旅は道連れ (3)
セレーネside
サワサワ‥サワサワ‥チュン‥‥チュン
樹々を揺らす風の音や鳥の声が聞こえる‥‥。
朝が来たのだろうか、だんだんと浮上してくる意識が、まだ眠り足りないと声を出させる。
「う‥‥うーん‥‥‥ん‥‥。」
耳に優しい音と身体を包む暖かさが、まだ寝ていても良いんだよ、と言っているような感覚にセレーネはもう一度その心地よさに身を任せようとした、そんな時であった。
「アニキ〜、捕まっちゃいました〜〜。」
「俺たちどうなるんすかね〜?」
「まだ死にたく無いっす〜!」
「誰か助けて〜っす!」
「お前ら少しは黙れ。」
セレーネの意識は、聞き慣れない男達の声で一気に浮上した。
「‥!、敵襲!?」
力の入らない身体に喝を入れて素早く起こし警戒の為に周囲を見渡した。
そんなセレーネの視界に入ったのは、木に縛り付けられた、煩そうに顔をしかめるたくましい体つきの男と、その左右に同じく縛り付けられている酷い顔で号泣している2人の男だった。
「‥‥‥‥何があったの?」
起きたばかりの鈍い頭には処理しきれず、思わずそんな言葉を独り言ちたのも無理も無いだろう。
セレーネside END
結城side
「やっと起きたか‥‥。」
あれから寝ずに、ずっと周囲の警戒をしていた結城はうつらうつらとしながら充血した目を瞬きながら、飛び上がるように起きたセレーネを見た。
何があったのか分かっていないセレーネが混乱しているのがよく見てとれる、このまま見ているのも面白いかもしれないが、結城はセレーネに呼びかけた。
「セレーネ、おはよう」
「えっ‥‥、あっ、おはよう。」
漸く現状を理解したのか、セレーネの態度が落ち着いたものに戻る。
「結城、この男達は誰だ?」
「山賊だよ、昨夜襲いかかってきたんだ。」
「何故殺さなかったんだ、生かしておいても邪魔なだけだろう?」
「俺達役に立つっすよ!」
「そうっす!絶対役に立つっす!殺したら後悔するっすよ!」
騒がしく泣き喚いている2人の姿を見ると、確かにこの騒がしさなら、殺した方が良かったように思えてきた。
「お前らそれ以上みっともない姿を見せてんじゃねぇ!」
その姿を見ていたアニキ分の男が怒鳴った、すると先程まで泣き喚いていた2人は、すぐに喚くのを止めグスグスと泣きだした。
「お前らは何者だ?女2人で密輸も有るまいし‥‥、それに昨日やってくれたやつに関してはとても女には思えん。」
アニキ分の男は結城達に鋭い視線をやりながら問いかけた。
「何でお前にそんな事を話さなきゃならないんだ?」
何処から追っ手に情報が流れるか分からない今、下手に自分達の事は話せない。
「そうか‥‥‥、所で何故俺たちを殺さなかったんだ?自分達の事すら言えない奴らなら普通は口封じに殺すだろう?」
満足がいかないような表情をした後に、ふっと思い出したのかアニキ分の男が頭をかしげながら此方に問いかける。
酷く間抜けな話であるが話すしか無いだろう。
「山の下までの道を教えて貰いたい。」




