図書館の秘密3
現れたのは、雪のように白い肌をした女の子だった。
「ゆきっ!」
「えっ!?風芽様!?本物?」
「うん。元気だった?」
「はいっ。元気でしたっ」
「ふふ」ゆきの元気そうな姿を見るとつい微笑んでしまう。
「ていうか、なんでゆきを呼ばなかったの?シドっ!」
「ごめんごめん、忘れた」
「絶対違うでしょ!風芽様と一緒に居たかっただけでしょ?」
「バレたか…」
「ずるいっ!ゆきだって風芽様と一緒に居たかったのにっ……!」
こうやって見ると二人は兄妹のように見える。
「まあまあ、次一緒に喋ろう?」
「絶対ですよっ!風芽様」
「うん…!一緒に喋ろうね!」
可愛いな……。
「シドはもういいとして、それにしても何で風芽様はゆきを呼ばなかったの?」
「ごめんね。忙しいんじゃないかと思って」
「大丈夫ですよ。風芽様に呼ばれたのなら、死にかけている時も行きますから」
冗談に聞こえない……。
「だめだよ。ゆきが死にかけているのなら、私が行くから」
「本当ですかっ?じゃあ安心して死ねます!」
「死んじゃだめだよ、ゆき。私が寂しいから」
「じゃあゆきは死にません!」
そこでこれまで黙って会話を聞いていたシドは口を開いた。
「風芽様、こいつの会話に合わせなくて良いですよ」
「えっと…」
「は?シドは黙っててよ。せっかく風芽様と話してたのに!」
「黙って聞いてりゃ、死にかけている時も風芽様の所に行くって?こっちだってムチを打ってでも行くし?」
「まあまあ」
いよいよ険悪になっていた二人を仲裁する。
私に止められた二人はしぶしぶ止めた。「よしよし」と二人の頭を撫でる。
あれ……?もしかして………
「ゆき、もしかして…背伸びた…?」
「えっ?分かる?ゆきが背伸びたって分かる?」
「うん。だって前会った時には可愛かったのに……今も可愛いけどね?何かもっと美少女っていうか、美しくなったな〜って思って」
ゆきはこれまで見た事が無いぐらいのキラキラした目で私を見つめた。
「風芽様ぁ!大好きです!!」
と言いながら私に飛び込んで来た。
おっとと、となりながらもゆきを受け止める。