできました」
それって、風牙のことだよね?
ユウタにも回復力があるはずなのだけれど、ユウタはまだ前世を思い出したように見えないから、自己回復すると期待するよりも、私が解毒するほうがいいだろう。
遅筆ですみません!




