変化そして慣れ (2)
セレーネが主人公を結城と呼ぶのはファーストネームが渡会だと勘違いしているからです、そのうちに指摘するでしょう。
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疲れているのもありすぐに眠りについた2人だったが、翌朝辺りには嘆きの声が響き渡った。
「何で女に戻っているんだぁぁ!」
朝目が覚めて自分の姿を確認した結城は、また女に戻っている事に気付いた。
「朝から元気だな、どうしたんだ?」
結城の絶叫に目を覚ましたセレーネが視線をやりながら結城に問いかける。
そこには地面に崩れ落ちている結城がいた。
「目が覚めたら女に戻っていたんだよ!」
それを聞いたセレーネは首を傾げた。
「そんな簡単に性別が変わるとはなかなか面白いな‥‥。」
「俺は面白くない!断じて面白くない!」
結城は更に崩れ落ちながら叫ぶが現実は変わらず姿は女のままである。
「まぁそんな事より、喉も渇いたし水場でも探そうか。」
そう言って立ち上がったセレーネは何処かへと歩き出した。
「セレーネにはそんな事何だな‥‥‥。」
落ち込みながらも立ち上がった結城は少しどんよりとしながらも、急いでセレーネの後を追った。
森の中で道無き道を歩く2人、しばらく歩くとセレーネが嬉しそうに笑いながら前を指差した。
「あれはレーヌじゃないか!こんなとこになっているなんて運が良いな!」
「レーヌ?それって珍しいのか?」
そう言いながら結城は前方に見える紫色の丸い木の実を見た。
「10個で銀貨1枚程度だが自生しているのは珍しいのだ。」
そう言いながらセレーネは木になっている手のひらくらいの大きさのレーヌをもいで、鞘から少し剣を抜いてレーヌを半分に切った。
「味は食べてみればわかる!昔はよく食べていたものだったよ。」
そう言ってレーヌの半分を渡してきた。
最初は紫色で心配だったが中は綺麗な乳白色をしていて思ったよりも硬く感じた。
セレーネの真似をして普通に齧りつくとシャクシャクとした歯ごたえと共に口の中に果汁があふれた、味はほんのりと甘くさっぱりとしていた。
「これかなり美味いな!喉も渇いていたし丁度良かったよ。」
あっと言う間に食べ尽くした2人は競うようにレーヌを取り出した。
それらを食べれるだけ食べた2人はポケットの中にまで持てるだけ木の実を詰め込みその場を後にした。
「ところでこの世界では通貨はどうなっているんだ?」
さっきのレーヌの価値を聞いた時から気になっていた事を結城は訊いてみた。
「そうかお前は知らないんだったな‥‥‥、歩きながら説明して行こう。」
セレーネが言うにはこの世界では銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨が通貨となっており、銅貨の10倍の価値が大銅貨にあり大銅貨の10倍の価値が銀貨にあるというように価値は10倍ずつ上がっていくようだ。
普通の1食の食費が大体銀貨1枚程度であるらしい、日本でいう1000円くらいだろうか?
そんなことを聞きながら歩いているうちにそれなりに時間がたったようだ、気がつけば陽は真上まで登っていた。




