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桃から生まれた桃子ちゃん

作者: 冬鬼
掲載日:2013/02/07

むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでおりました。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。


おばあさんが川で洗濯をしていると、とおくのほうから大きな桃がどんぶらこっこ、どんぶらこっこと流れてきました。


おばあさんはおじいさんと一緒に桃を食べようと大きな桃を片手でひょいと持ち上げました。おばあさんはとっても力持ちなのです。


片手に洗濯かご、片手で大きな桃を持って帰ったおばあさんはおじいさんの帰りを待っていました。待っていると、ようやくおじいさんが帰ってきました。


おじいさんは片手に猪を抱えていました。おばあさんはそれどうしたんじゃ、と聞くとおじいさんは襲ってきたからしばいたんじゃ。と笑って言いました。若い頃はブイブイ言わせていたに違いありません。


おじいさんとおばあさんは桃を食べようと切ろうとします。ですが、おじいさんが何かに気付きました。中から何やら何らかの気配がするのです、それはどうやら真ん中にいるようでした。おじいさんはおばあさんを下がらせ、熟練した刀裁きで中のものを傷つけないように切り分けました。


そうすると中から、それはそれは可愛らしい女の子が生まれてきました。子供が独り立ちして子供が居なかったおじいさんとおばあさんはたいそう喜び、女の子に桃子と名付けました。


そんな桃子はおばあさんとおじいさんの愛情を受けて、りっぱな17歳の女の子になりました。そして、桃子は村の人から頼まれて鬼退治に行くことになりました。



*************



「気をつけて行ってくるんだよ?鬼を退治してちゃんと帰ってきなさいな」


「大丈夫だよおばーちゃん。そんなに心配しなくても大丈夫ー」


「油断は禁物じゃぞ。ほれ、ばあさんの作ってくれたきびだんごを持って行きなさい。」


「うん、じゃあいってきますー」


桃子はおじいさんたちに手を振って家を出ました。


桃子が鬼ヶ島に向かう途中に、犬というよりは狼みたいな青年に会いました。頭からは犬のような耳をもっています。後ろでふりふり揺れているのは尻尾でしょうか。


「桃子、どこに行くんだ?」


「ちょっと鬼ヶ島に鬼退治に行くんだー」


「そうか、じゃあ俺もついて行ってやろう」


「いやぁ、いいよ悪いし。」


「じゃあそのきびだんごを寄越せ。それなら文句はないだろう」


「それもそうだね。はい、どーぞ。」


とゆうわけで、桃子は狼さんをお供に、鬼退治にむかうのでした。きっとこんな怖い狼さんがいたら鬼さんも怖くて逃げ出しちゃうんじゃないかと思いましたが考えるのがめんどくさくてやめました。


しばらく歩いていると、背中に綺麗な翼の生えた目が細い青年が目の前に降り立ってきました。それを見て狼さんはなぜか不機嫌そうな顔をしました。


「こんにちは桃子さん。どこに行くのですか?」


「これから鬼ヶ島へ鬼退治に行くんだよ。」


「それは楽しそうですね。私も連れてってはくれませんか。」


「いーよー、じゃあお礼にきびだんごあげる」


「ありがとうございます。全力で桃子さんをお守りしますよ」


こうして桃子はきじさんを仲間にしました。狼さんはやはりか、と不機嫌そうに唸っています。その様子を見てきじさんはニヤリと腹黒く笑うのでした。


二人のお供を獲得した桃子が歩いていると、茶髪の軽薄そうな青年立っていました。お尻には細長い猿のような尻尾を持っています。その姿を見た狼さんはすでに爪を伸ばして襲いかかる気満々です。


「桃子ちん、どこ行くの?」


「ちょっと鬼ヶ島へ鬼退治に行くの。」


「‥ふーん、ほんとは桃子ちんと二人で行きたいんだけどね、邪魔なのいるけどお供して上げる」


「ありがとー、お礼にきびだんご上げる。‥‥あれ、狼さんどうしたの?怖い顔になってるよー」


「‥‥いや、なんでもない」


今にも襲いかかりそうだった狼さんは桃子に見つかったため諦めました。いまだに猿さんと狼さんは睨み合いながら歩いています。犬猿の仲っていのはこうゆうことなんだなぁと桃子は思いました。その様子を横目に、きじさんは桃子を口説いていました。全く伝わらなかったですが。



そんなこんなで、鬼ヶ島に着きました。最初は海を渡れなくて困ったのですが、船頭さんが乗せてくれたのです。そこには、こんなやり取りがありました。


「すいません、ちょっと鬼ヶ島に行きたいんですけど」


「‥‥いいぜ、そのかわりお嬢チャンの体でぐはぁっ!!」


「なにかいったか。」


「タダで乗せていってくれるそうですよ」


「へぇ、やっさしー。ありがと、オジサン」


「‥‥ひぃっ!!の、乗せます乗せます!」

 


とゆうわけでこんな感じに着きました。さぁ、あとは奪われた宝を取り返して、鬼さんを退治して、家に帰るだけです。


「明らかに悪そうな雰囲気だねぇ。おーにーさーん出ておいでー!」


「でておいでー!」


「おい、お前ら馬鹿か。こうゆう時は慎重にー


「俺様を呼んだのはおめぇたちか?」


きちゃいました。肌が褐色の、下半身に虎柄のズボンを履いただけなので素晴らしい胸筋と腹筋が見えています。その姿を見て、三匹のお供はげんなりした顔をしました。何かのフラグが立ちました。言わずもがな、それは恋愛フラグです。


「よーし、鬼さん、覚悟ー!」


桃子は勇敢に立ち向かっていきましたが、鬼さんに抱き上げられてしまいました。それもそのはずです、桃子は武器を持っていませんでした。桃子は抱っこされたまま、三匹のお供に助けを求める‥‥訳でもなく、普段より高い景色を楽しんでおりました。


「軽いな人間。あとなんかあめぇ匂いがする」


「うぉーたっかー‥‥甘い匂いがするのはきっと桃から生まれた桃子ちゃんだからですよ。あ、そうだ。お宝返してください。みんな困ってるんですよ、それか私に倒されてください。」


「倒されんのはお断りだ。だが宝は返してやるよ、どうせここにあったって必要のねぇもんだ。」


「話のわかる鬼さんじゃないですか。」


「そのかわり俺様と結婚しろよ。」


「「「「だが断る(れ)」」」」


即座に否定され、この瞬間から鬼と三匹のお供は同類であり、敵になりました。このあとお宝を返してもらって、村の神社に納めた後、三匹のお供とお別れのはずでした。ですが、三匹がダダをこねたため、一緒に暮らすことになりました。そして、諦めの悪い鬼さんまでもが現れ、一緒に住むことになったのです。




さて、今日も桃子は三匹と鬼に取り合われているそうですよ!





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