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28、ボールペン
俺の小学生の時の友人の話。
そいつは、いつでも黒ボールペンでノートとかを書いていたんだ。
しかも、いつも同じやつで、筆箱の中には、ほかには小指の半分以下の長さになった赤鉛筆と親指の爪ぐらいの大きさしかない消しゴムと、修正ペンだけだったんだ。
それで、ある時、俺がやつに聞いてみたんだ。
どうしてそれしか使わないのかってな。
そしたら、そいつは、俺にこう答えたんだ。
このボールペンは幼稚園のころから使い続けていて、これが切れたら別のボールペンにしようと思っているんだが、なくならないんだと。
ちなみに、その時に遊びで100mの紙テープを買ってきて、そこにそのボールペンをなぞらせてみたんだ。
一回も途切れず、かすれることもなく書き切れたよ。