生きる覚悟 殺す覚悟 (4)
セレーネから聞いた内容を頭の中で整理した。
つまり、ここは異世界であり今俺は内乱に巻き込まれている。
セレーネの両親を助けられたら、王の力で元の世界に帰る方法を探してくれるだろう‥‥‥、しかし失敗したらセレーネ諸共俺も処刑されるだろう‥‥‥。
(これは失敗だったかなぁ‥‥。)
考えにふけっていると、そろそろ良いと判断したのだろうかタリス公が言った。
「姫様、部屋の用意はしてありますので、どうぞお休み下さい、ご友人様のお部屋も用意してあります。」
「そうだなそうさせて貰おう、では今日はこれで失礼する。」
そう言ってセレーネは使用人に連れられて行った。
「私も失礼します、今日は本当にありがとうございました。」
慣れない敬語を使ってお礼を言った俺は、すぐにセレーネの後を追った。
その姿をタリス公は黙ったままじっと見つめていた。
すぐにセレーネに追い付いた俺はセレーネに尋ねた。
「セレーネ、明日からどうするんだ?」
「ひとまずはほとぼりが冷めるまでここで匿ってもらう、その間に父上と母上を救う為の戦力を増やす。」
「そうか‥‥分かった、‥‥この世界に来たばかりで何も知らない俺にいろいろ教えてくれてありがとうな。」
「‥‥何‥気にするな、私こそお前に助けられたのだ、代わりと言っては何だが明日お前の世界の事を教えてはくれないか?」
「そんなことならお安い御用だ。」
「フフッ、楽しみにしてるぞ。」
話し込んでいて気づかなかったが、部屋に着いたようだ。
「お休み。」
セレーネはドアを開けて言った。
「ああ、お休み。」
そう言って俺はドアが閉まるのを確認して向かいの部屋に入った。
部屋の中は暗く使用人に渡された燭台が無ければ足元も見えなかっただろう。
部屋は思ったより広く、床は豪華な絨毯が敷き詰められている、壁際には調度品が飾られており、おいそれと近寄ることも壊してしまいそうで危なく感じられた。
部屋の奥にはベッドとバルコニーが見えた、近寄ってみればベッドは天蓋付きの豪奢なつくりになっており、1人で寝るには広さもありここで寝るのは少し難儀な気がした。
外でも見ようとバルコニーに行くと空はまだ曇っており辺りは暗くより見えなかった、下を見ると砦を囲む堀が広がっており、長く見ていると飲み込まれそうな感覚に陥った俺は部屋に戻り、使用人から取り返した自分の服に着替えた。
「やっと落ち着いたよ、いくら女の身体だからって女装は落ち着かないからな。」
そんなことを1人ごちながら俺は布団に入った。
(今日はいろいろありすぎたな、突然異世界に来たと思ったら突然襲われたり、内乱に巻き込まれたり、‥‥‥目が覚めたら夢オチだったらいいな。)
そんなことを考えながら俺は眠りについた。
‥‥ガチャ、‥‥‥スタッ‥‥スタッ‥‥スタッ‥‥スタッ‥‥
(んっ?こんな時間に誰だ?)
部屋の開いた音で目が覚めた俺はそっと頭を上げた。
するとそこには、昼間セレーネを追いかけていた騎士が燭台を持って此方に向かって来ていた。
「チッ、目が覚めたか、まぁ良いこんな女始末する位寝てようが起きていようが変わらんだろう。」
「お前どうやって此処に入った!」
周りの部屋にも聞こえるように大声を出しながら俺は騎士に訊いた。
「ふんっ、そんな大声で話しても無駄だぞ、タリス公に話は通っている、奴にはいずれより上の爵位が譲与されるだろう。」
どうやらタリス公は最初からセレーネを売る気だったようだ、何故か俺は冷静にそんなことを考えていた。
「さて、お前は知りすぎたからなここで死んで貰おう!」
そう言って騎士は剣を抜いてこちらに向かって来た!
咄嗟に俺は枕を奴に向かって投げつけてその内に布団から出た。
「暴れても無駄だ!大人しく死ね!」
「そんなのお断りだ!」
そう言って俺は近くにあった調度品を騎士に向かって投げた。
「なにっ!?」
力の上がった俺の投げた調度品は凄い勢いで騎士に飛んでいき、騎士の頭に命中した。
身体には鎧を纏っていても頭には何もつけていなかったのが幸いし、騎士は呻き声を上げながらその場に倒れた。
「気絶したか?」
俺はゆっくりと騎士に近づき騎士の持っている剣を取り上げた。
ズッシリと重い筈の剣は竹刀ぐらいの重さにしか感じられず、軽く振ってみたが問題はなさそうだった。
「グッ‥‥‥!貴様私の剣を!それをこっちに渡せ!」
眠りが浅かったのかすぐに起きた騎士は、頭に血が上って考えが回らないのか真っ直ぐこちらに向かって来た。
「うっ、うわぁぁァァァァ」
咄嗟に持っていた剣を振ると、剣は向かって来ていた騎士の左腕を切り落とした。
「グワァァァァァァァ!、腕がぁぁぁぁぁぁぁ!貴様ぁぁ!許さんぞぉぉぉ!」
そう言って騎士は切り落とされた腕を押さえながら、またこちらに向かって来た。
「来るなぁぁぁ!」
ヒュッ
横に振られた剣は綺麗に振り上げられた騎士の右腕と首を切り落とした。
首を切られた騎士はそのままこちらに向かって血を撒き散らしながら倒れて来た。
「うわぁ!」
咄嗟に避けると、騎士の死体はそのまま調度品の飾られている棚に当たり、派手な音を出しながら床に倒れた。
辺りに広がる血の海、剣を振った際に自分や周りに飛び散った血、辺りは直ぐに血の匂いにむせかえらんばかりになった。
「うっ、くっ、やっちまった、人を殺しちまった。」
辺りの血の匂いに吐き気を覚えた俺は、それを必死に飲み込みながら初めて人を殺した感覚に震えた。
「これは仕方なかったんだ!やらなきゃ俺がやられていたんだ。」
誰に言うでもなく俺はそんな事を言っていた。
「‥‥‥!待てよ、俺の所に来たって事はセレーナの所にも!?」
その事に気付いた俺は剣を持ったまま部屋の入り口に向かった。
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こんばんわ(^^)
たった今書き終えたばかりでホクホク顔の作者LUFAです。
やっぱり書きたい!ってなった時しかよく書けないのでペースはまちまちになりそうなので此処で謝罪しておきますm(__)m
でも最低1週間に一回出すのは変わりませんよ!
さて、此処まで駄文を読んで下さった方々本当にありがとうございます!これからも頑張るのでよろしくお願いします( ´ ▽ ` )ノ




