図書館の秘密2
シドは何かを思い出したように口を開いた。
「そういえば、風芽様は人間になるはずでは……?だから、しばらく会うことはないと思っていたのに……何故神界で?」
「そうなんだよ。聞いてよシド〜」
私は、記憶が戻ったこと。何故か人界と神界の一周ずつの人生のはずが神界が二周目になっていると言うこと。そして、家族の繋がりを弟としか感じないことを説明した。
「なるほど……。それで、今日は図書館に来たのですね」
「そうなんだよ。シドは何か聞いたり、見たりしてない?」
「…今の所はないですと思います……。風芽様の役に立てず申し訳ありません……」
「ううん。大丈夫だよ。こちらもごめんね……。シドを巻き込んで………」
それは本心だった。自分のことでシドを━━いや、他の人を巻き込む事は絶対に嫌だった。それは風芽の時に、ある事件で友達を巻き込んで怪我させたことがトラウマになっているかもしれない。
「いえ。風芽様の役に立てるのなら喜んで巻き込まれますよ。何故なら、俺たちは風芽様に見つけてもらい、そして名前も付けてもらったのですから」
「ありがとう……。と言っても勝手に私が名前を付けたのに礼をもらっていいのだろうか……」
「風芽様に見つけてもらったので、力も増えたんです。」
「そっか、それならよかった」
一般的に、精霊に名前を付けるということは、契約を交わすことになるらしい……。でも、シドが嫌がっていないなら、それでいいんだ。
そう考えながら、私は少し安心した。
すると、背後から声がした。
「シド…誰と話しているの?」
「噂をすれば……」




