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月の綺麗なこんな夜に  作者: 本の樹
第5章
28/39

決意 (2)

来週からまた更新が更に鈍くなりますm(__)m

でも頑張りますのでご愛読お願いします^^;

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


商品を勧める商人の声、艶めかしく男を誘う売女、木箱の上に立ち何かを叫ぶ男、道行く人々の喧騒、それらが合わさり一つの協奏曲となって耳に届く。


「ようやく着いたな‥。」

結城達5人は騎士達から逃げ出して数時が経過した頃、カタストル城のある街ガリナに到着した。

街は活気に溢れ、これまでの村などには無い都会の空気を結城は感じていた。


「城はこの通りの先にある、約束をしているわけでも無いし、少しこの辺りを見て回りながら行こうか。」

「セレーネ‥その前にやる事あるよね‥‥。」

結城は困惑の眼差しでセレーネを見る、セレーネと結城は砦を出てから着替える暇も無く逃げていた。

だからセレーネの服は血濡れた寝巻きのままであり、結城の服も血濡れていた、そう‥今2人はとてつもなく目立っていた。


「‥‥そうだな、まずは服屋を探そうか。」

セレーネは結城の視線の先を見て、今どれだけ目立っているかを理解した。


「服屋ならいい場所を知ってるぜ、2人ともついて来な!」

エヴァンは自慢げにそう言うと、大通りを先頭に立って歩き出した、気分良さげに歩く様はまるで子供のようである。


少し歩くとエヴァンは少し大きめの店の前で止まった、ショーウィンドウも何も無く、ただ店名の書かれた看板が揺れるだけで、パッと見て店とは気づきにくいものであった。


「失礼するぜ〜。」

慣れた様に店に入って行くエヴァンを見るに、何度も来ているようだ。


チリンチリン

店内には所狭しと見た事の無い服が掛けられた普通の服屋であるが、店内には店員の1人も居なかった。

ドアに付けられた鈴が鳴ると、店の奥からドタバタと急いで若い女性が現れた、背が高く鋭い眼差しと綺麗な顔立ちが、脚にぴったりと合ったズボンに、胸の部分が開いた形の赤い服と合わさり、異様な雰囲気を醸し出していた。


「お客さんかい!?何だ‥エヴァンじゃないか、結婚なら何度も言うがお断りだよ。」

まるでまた来たよと言わんばかりに、腕を組んで溜息を吐いた。

この女性、日本産まれの結城から見ても奇抜なデザインである、この世界ではもはや言うまでも無いだろう。


「まぁそう言うなよトスカ、俺は心からお前の事を愛してんだぜ?それより今回はこの2人に合う服を頼みたいんだが?」

エヴァンは慣れたように一息にこの店の店長と思われる女性‥トスカに愛を告白すると、漸くセレーネ達の方を視線で見ながら服の話に入った。


「‥‥‥‥2人とも素材はいいんだけどね、その服‥‥何かあったのかい?」

「これは‥‥」

「トスカちゃんそこは聞いちゃいかんよ、途中で山賊に襲われていたのを俺が助けた時についちまったんだよ。」

セレーネが何と説明するか迷っていると、それを妨げるように話し出したエヴァンは、流れるように嘘をつき、凄いだろ!と言いたげにグッとポーズをとった。


「山賊に襲われたのかい!?よく無事だったね?エヴァンは役に立たなかっただろう?大変だったね?」

「え‥‥あ‥‥まぁ‥‥はい?」

一気にまくし立てられ、どう返したらいいのか分からないセレーネには、返事をする事しか出来なかった。


「所でそっちの娘は見た事無い服を着ているね?ちょっとお姉さんとあっち行こうか?」

「エッ、俺!?ちょっ‥‥まっ‥‥。」

トスカは店の奥を指差すとズルズルと結城を引きずって行ってしまった。


「また始まったよ、セレーネすまんが結城はしばらく帰って来ないだろうからこの辺りの服でも見ていな。」

どうやらあのトスカと言う女性はこんな事が良くあるらしい、仕方なくセレーネは適当に服をとって見てみた。


(これは‥奇抜な服だな‥‥王都でも見た事が無い。)

この店の服は前衛的で個性的で奇抜な物が多く、セレーネは暫く興味深くそれらの服を見ていた。


「キャー!何これ凄い!服が開け閉め出来る!?」

「その前にズボン返せー!」

「キャー!このズボンも何て正確に縫われているのー!」

「エヴァーーンこいつどうにかしろーー!」

「あれ?そのパンツの柄凄く細かいねぇ?ちょっと見せておくれ!」

「エヴァーーーーーーン!?」


「安らかに眠れ結城‥‥。」

エヴァンが祈り出すと店の奥は静かになった、どうやら終わったらしい。


ドタドタドタドタ

「ちょっとエヴァン!あの娘どこの国の出身だい!?こんな凄い服初めて見たよ⁉︎」

頬を赤くしながら勢いよく飛び出して来たトスカは、結城の着ていた服達を握りしめながらエヴァンに詰め寄った。


「ん?そう言えばセレーネ、結城の出身は何処なんだ?」

「結城はニホンと言う国の出身らしい、帰り道がわからないみたいなのだがエヴァンは知らないか?」

「ニホンか‥‥聞いたことの無い名前だな?」

「確かに聞いたことないねぇ?」

やはり聞き覚えは無いらしく、エヴァンとトスカは揃って首を傾げた。


「話し込んで無いで服返せー!」

店の奥から結城の声が聞こえる、トスカの手にある服が結城に返されるのはもっと後になるだろう、セレーネはそう確信して品物の中から比較的まともな服を持って店の奥へと入って行った。





「みんな遅いっすね〜。」

「そうっすね〜。」

その間もザブとゴブは店の前で暇そうに座り込んでいたらしい。

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