ななの居場所
シドとゆきについて行くと、ある棚で止まりその前にはなながいた。
「なな?!」
こんなにすぐ見つけられるとは思わずびっくりした声でななの名前を呼ぶ。
それに驚いたのか、ななはビクッと体を震わせ、本棚に思い切り体をぶつけた。
ゴンッと鈍い音が辺りに響く。
「………」
「………」
辺りはシーンと静まった。
へっ…?え……?ま、まて…い、いま……な、なにがおきた……?
本が何冊衝撃によって落ちかけている本をシドとゆきが魔法で止めるのが見えた。
はっと我に返る。
「なな!?大丈夫!?」
慌てて地面に座り込んだななに駆け寄るとななは
「いたたたた……。はあ、久しぶりに転んだ…」
「……えっと、それは転んだと言えるのだろうか……」
「まあまあまあ……そんな事は今いいだよ」
ななの言葉に思わずつこんでしまう。それを聞いたななは……気にしないでと言うようにごまかした。
「痛い所はない?」
そんな訳ないでしょ……とシド、ゆき、ななに飽きられて見られているような……………。
「って血出てるじゃん……やばい…」
ななの足から一筋の血が流れた。
見ているこっちが痛々しい。
「かすり傷ですよ」
ななはそんな事を言うが絶対に痛い。
急いで治癒魔法で怪我の場所を主に手を当てながら、体全体にも魔法が届くようにする。
「ありがとうございます。お嬢様って、魔法上手ですよね……学園にも行っていないし、習った事も無かったですよね………」
「そうかなぁ、魔法が上手なんて言われた事ないしな…」
「そうなんですか?」
まるで信じられないものを聞いたようにななは驚いた顔をしていた。
「じ、じゃあ、魔法はどっかで習いましたっけ?」
「ううん。習ってない。って言っても習った事が無いな」
「え、えー……。ど、どうやって魔法が使えるんですか?」
まるで、聞くのが怖いとでも言うように恐る恐るななが聞いた。
「えっと、普通に本を読んで真似したら出来たんだよね」