2.5
定期的に行われている姉妹校との生徒会交流会が終わった。
この活動をもって、3年生の会長一名、副会長一名、会計二名が一旦引退となる。任期は9月末まであるが、受験に向けた配慮として本校は8月初旬に行われる生徒会交流会をもって引退という形式をとっている。
ただ、10月の選挙を経て新しい生徒会役員が加入した際は、一時的に補佐を務めてもらう事もある。実際に自分も引退した当時の3年生たちには助けていただいた。
3年生たちの引退式は別日に行われることもあり、交流会後は各自解散となった。
普段通っている学校から5駅分、そしてバスで15分ほどの場所にあるこの高校は、河川敷の直ぐ横にある。
猛暑日で気温が非常に高い日ではあるが、木陰も多いこの場所を歩くのは気分転換になるだろうと思い、河川敷のサイクリングコースとなっている場所を歩いてみた。
毎年7月に花火大会が行われる会場よりも少し下流の場所である。まだ小さい頃に連れてきてもらった。この辺りは人がほぼいない穴場だった。少し静かな場所で見る花火は、打ちあがった時の音が自分の体の奥の方まで響き渡り、非常に感動した記憶がある。
サイクリングコースはしっかり整備されており、河川敷によく見られるような砂利道ではなく、アスファルトでしっかりと舗装されており、制服にローファーという格好でも歩くのに支障はない。周りを見ると、暑さが厳しくなる時間帯にもかかわらず、自転車だけでなく、犬の散歩やジョギングをしている人の姿も見られる。河川敷に沿って植えられている桜の木がちょうど良い具合に日陰となるよう形成されているので、猛暑の中でも涼しさを感じさせるこの場所は、空調の効いた家の中にいて体が冷えてしまった者たちにとっては最適な場所なのかもしれない。
少し歩くと橋の下では家族連れと思われる幾つかの団体がバーベキューをしている。その奥に視線を移すと、川で遊び終わったと思われる小学生ぐらいの子どもたちがラップタオルを巻いて着替えをしていた。
少し視線を逸らす。この光景を見つめた事で、不審者と間違えられては、たまったものではない。
そういえば、ここに来る途中あまり管理されていないような扉の壊れた男女共用の多目的トイレがあった。そのような場所を更衣室として使うわけにはいかないだろう。
ただ、わざわざラップタオルを持ってきているという事は、最初から屋外で着替えるつもりだったように感じる。
振り返れば、小学校の時の水泳の授業は2つのクラスが一緒に行っていた。そのため、男子と女子で着替える場所を分けるのは容易だった。1組が男子。2組が女子。逆だったかもしれないが、そんな形だった。
ただ、ある年の夏休み中に、当時の担任が自分たちのクラスだけを小学校のプールに招待した。帰省もなく、暇を持て余すように過ごしている小学生からすれば、プールで遊べるというのは大きなイベントだ。その日は男女合わせて15人前後が集まったと記憶している。自分たちのクラスしかおらず、そして授業ではない開放感もあり、1時間ほど気兼ねなく遊んだように思う。
楽しい時間はあっという間に過ぎ去った。担任の合図でプールから出ると、自分たちの教室へと足を運んだ。ここに着替えを置いていたからだ。
学校に来るときは直ぐにプールに入りたい気持ちから、ほとんどの者が服の下に水着を着ていたが、帰りは水に濡れた水着を着替える必要がある。
教室に戻り、各々が体育の時間の時のように自分の席で着替えた。プールの時間に限っては男女別の教室で着替える事が当たり前となっていたが、この日は自分たちのクラスだけでプールに入った事もあり、隣のクラスに移動することもなく、当たり前のように教室のいつもの席で誰もが着替えを始めた。
そうした偶然が重なった故の出来事だった。
水着の着替えに関しては、男女一緒に着替える事に慣れていない。男子だけ、女子だけの世界では、緊張感も生まれにくい。ラップタオルの一番上のボタンしか留めていない者、下着を履くときにラップタオルごと捲ってしまう者など、局部が見えそうになる者が多くいた。
しかし、隣にいた女子はとても器用に着替えていた。まじまじと見ていたわけではないが、つい視線が向いてしまう。
まず水着の両方の肩紐を外してからTシャツを着た。胸を全く見せる事のない完璧な着替え方だったように思う。そこから、水着をTシャツの下の方、即ちお腹の辺りまで下げたところで、ラップタオルを巻いた。ラップタオルの上から、器用に水着を少しずつ下げていく。これも完璧な着替え方だった。しかし、ボタンを一つだけ止めていなかった。もしかしたら、途中でボタンが外れてしまったのかもしれないが定かではない。その隙間から、一瞬だけ秘部が見えた。一本の筋。
ほんの数秒の出来事だったが、その女子は全く気付かぬ様子で、水着を全て下ろすと、何の躊躇もせず下着を履かずにキュロットスカートを履いた。その子は学校から非常に近い場所に住んでいるという事を何となく知っていた。下着を忘れたのではなく、下着を最初から着けずに帰宅する予定だったのだろう。こうした着替えの時ですら下着を見せぬことを徹底したのかもしれない。最後にラップタオルを外して、私服姿になると、あっという間に教室を後にした。
自分はTシャツを着た状態でラップタオルを巻いて、今まさに水着を脱ごうとしていた時だったが、動きが止まってしまった。その光景を見てしまった事に驚愕して体が一瞬動きを止めてしまった。それに反して、陰茎が膨らんでいる自覚もあった。陰茎が膨らむ理由は、このころは概ね理解していたが、実際に起こってしまうと、その姿を見られたくないという気持ちが強くなった。
幸いにして膨らんだ陰茎は水着の着圧により少し抑えられ、ラップタオルの中にも隠れている。周囲を見ると、まだ着替えを終えてない者も多くいた。焦る必要は無い。少し気持ちを落ち着かせて、何も考えぬようにしていると、陰茎の膨らみは収まった。直ぐに水着を脱ぎ、下着とハーフパンツを履いて、自分も教室を後にした。
自宅までの帰り道も、たった今見てしまった光景が頭に浮かんでしまう。
陰茎も再び膨らみだしたが、これを処理する仕方が分からなかった。自慰の方法をまだ知らなかった。悶々とした気持ちを発散する方法が無く、しばらく抱え込むことになってしまった。
あの時の綿抜の姿が今でも脳裏に焼き付いている。




