目覚め(2)
気がつけば、俺は森の中で倒れ込むように眠っていた。
体の下に生えている草花の感覚‥‥
身体を包み込む暖かとした空気‥‥
辺りに響く何処かで鳴く鳥の声‥‥
半分寝ぼけた頭で辺りの状況を確認して、ここがさっきまでいた道で無いのは分かった。
いろいろと考えることはあったが、今は少しでも此の気持ちの良い場所を堪能していたかった、俺はまたゆっくりと意識を森の中に沈めていった‥‥‥。
?サイド
状況は最悪だ、追っては撒いたが、まだ森の中を探し周っているだろう。
見つかったら、疲れ切った私ではもう二人三人しか倒せないだろう。
‥‥‥‥その時はその時だ、少しでも多く道連れにしてやろう。
まさか私の最後がこんな森の中で朽ち果てることになるなんてな、‥‥今は少しでも体力を回復出来るように隠れる場所を探そう。
安全な場所を探して森の中を歩いて行くと開けた場所に着いた。
うっそうとした森は姿を変え、色彩豊かな花が風に揺れさわさわと波うっていた。
「こんな時でなければ少し休んで行くところだが、今は時間が無いな。」
私は花たちに目をやりながらも、真っ直ぐ花畑を過ぎようとした。
花畑を歩き出した直後気づいた。
(囲まれたか‥‥。)
気配が辺りを囲みゆっくりとその輪を縮めようとしていた。