プロローグ
人生にしっくりしていない人や、人生に悩んでいる人にぜひ読んで頂きたいお話です。つたない文章ですが、皆さんに何か伝わるものがあれば嬉しい限りです。
ここまで生ききて、近頃私はよく思う。
・・・もし、私が男だったなら、私が生まれた7月11日に男という性別で母親の胎内から生まれ出ていたなら、私の人生はいったいどんな風になっていたんだろう・・?
正直、今の私の生活と言うか、自分自身はあまり好きになれない。なんだかいまいちピンとこないのだ。どっちかって言うと、骨格は父親に似てゴツゴツしているし、体も女としては大きい。顔も手も大きくて、はっきり言って自分に女としての自身なんかあるはずもない。もてたことなんか全くもってない!ただ、鏡を見ていていつも思うのは、これが男ならな〜・・・ってことだけ。たぶん他のどの女の子よりもずっとずっとその気持ちが大きいことは確かだ。私が母親の胎内に誕生するよりももっと前に、もし神様がこの私、溝内理沙になる前の前の私に、男の道を行くか女の道を行くかの選択をするチャンスをもう一度だけくれたなら、迷うことなく“男”の道を選ぶことだろう。
そんなある日、私は古い本屋で一冊の不思議な本と出会うことになる。