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コント

小学生の書いた童話がかなりおかしい

作者: 忍者の佐藤

ーーとある小学校で「教訓のある童話を書いてきなさい」という宿題が出た。

  その中で、変わり者の鈴木くんが書いてきたそれは、少し奇妙な出来になっていた。



担任「お、鈴木くん、今回も書いてきたな。どんな作品になっているんだろう」



童話「あるところに、ファンシーランドという、ふわふわな妖精さん達が暮らす国がありました」



担任「メルヘンな設定だな」



童話「そこに、スイカくんとレモンくんという、仲の良い兄弟が暮らしていました」



担任「ここまでは普通だな」



童話「スイカくんはあおり運転がだ~い好き」



担任「鈴木くん?」



童話「ターゲットはいつも白の軽」



担任「鈴木くん?」



童話「かぼちゃの馬車で煽りまくります」



担任「鈴木くん!? 例えかぼちゃの馬車に乗っていてもバキバキに煽り倒してることに変わりないからね!?」



童話「煽ってるときだけは対魔忍の任務を忘れることができました」



担任「このスイカ対魔忍なのかよ!! あれファンシーから一番遠い職業だよ!!」 



童話「一方のレモンくんは大人しい子でした」



担任「よ、良かった。弟は普通にファンシーなんだ」



童話「レモンくんは(植物の分際で)草や花を育てるのがだ~い好き」



担任「かっこの中いらないだろ」



童話「今日は収穫した葉っぱを乾燥させ、0.5mgを砕いて紙に詰め、ゆっくり味わって吸いました」



担任「こいつ大麻キメてない?」



童話「レモンちゃんは最高にファンシーな気分でした」



担任「ファンシーってそっちのファンシーかよ! 何この描写の生々しさ!! 小学生が生み出していい文章じゃないだろ!」



童話「ファンシーランドでは毎日楽しいパーティーが開かれています」



担任「大麻パーティーじゃないだろうな」



童話「いいえ、大麻パーティーではありません」



担任「心読まないで心を!」



童話「今日はマシュマロパーティーが開かれていました」



担任「よ、良かった、普通のパーティーだ」



童話「テーブルに並んだた~くさんのマシュマロ。でもレモンちゃんは落ち着きません」



担任「どうしたんだろう」



童話「いつも来ている友達のマシュマロくんが居ないのです」



担任「鈴木くん?」



童話「そういえばマシュマロ君は借金で首が回らなくなっていました」



担任「鈴木くん!?」



童話「そんなマシュマロくんの事を想像しながら食べる焼きマシュマロはと〜っても美味しいね!」



担任「いや怖えよ!! サイコパスかこいつ!!」



童話「正反対の二人でしたが」



担任「いや二人共アウトロー一辺倒だよ!」



童話「スイカくんとレモンくんは本当に仲良し。困ったときは助け合って生きてきました」



担任「本当なのか……?」



童話「例えば喉が乾いたときは、互いの体にストローを突き刺して体液をチュウチュウ吸います」



担任「イカれてんだろこいつら!!」



童話「平和に暮らしていた二人でしたが」



担任「偽りの平和だよ」



童話「二人のお父さんである『胃さん』が急に倒れました」



担任「胃!? ファンシーランドに胃!? 何よりスイカとレモンの父親が胃なの!?」



童話「胃さんは二人に『実はお前たちは本当の兄弟じゃないんだ』と言いました」



担任「いやどっちかというとお前と子供が本当の親子じゃないだろ」



童話「『二人共仲良くするんだよ』と言い残し胃さんは胃酸を撒き散らしながら死に、二人に遺産を残しました」



担任「いさんいさんがやかましい文章だな……」



童話「二人は9.02秒ほど悲しみました」



担任「いや全然悲しんでねえ! ボルトよりはやい立ち直り!!」



童話「二人は遺産を巡って殴り合いの喧嘩になりました」



担任「いや戦闘民族並みの喧嘩っ早さなんだが!! 仲良し設定どうなったんだよ!」



童話「金の前では兄弟愛など無意味」



担任「家で何があったんだ鈴木くん!!?」



童話「スイカくんの右ストレートがレモンくんの顔面を捉え、スイカくんから大量の血が飛び散ります!」



担任「自滅しとる!! あとそれ血じゃなくて果汁だよ」



童話「レモンくんは負けじとスイカくんの股ぐらに潜り込み!」



担任「おお!」



童話「股間を観察します!」



担任「観察するだけ!?」



童話「そこには斎藤さんが住んでいました」



担任「誰なんだよ!」



童話「殴り合う二人、飛び交う果汁!」



担任「もう止めた方が……」



童話「床の果汁を舐めるスネ毛くん!」



担任「何だこいつ!?」



童話「しかし二人は既に限界でした。蓄積ダメージに耐えられなくなったスネ毛くんは爆発四散してしまいました」



担任「いやお前汁舐めただけだろ!」



童話「こうしてファンシーランドの住民は全滅しましたとさ、めでたしめでたし」



担任「いや何もめでたくないよ! 何だったんだこの童話、まともな奴が一人も出てこなかったぞ……。お、最後にこの童話の教訓が書かれているぞ。いやこの童話の教訓って何なんだ」



童話「教訓:スネ毛を剃ってはならない」



担任「何だこの教訓!!」





おわり

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― 新着の感想 ―
[良い点] お笑いとは斯くありきと魅せられました。 やはり天才か……。
[一言] あまりにも面白くて、前作と合わせて読んでしまいました。 担任の突っ込みが適切で、リズム良く、楽しかったです。
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