寄り道
今は午後の二時。
昼ご飯は何も食べていなかったから、少し………結構遅くなったけど、ご飯を食べようと思う。
そう思って、私はそのまま家に向かわず寄り道することにした。
流石と言うべきなのか、当たり前と言うべきなのか、神界の首都に当たるこの場所は色んな店があり、人が盛んで、とても賑わっていた。
やっぱり、管理が良いのだろうな。
ならば、この場所はどの家系の管理の所に当たるのだろうか。
神界の首都━━つまり、神一族が住んでいる所で、そこからだんだんと一つ一つ小さい首都になって行く。神界の重要な場所を古参の家来のチェーロ家系とソラーロ家系に管理を任されている。違う首都は神一族が選んだ人の中からでも国民に選ばされる人を貴族としてが管理している。
その家系に生まれたからと言って必ず家系を継ぐということではなく、その家系が気に入った有能な者を養子に取ったり、継いでもらったりする。
だから、私も自由に生活している。学院に通わない?と聞かされた事もあったがそれはただ単にちょっとめんどくさかったから、断わった。図書館に行きたかっただけだけど……。
◇◇◇◇◇◇
「……感じたか?」
「うん。なんとなく、視線のようなものを……」
シドとゆきはごく自然に、互いの目を見て頷き合った。確信はない。けれど、長年の経験と、精霊としての本能が告げていた。
「そこに──何かがいる」
言葉と同時に、二人は静かに、だが鋭く死角へと攻撃魔法を放った。シドは図書館の守り神のような精霊だから本を傷つける心配はない。
魔力が空気を裂き、鈍い音とともに何かが動く気配がした。
そして、死角から飛び出すように姿を現したのは、燃えるような赤髪の人物だった。




