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AI少年と青緑  作者: 野間之まの
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プロローグ




世界にはたくさんの愛がある。私も小さい頃、母親と父親にはほしいおもちゃ買ってもらったし、寝る前はキスしてくれるとか……いっぱいの愛を貰った。もちろん今でも、私のためにお弁当作ってくれるし、学費稼ぐために働いてくれてる。………が…………………



「愛が足りなーーーーーーい!!!」


そう叫びながら、布団から勢いよく飛び起きる。

私は千原みかど。高校2年生。いわゆるジェーケーというやつだ。この年頃になると、勉強に部活に恋愛に、青春、青春、青春…で毎日大忙し♡………………なんていうのは妄想。

日々大学受験に向けて宿題と塾漬け。演劇部では台本覚えて動き覚えて、先輩の長いお説教を聞いて…。そして最大の問題は、恋愛、つまり異性との恋をしたことがないこと。もちろん、好きなタイプがいないってわけじゃない。

「顔は整ってて色白で、スポーツ万能、テストでは不動の一位、優しくて頼りになる同い年の男の子……あとついでに私のためになんでもしてくれる人で、お金持ちで………」


……………そう。つまり、理想が高すぎるのだ。現実ではそうそうこんな男の子はいない。アイドルとかにはいそうだけど、そんなところ手が届くわけが無い…。

「あ……やば。もう朝練の時間じゃん……せっかく早起きしたのに、妄想してたらあっという間に時間が……あーもうっ!」

今日も今日とて自由を縛ってきまーす。







「ねえねえみかど、知ってる?エンカウンタープロジェクトってやつ!今注目されてるゲームでね、ニュースのトレンドにも入ってて………って、おーいみかど、聞いてる?」


……朝練で校庭走り回されてへとへとなのに…意気揚々と話しかけないでほしい。こいつは私の苦労を知らないで…平然と……


「ねぇーみかどってばー」

「あーーはいはいなになに!」

「も〜朝から不機嫌なんだから〜…で、知ってる?エンカウンタープロジェクト!」

「エンカウンターって……出会いとか遭遇って意味だよね?なにその胡散臭い名前…」

「確かに名前はそうだけど……でもすごいんだよこのゲーム!自分好みの男の子と恋愛できる、最新AIシステム!最初は自分の好みに近い男の子を選ぶんだけど、接していくうちにいろいろ分析されて、最終的には完全に理想通りの男の子ができちゃうんだって!しかも、バーチャル世界に行くから、ほんとにその男の子がいるみたいに見えるの!」

「へ〜、それすご…私も欲しい……」

「でしょ〜!でも、まだ販売されてないんだって〜…テストプレイしてくれる人は募集してるんだけど、注目されてるだけあって選ばれる確率低そー…」


…エンカウンタープロジェクト、か。確かにこのゲームなら、私も恋愛できて、青春謳歌できるかも……








「は〜、疲れた〜」

布団にダイーブ。

夜22時。部活終わって塾行ったら、いつも帰るのはこんな遅い時間。毎日へとへとだ。

おもむろにスマホを取り出すと、ニュースのトレンドに「エンカウンタープロジェクト」の文字があった。そういえば、今日の朝友達が言ってたっけ。面白そうだから、公式サイト見ちゃおっかな〜……

【理想のカレシがここに!エンカウンタープロジェクト!

テストプレイスタッフ募集中!】

そこには、一昔流行ったチャットの恋愛シュミレーターみたいなノリの内容が書かれていた。

誘い文句、というのは相手の都合の良いことばかり書くものだ。理想的な恋愛の実現、運命的な出会いが体験できる。これは典型的なやつ。こういうものは大体、思ってたんと違う、とか…なるやつなのだ。

…だが。私は迷わずテストプレイに応募していた。








それほど愛に飢えていたのか、疲れて寝ぼけたのか。はたまた、少し早いけど深夜テンションになっていたのか。








理由はなんであれ。私は『応募する』の文字を押した。

押してしまったのだ。



ここから、私の人生が大きく狂わされることを知らずに…。

これから物語本編です。

どうかこれからも行く末を見ていただけると、

とってもぱっぴー!です。


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