18/101
17、ツクモ神
九十九神って聞いたことあるわよね。
長い間経つと、物に魂が宿るっていう感じの話。
私が体験した話なんだけど、家に、祖母からもらった人形があったんだ。
かなり昔からあったものらしいんだけど、結構痛んでいたのを少しずつ補修しながら使っていたのね。
それで、ある日の夜。
私が寝ていると、枕元に誰か来たような感覚があって目が覚めたの。
横に顔だけを向けて見てみると、20歳前半ぐらいの女性が立っていたの。
彼女は私にお辞儀をすると、一言だけ、ありがとうって言ったのよ。
それで、急にふっと消え、あとには人形が壁にもたれて立っていたわ。