プロローグ
ちょっと変わった異世界ファンタジーもの
3/26セリフ部分読みづらいので改行しました
僕の名前は桐原ゆうき。中学を卒業したばかりの僕は、高校入学の日を夢見ながら毎日を過ごしている。進路は親と相談した結果、進学を選んだ。
将来を決められなかったのが本音だ。
最近は受験にも無事合格し、暇な時間をどうつぶすかを考えて過ごしている。
普段からあまり外に出ない僕は、本に没頭した。勉強は好きではないけれど、空想の物語が書いてある本は大好きになった。
夢中になって読みふけっていると、一日食事を忘れている事だってあった。
ある日、近所の図書館に行った時、僕はその本に出会った。
その日は、夏なのに涼しく、これが冷夏なら、異常気象さまさまだな、なんて思ってしまう。
「いつもこのくらい涼しければいいのに」
僕は一人こぼしながら、図書館に入った。いつもなら、汗だくで入り、空調に感謝しながら一息つくのだけど……。
「さすがに冷房は、少し……寒いかな」
半袖からむき出しの両腕をさすりながら、僕は奥の本棚へ向かった。『空想・ファンタジー』と掲げられたコーナーへ足早に移動する。
「これがいいかな」
背表紙を流し見て、パッと、一冊の本を手に取る。
そのまま、適当に開いている席に座り、本を広げた。
「何だ、これ?」
中身は、絵本のようだった。表紙を確認してタイトルを見た。
「なにも書かれていない?」
作者名もなく、裏に説明もない。とりあえず、本を開いて読み進めてみた。読む、というより、見るといったほうが正しいが……。
僕は、しばらくして意識を失った。