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狂ってしまった歯車  作者: elly
思い出した前世
1/11

記憶1

 「え?お母さん、お父さんどうしてここにいるの?」


 私━━愛莉の口からこぼれた声は周りに響いただけで、二人はそのまま歩いて行った。

 …あれ?今、私なんで知らない人をお母さん、お父さんと呼んだんだろう?


「・・・」


 ううん、完全に知らない人じゃなくて…大切で知っている気がする…。


「……っ」

「なに…これ…」


 突然、意識だけが見ているように、目の前には、知らない女の子とその弟みたいな男の子がこの二人と一緒に、楽しく食卓を囲んでご飯を食べているのが頭の中に流れてきた。この二人はこの子たちの親かもしれない!

 なぜか、自然と思うことが出来た。


 あ!あの二人が行ってしまう。早く追いかけなきゃいけない、とそんな気がして、慌てて追いかけようとした。気付けば見慣れている天井があった。


 さっきの夢はなんだたんだろう?

 改めて自分の部屋の中を見てみた。そこには、いつも通り、広い部屋にソファや鏡、クローゼットが置いてあって、いかにもこの神界の王様…いや、簡単に言えば天国の神様を守る家系らしい豪華な部屋だった。


ズキッ

「……っ」


 思わずの頭痛に、頭を手で抑えた。

 頭の中は色々な知らない思い出や情報であふれていて、ぽっかりと空いていた記憶の隙間を順番に埋めていくようだった。


「これは…、今までの記憶?」

ボソっと呟いたときだった


バダン

「愛莉(姉ちゃん)」

と大きな音を立ってて開かれるドアと一緒に私を呼ぶ声が聞こえ、共に弟のユウタ、お母さんの莉乃、お父さんのユウトが青ざめたように私の部屋に入って来た。


「ユウタ?お母さん、お父さん、どうしたの?」


 私はどうしてそんなに三人が慌てて入って来たのがわからず、いつも通りに聞いてみた。

 それを見た三人は、私を見てほっとしていて、私はもっとわからなくなった。


「い、いや、別に用事があるわけではないのだが、夢をみて…」

「夢を?」

「ああ、夢の中で愛莉が魔物のようなものに襲われていて、起きたんだ。そしたら、お母さんも同じ時に起きて話したんだ、夢の中で起こったことを」


 一体どうしたと言うのだろう?


「うん。それでどうしたの?」

「それで、お母さんも全く同じ夢をみたって言うから…。嫌な予感がして、二人で愛莉の部屋に行こう!ってなったんだ」

「たまたまじゃないの?お父さん━━」

「愛莉!なんでそんな呑気なの!?実は僕も見たんだよ!だから、愛莉ねぇの部屋に行こうとして、お父さん、お母さんに会ったんだよ!」

「そうよ!愛莉、もうちょっと緊張感を持ちなさいね」

「はーい、分かったよ。お母さん」


 つまり、三人とも同じ夢を見て、それが悪夢だったから来たと言うことかな?でも……


「━━でも、この通り大丈夫だよ!心配してくれてありがとう!」


 三人とも私の言葉で安心したのか、


「そうね、大丈夫そうだし、おやすみなさい」

「そうだな。ゆっくり休んでな、愛莉」

「愛莉、おやすみ。」

「おやすみなさい」



 ━━この夢の内容が何を表しているか、私は考えもしなかった



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― 新着の感想 ―
ファンタジーみたいな感じですごい面白いです!これからどうなるのか楽しみです。文中の表現が分かりやすくてスっと頭に入ってきます弟(ユウタくん)に(名前)ねぇとか呼ばれてみたい
2025/05/01 20:56 なみなみ模様
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