恋愛経験0が恋愛小説を書いたら これを読めば数学が好きになる!!!
校門から昇降口まで1本道の100メートルある。端から端まで5メートル間に桜が咲いている。
【問1】
桜は何本生えているでしょう。
僕は中学校1年生の時に部活動見学で恋をした。中学からの友達と一緒に陸上部の朝練の見学に行った。
「なあ、中学は陸上だったし高校は他の部活にしない。」
友達が僕に話しかけてくる。僕自身も特に希望がなかったため陸上部から離れようとする。
よーい、パンッ!!!
陸上部からそれていた意識がピストル音で無理矢理戻される。僕の目の前にはハードルを跳び越える、一人の少女がいた。
「きれいな跳躍だ。」
ハードルの上スレスレを跳ぶ姿に、僕は目を奪われた。僕が目にする少女は依然トップを走る。後ろとの間を僅かに僅かに広げていく。第三障害物を越え、水濠に入る。ジャンプをし、着水する時に水飛沫があがる。水飛沫に日光が射しキラキラと光る。少女の周りを舞う光に僕は見惚れた。
僕は少女に恋をした。
当然トップでゴールする少女、こちらを見て微笑んだように見えた。
「ごめん、僕陸上部に入る。」
僕は少女から目を離さないまま友達に告げた。
僕は彼女のもっと近くにいたい。彼女をもっと近くで見ていたい。
「勝手にしろ。」
右肩に少し強めにこぶしを当てた。
―――
「一時間目なに。」
「数学だよ。」
「まじ、サイアク。」
授業が始まる前の休憩時間に会話が飛び交う。いつの世も数学とは忌み嫌らわれる。好きなものと、嫌いなものでは嫌いなものの方が多い。
「低能どもが数字の良さが何故わからん。どうせ、公式も暗記もせずにペンをとり試験に向かったんだろう。そして、解くこともできず逆恨みし数学嫌いになったんだろ。」
僕は数学が好きだ。どの教科よりも。
主人公の心情をよみとれや作者の気持ちをよみとれという国語
目で見たものでもないのに文章に書いてあるから真実だと言われる社会
実験はいつも正確になるとは限らない理科
英語は... 苦手だから考える余地もなし
数学は答えが定まっている。そして、僕は四色定理を初めて知ったとき脳汁が分泌された。
【問2】
日本地図を塗り分ける際、隣り合う都道府県を違う色にするには何色必要でしょう。
「この問題は何でしょう。わかる人、前に来て解いてください。」
誰も手を挙げようとしない。僕は手を挙げ、前に向かった。
「こんな問題も即答できないのか。無能共め。」
僕は聞こえないレベルでボソッと呟いた。僕は解いた後どや顔をしながら席に戻る。
「なにあいつムカつくんだけど。」
「本当に、ムカつく。解けただけで。」
先程授業が始まる前声をあげていた女子二人組が授業中にも関わらず僕に向かって大声で文句を言ってくる。
小鳥、いやアフリカハゲコウのさえずりなんてどうでもいいや。
答えはもちろん正解だった。僕は先生からの称賛を受けながら授業を終えるチャイムを聞いた。
「やっぱり、すげえな。今度数学を教えてくれよ。今日の内容一個もわからん。」
一緒に陸上部を見に行った友達が話しかけてくる。
「ああ任せろ、テストで九割はとれるようにするさ。その代わり社会系は任せたぞ。」
僕と友達は笑いながら肩を組んだ。
時間は過ぎ、放課後になる。僕は陸上部が部活を終了するのを待った。僕が陸上部に入ったのは情報のため。部活が何時に終わるか、先輩がその後自主練をすることを、先輩が何時までどこで自主練をするかを。
「情報は簡単に集まった、今夜決行だな...」
僕はニヤリと笑って、公園へと歩いた。
公園の真ん中にため池があり外周1キロメートルある。そして、その公園には一本松があることも。一本松の目の前で告白をすると成功できる。しかし、走る二人でないといけない。中学の時、陸上部で聞いた話だ。陸上部らしい条件だと僕は思った。成功率が100パーセントのため試すことにした。
「さて始めようか。」
僕は公園の周りを一定速度で走った。
半周もする必要もないただ情報と計算通りに動けば完璧だ。
そして木の前に差し掛かったとき、ちょうど陸上部の先輩が来る。
「先輩、好きです。一目ぼれです。」
「私もあなたが好き。私も一目ぼれしたの。」
僕は一本松の効果にあやかり、告白を成功させた。
旅人算...僕が一番欲しい情報は先輩の走る速度だ。それさえわかれば後は僕の走るスピードと走り始める時間を逆算すればいい。
「やっぱり、数学は最高だな!!!」
【問1】
桜は何本生えているでしょう。
答え、21本。植木算です。
【問2】
日本地図を塗り分ける際、隣り合う都道府県を違う色にするには何色必要でしょう。
答え、4色。私が一番好きな三次元映画で出てきた四色定理です。実際に塗り分けてみましたが成功しました。
友達の「恋愛経験0が恋愛小説を書いたら面白いんじゃね。」の言葉で書いてみました。
ついでにですがタイトル(前半分)以外は全部フィクションです。そう、タイトルの前半分以外はね!