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百物語  作者: 尚文産商堂
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8、たたずむ女性

これは、良く行く美容室での話。

昼過ぎに、このあたりで有名な幽霊スポットがあるって言うんで、美容師さん達が見に行ったそうなんだ。

その道は、昼でもそこそこ暗くて、木々の葉が頭の上を覆っていたんだと。

そして、噂の場所に近づくと、女性が立っていたんだ。

白い服を着た女性で、こちらに向かって歩いてきていたらしい。

そして、ちょうどすれ違うって言う時に、向こうの女性がニコッて笑ってスッと消えたそうな。

それを見たとたんに、温かいはずなのに急に寒気がして、引き返してきたそうだ。


それきり、彼らも行くことが無くなって、彼女がそこにいるのかどうかは、誰も知らない。

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