旅は道連れ (番外編)
書きだめの仕方を練習中です。
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俺の名前はエヴァン、今は山賊をしている。
今はと言うのは昔は盗賊をしていたからだ、だが数日前に都から派遣された騎士団に不意を突かれ盗賊団は壊滅。
生き残りは散り散りになり、昔は幹部の1人を担っていた俺も今ではアホな部下2人を持つだけだ。
この2人は幹部時代に拾った奴らで、名前は確かザブとゴブだった筈だ。この2人は適当に仕事を手伝わせてわきまえをやったら懐かれてしまい、それ以来適当に小間使いのような事をやらせている。
騎士団から逃げて国外に逃亡しようと思っていたが、最近この辺りは騎士団が蔓延っていて、逃げるに逃げられずこの山脈で山賊をやって凌いでいた。
この辺りは関所を通れない密輸入をする商人や、国外から不法入国をしてきた奴らが通りやすく、脅して金を奪っていた、金は取れるし騎士団の連中も気付かない、まさに一石二鳥ってやつだ。
金を奪うだけで殺さないのは、盗賊団の暗黙の掟に人を殺さないと言うものがあり、今もそれを守っているからだ。
今回の獲物も女2人と少し異質ではあったが所詮は女、適当に脅して金を手に入れる、いつも通りになる筈だった…‥。
夜になるのを待ち、奇襲を掛けて一気に仕掛けて抵抗出来なくさせようと思い、じっとその隙を探していた。
暫くすると帯剣している方が倒れるように眠ってしまった、後は腰に斧を持っている見るからにひょろっとして弱そうな小娘を、背後から襲い縛り上げるだけだった、ただそれだけだったのだ。
女がうつらうつらし始めるのを見計らい、俺たちは背後から近寄って後少しで手が届く、その瞬間だった。
パキンッ
ザブの奴が落ちていた枝を踏み割った音が響く、いつもなら聞こえないような音でもこの静かさなら辺りに響くようだった。
「こんな時間に何のようだ?しかも後ろからこそこそと。」
チッ、やはりばれたか。
しかしこいつ、女にしては随分な言葉使いだ。
だが此方は3人、さらに相手は女、此方が有利である事に変わりはない。
俺は自然とにやけて来る顔を押さえて言葉を返す、それに馬鹿2人が大声で同意を示した。
(クソが!後ろの女まで目を覚ましたらどうする!)
思わず怒鳴りそうになるのを押さえて眠っている女を見ると、まだスヤスヤと眠っていた。
馬鹿共のせいで疲れた俺は、適当に降伏を諭したが女はすぐに抵抗の意思をだす。
そこに痺れを切らしたのか馬鹿2人が女に走り出した!
言いつけを守ってかナイフを持ってない2人は、恐ろしい事に目の前で女1人にのされてしまった!
流れるように2人の拳を躱し地に沈める様に、思わず呆気に取られてしまった、其れが命取りだった。
「‥‥お前‥何者だよ‥‥。」
「か弱い女の子だよ!」
突っ込んできた女に咄嗟にナイフを突き出してしまったが、容易く躱され気が付けば視界がぐるっと回り地面に叩きつけられた。
(女だからと侮った俺が1番馬鹿だったか‥‥‥。)
暗くなっていく意識の中、そんなことを考えながら俺の感覚は暗転した。
エヴァンside end




