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みんながみんな私のことを誤解している、と思う。私はそんなに優しくもないし可愛いわけではない。色眼鏡で見ることがなければ私の真の姿が。真の姿とは何だろう。本当の私とは何だろう。たくさんの人の小説の中に書かれている私は、そのどれもが本当に起こったことに基づいてはいるのだが。そのどれもが都合よく勝手に解釈されてしまっているような気がする。確かに私は異性が苦手だと思っているが興味がないわけではなく怖くもありあまり関わりたくないなと思いつつどんなことを考えてるんだろうと気になってしまったりもする。お姉ちゃんのことは大事な家族だなと思いつつちょっとめんどくさいときもあり一人にして欲しいときもあれば話を聞いて欲しいときもある。もちろん困ってれば力になりたいなと思うし、どうして私にそんなことを尋ねるのかと思うときもある。隣の席の男の子は私にとって特別な相手というわけではなく話が合うなとは思っているが普通にちょっと嫌だなとかでもそれはお互い様かもなと思うときもあり、好きとか嫌いとかはまだよくわからない。何なんだろうなというのが正直な気持ちだ。

私は全てを知った上で、藤堂詩織を演じているのか。これは私についての私の小説だ。誰にも見せるつもりはないし誰にも解釈されたくない。

友達同士の恋愛相談に乗っていて、というかグループ内で何となくそういう話になって。一人の子が気になっているのが私の隣の席の例の男の子で。仲良いの? と聞かれて、休み時間とか授業の合間にちょくちょく話すよと答えたら。その子の中で盛り上がる感じになったらしく、いろんな細かいところまで聞かれて。私もマイナスなイメージを話すはずもなく、上から目線にはならないように、事実をなるべく印象の良い感じに伝わるようにしたのだが。その子は中学時代に彼氏がいたらしくでも結構浮ついた感じで明るくて楽しい人なんだけど高校が別になったら連絡も途絶えちゃったみたいなことを話していて。隣の席の男の子はミステリアスで真面目そうなところが良いとのことだった。

私が気になってること絶対に話さないでね、とその場で強く念押しされたのでまだ迷ってるところなんだなと思っていたら。その日の晩にスマホアプリのメッセージが来て「今度告白しようと思う」「てか告白する!」。私はめちゃくちゃ行動早いなと感心しつつもちょっと面白くなりながら「応援する!!」って素直な気持ちで返した。そしたらすぐに「ごめんね」って返信が返ってきて。私は、なんで? って思った。なんでって思ったのに急に寂しい気持ちになり始めて。もっと、なんで? なんで? って。私は一人で泣き出してしまった。

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