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第七魔眼の契約者  作者: 文月 ヒロ
第二章光と叡智交錯する魔の祭典
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第44話・猫耳少女の再会

 少女の猫耳は、(つや)やかな栗色のショートボブの上に生えていた。

 そう、悟は少し離れた席にて座る猫真(ねこま)緋嶺(あかね)を見つけたのだ。

 思わぬ出来事に驚いたのか、彼女の緋色の瞳はこちらを見つめたまま動かず、代わりに唇が動く。


「何だ、生きてたんですね」


「死人だとか思われてたのが心外だ!」


 久しぶりの会話で、第一声がそれだった。


「冗談です、生きているのはちゃんと知ってましたから」


 そう言って、緋嶺は茶目っ気のある台詞とは裏腹の微笑を浮かべる。

 悟は毒気を抜かれ、ぽかんとした表情のまま返す言葉を失った。


「――っと、すみません、お邪魔でしたね。それと、あとで時間ありますか先輩?少しお話が……」


「ぁあ……どう、だろ。ちょっと、今日は忙しい、と思う」


「そうですか、ではまた今度」


「おう」と気の抜けた返事を返す悟を置き去りに、緋嶺は空になった食器を両手に席を立つ。

 そうして、瞳達に軽く会釈するとその場を去って行った。



「悟、ちょっといいか?」


「ん?」


「ん?じゃねぇよッ。なんッ、何だあの女子……!」


「何って……猫真緋嶺、俺等の後輩だよ。そういや、結構有名な【魔術師】の家系だとか言ってたなぁ琴梨先生」


 徹に尋ねられ、悟は答えた。

 もっとも、当の本人には「マ、マジかよお前、猫真の【魔術師】と話してよく生きてたな……」と返されたが。

 いや、周り見れば、操紗や小雪も似たような反応だ。


 悟は大きく溜息を零した。


「別に悪い奴じゃねぇよ、悪戯癖はあるけどな。【魔術師】の中じゃ礼儀正しい方だし、位階じゃ瞳のが上だろうが。それに、落第にならなかったのはあいつのお陰だしな」





文月です。

お陰様で、本作のPV(ページビュー)が1万を突破しました!

第二章は、完結保証は難しいですが、モチベーションの続く限り書こうと思いますので、皆様がお楽しみいただけるよう頑張ります。


なお、連続投稿はもう少し続きます。


《完了》


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