表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

1話 恋はまだ始まらない

 一目惚れ...ひと目見ただけでその人に惚れるなんて、胡散臭い。実際にあるわけない。と少し前までは思っていた。少し前までは...

 桜並木に心躍らし、俺こと黒河由太くろかわゆうたは、高校一年生となった。

入学式も終わり、クラスで自己紹介をすることになった。もうすぐ俺の番というときに俺は...席で爆睡をかましていた。

 春の心地いい光と、温かい風のなか、眠らないほうが無作法と言うものだろう。

俺は、正直他人の自己紹介なんて興味ない。だから寝ることにした。

そういえば、中学でも同じことしてボッチになったんだっけ...ま、いいや。 

しばらく寝ていると、隣からツンツン突かれる感覚がした。このまま寝てようかとも思ったが、十分寝たし起きるかと思って、俺は重たい瞼を開けた。

 「おーい、起きてー」と隣から女の声が聞こえた。目を開け隣を見ると、そこには俗に言う美少女と呼ばれる女がこっちを見ていた。

「ようやく起きた...もう休み時間だよ。」

言われて時計を見ていると、もう休み時間になっていた。寝過ごしてしまったらしい。

「さっきの自己紹介、君ぜんっぜん起きないから先生が名前だけ言ってとばしてたよ。先生がわざわざ音楽室からシンバル持ってきて鳴らしたのに、よく寝てられるね〜」

「ごめん、だれ?俺は黒河由太ってんだが。」

「あっ、そっか。さっき由太くん寝てたもんね...」

いきなり名前呼びか...と内心思いながらも、彼女は言葉を続けた。

「私の名前は桜田茜さくらだあかね。よろしくね☆」

このときはまだ誰も、この恋があのような結末を迎えるなんて、思いもしなかった。

だって未来なんて誰にもわからないからね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ